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欲しいものは、おだやかな暮らし


あたりまえの、太いネオ林。


引っ越しましてん。
自分引っ越しましてん。
上京してから16年住んだ部屋から、自分ついに引っ越しましてん。

まぁ、大変でしてん。


屋敷の外へ!


何から話せばいいんだろう。

まぁなんせゴミ屋敷に住んでおりましてん。
散らかってる、とか汚部屋だとか、そんなチャチなもんじゃ断じてねえ。
もっと悍ましい部屋に暮らしておりましてん。

例えるなら、外飼いの犬が犬小屋にゴミ的なものを持ち込むのを放置する。
それを人間がやったら、って感じの部屋でした。

片付けるきっかけがなく、いつからか人も呼ばなくなって屋敷化は悪化の一途を辿るばかりでしたが、一念発起して今回の引っ越し。

そうかやるのか、やるならやらねばと、まずは片付け&梱包から永きに渡るこの引っ越しロードはスタートしました。

結論、衣類・書籍・その他もろもろだけで、段ボール16箱に至り、
「これ引っ越し先に納まんのか・・・?」と不安になりましたが、新居は部屋の広さに比例して収納もボリューミー。
結果としてなんとかジャスト量くらいで収めることができました。


30代、初めての特殊清掃


モノは片付きましたが、まだモノが片付いただけ。
ここからは16年の蓄積した酷い汚れをこそぎ落とす、特殊清掃のお時間です。

100均で買い揃えた清掃グッズの内、最も重宝したのは重曹やらなんちゃら酸やら薬剤の染み込んだウエットティッシュ。
最初は4パックで足りるかと思ったら全然足りず、お代わりよろしくもう一度4パックを買いに走るほどの頼りっぷり。
※ワンルーム全部の清掃でほぼ8パック全て、1パックにつき25枚入っていたので、合計200枚を使ったことになります。ドン引きですね。


ロフトと下フロアの床やら窓のさんやら、キッチンお風呂の水回りやら。
拭っても落ちぬヤニと埃のミックス汚れをなんとか落とさんと、200枚分酷使し続けた私の手は、翌週末まで握力的な部位がずっと筋肉痛でした。

結果として、エアコンも必死こいて綺麗にしたおかげでエアコンクリーニング費は退去時に免除されました。普通のクリーニング費用は取られましたが。


「日頃からまめに掃除してれば」の十数年分の蓄積を、一気にこなした特殊清掃。
多分本来なら業者呼んでお金払うレベルの清掃を一人でやっつけた経験から、
「新居では絶対まめに掃除をしよう」と、一人暮らし16年目にしてようやく心に誓えました。

こう見えて、失敗から学ぶんですよ。ごく稀に。


ぼくの家は家じゃない


死ぬほど苦労して、お金もいっぱい支払って、ついに新たなアルカディア、
前の家から徒歩1分の新居に入居。

内見時に一目惚れした出入り可能な屋上からの眺め、続々届く好きなデザインの家具、少しずつ整っていく安住の地。



しかし落ち着かない。
なんだか全く落ち着かない。

18年生きた田舎を離れ、単身上京したときには毛ほども感じなかった、いわゆる「ホームシック」ってやつが、この歩いて1分の新居で感じられるってんだから、人間の心というのはわからんものです。

物心ついてからの、激動でもない16年を過ごしたあの汚部屋小部屋は、やはり思い入れもひとしおなのだろうなと。

入居から一週間ほどは、
「広くて綺麗な部屋に帰りたくない、、、狭くて汚いあの部屋に帰りたい、、、」などと、うわ言のように呟くばかり。

昨日で入居十日目を数え、ようやく今の部屋に落ち着きを感じ始めたのですが、それを感じた一番の理由が「部屋が自分の匂い(おっさん臭)になってきた」と気付いたことで、
過去に唱えた自説の正当性を、自分の中でだけ再度噛み締めることにもなったり。

(過去に唱えた自説:メンタルは匂いに左右される説)




とにもかくにも、(主に自業自得で)死ぬほど大変だったはじめての引っ越し。

周りの大人の皆さんは、こんな大変な思いを何度もしてるんだと思い至りつつ、わたしもこれで大人の階段登デレラさなんて、少し成長した錯覚を覚えています。


仕事帰りの夜の道を、8日かかってやっと間違えず辿り着けたのを、この引っ越しのひと段落として、今回の雑文を締めとしたいと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございましてん。



ちなみに私は週に一回寿司を食うタイプの妖怪なのですが、
これは入居の決め手になったとかでは全くないのですが、
新居マンションの一階は、宅配寿司の「銀のさら」が入っています。


おわり

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