見出し画像

【超過酷】キッズ9人と北海道特急禁止旅!七つの「何か」に出会う旅

可愛い子には旅をさせよ!と言われるが、「旅」とはなんだろうか?

日常、誰かが守ってくれている当たり前からちょっと離れて、安全の代わりに自由を得られる行為だと思っている。

しかし、インターネットとSNSが発達し、旅行にいかなくてもある程度その土地のことをわかってしまうために、旅先で出会える「何か」の遭遇率は年々低くなっている。

にもかかわらず、この旅ではそんな「何か」にたくさん出会う機会があった

それは親の年齢になってから子どものためとはいえ、わざわざやるにはあまりにも過酷な連続40時間の移動を含む旅だから。


僕としても、フェリーで寝れるとはいえ、そんなに長時間の移動をしたことがない(あるかもしれないが)

それ故に、全く予想しなかった、いやできるはずもない「何か」にたくさん出会うことができた旅になった。

なぜ40時間の移動時間なのか


そもそも、子どもがそれに耐えきれるのか?という話はある。

そんなことは僕にも想像できたので、今回の旅の出発&解散地点をわざわざ新千歳空港にしていた。

僕は飛行機よりも陸路で移動したい派なので、帰りは1人で帰るつもりだったが、まさかの一緒についていきたいという子どもがほぼ全員

「40時間の連続移動だよ!?」との忠告も聞かずに「キタキタとなら大丈夫っしょ!」ということで、結局9人でこの移動をすることに。

さらに、恐ろしいことに行きも陸路だけで行く猛者も子どもに現れた。


彼らは、朝6:50に東京出発し、夜8時に八戸に到着する子どもだけのオール鈍行列車の旅をやり遂げたために、その子たちに関しては6泊7日中100時間移動時間に費やしていることになる。


実はそのメンバーは去年の東北一周旅を共にやり遂げた子達だった。今回、まさかのリピート率100%だったので、去年東北一周した子達がそのまま全員参加。

1年間の成長ぶりを存分に見せつけてくれた。

「何か」-1 乗換口まで徒歩7分、乗換時間は4分


陸路組とは花巻駅で合流することになった。
しかし、花巻駅で待てども電車は来ない。

なんと、さっそく電車が遅延していたのだ。

十分遅れで花巻駅に到着した後、彼らと合流し、次の乗換がかなり難しいことを伝えると「え!?どうすんの??」と困惑していた。

その回答は「走ってなんとか間に合わせるしかない」オンリー。

幸い、電車がなんとか遅れを多少取り戻してくれたものの、全力ダッシュでホームに向かい、乗り換えを成功させるに至った。

盛岡の友人に撮ってもらった


「何か」-2 「自腹」を切って海鮮丼


なんとか八戸行きの最終電車に間に合い、その後は何事もなく八戸港へ。 

今回の企画の集合が新千歳空港に朝10時

苫小牧についたのが朝6時だったので、陸路組の希望により札幌駅周辺で遊んでもらうことにした。


乗る電車は、11:06発の岩見沢行き。 




札幌時計台を軽く観光し、次の電車の出発時間を伝える、彼らを残して新千歳空港に他の子どもたちを迎えに行く。

飛行機組とは難なく合流を果たし、僕達も11:06の札幌発の岩見沢行きに乗ることにした。


しかし、車内に彼らの姿はなかった。どうやら、信号にひっかかりまくって駅にたどり着けなかったらしい。

こうなってしまうと、あとは特急を使ってカーチェイスをするしかなくなってしまう。

彼らには次の11:30頃発の岩見沢行きに乗ってもらい、岩見沢〜滝川間で特急列車を使ってもらって、最低限の出費でこの状況を切り抜けてもらった。  

ただし、その特急代は彼らの自腹。自分のやらかしで、使えるお小遣いが減るのはちょうどいいペナルティだろう。

※なお、彼らは海鮮丼をたべていて遅れたらしい。

「何か」-3 駅スタンプを押しに行っただけなのに…



今回の旅の難しいところはいくつかある。

1つは毎年何かしらの廃線が起こる北海道ゆえに電車の本数が極端に少ないところ。

もう1つは最速で行っても宿のチェックイン時間に間に合わないため、北見からレンタカーを借りて別行動で宿に向かわなければいけないこと。

そして、何よりも人数が多いこと。

そのため、インターンを1人用意して、いざとなったら別行動できるようにしていた。

それなりの備えをしていたが、事件は起こる。

旭川から特別快速きたみに乗車した後、とある駅で参加者の1人が突如電車を降りる。

何か嫌な予感がしたので、一応走って着いて行ったが、駅のホームに到着した途端、特別快速きたみが出発してしまう

この区間は事前リサーチで後続の特急を使っても宿の終電に間に合わないことは知っていたので、「もうタクシーしかないよな」と腹をくくる。

その後の行動がとりやすいのはレンタカーを借りる北見駅だが、そこまで157kmある。これは、大阪〜名古屋よりも遠いため、Googleマップの予想金額が4万円と今回の旅の参加費分くらいの金額になってしまった。


特快きたみが停車する駅までの走行時間を徹底的に計算し、なんとか最低限の出費(半額以下)かつ余裕のあるスケジュールを見つけることができたので、無事にこの事態を切り抜けることができた。

電車に残った子どもたちにはそのまま北見駅に向かうように指示。インターンの人から聞くに一番焦っていたのは僕達ではなく残ったキッズたちだったようだ。

電車を降りたのは駅スタンプを押していたためだったが、彼女にとっては非常に思い出に残るスタンプになっただろう。

どこまであがる?タクシーメーター?

なお、タクシー代は後々プロジェクトを立ち上げて自分で稼いでもらうことにした。

そのプロジェクトについての告知は後ほど。

「何か」-4 見知らぬスーパーで感じた道東クオリティ


そろそろトラブルの話にも飽きてきた頃だと思うので、旅っぽい話をしてみることにしよう。

当18きっぷ遠足では度々自炊をすることで、格安で地元の美味しい食材を使いつつも不足しがちな野菜を取り入れることにしている。

初日のみレンタカーがあったため、スーパーに買い出しに行ったところ、「ここは日本の端っこなのだ」と感じてしまう食材の質も価格に驚いた。

30cmくらいの地物鮭の半身が300円で買えたり、ホッケなどの干物が150円で買えたりと近所にほしいくらいの道東クオリティな価格かつ質の良い食材がたくさんあった。


エイ・イサキ・ブリ・サーモンなどの地物海鮮丼&鮭

おかげで、この日の昼は海鮮丼。夜は焼き魚定食とかなり豪華な食事となった。


その他、釧路で羊肉を大量購入して、ジンギスカン丼を作るなどしていた。


諸事情によりあえて汁だくスタイル

この3食で名物料理を食べつつ、合計1500円とかなり費用を抑えることができたので、旅先で自分の好きなものを買うことができていた。 

北海道、すごい。
個人的に、北見に住んでいる友人から教えてもらった魚屋さんで大変に新鮮な鮭が一匹550円で売られていたのが衝撃だった。(もちろん購入した)


厚岸の牡蠣、大変に美味でした

「何か」-5 レンタカーを返す道中にて

夜ふかしについては声量さえ気をつけてくれれば自由にさせていた。

が、夜ふかしをしてしまったがために体調を崩してしまい、休まざるを得なかった人たちも何人かいた

元気なメンバーで知床斜里から北見までのレンタカーを返しに行ったのだが、その道中に「THE北海道」と呼べるような光景を目の当たりにした。  

馬がいて、青空があって、草原が広がる景色はまさに北海道。


ここは原生花園駅。
海に近く、季節によっては一面お花畑になる北海道屈指の絶景駅

事前情報一切なしにこの場所を発見し、それが原生花園駅だとわかったときにはかなり興奮していた。

この日の気温は30度。
照りつける夏の日差しとは裏腹に、オホーツク海の冷たい風が身体中を駆け巡る体験はまさに北海道といった感じに。

さらに、この駅には網走牛乳を100%使ったソフトクリーム流氷アイスなどこの季節だからこそ楽しめるスイーツもたくさんあった。

何気なく寄ったこの原生花園駅が最も北海道を満喫できた気がする。


その他、網走監獄にて北海道開拓負の歴史を学ぶなど。

「何か」-6 一方、居残り組はどこに??


斜里岳を望めるお宿

居残り組は居残り組でかなりエンジョイしていたようだった。

まずはわらしべ長者。
経験者が1人いたために、暇つぶしにわらしべ長者でいろんなものを交換しながらいろんなものをゲットしていたらしい。


オホーツク海も結構近い

その他、みんな大好きセイコーマートに1時間ほど歩いて向かったらしい。

最寄りのセイコーマートは知床斜里駅前にある徒歩20分くらいの場所だが、あえて彼らは遠くのセイコーマートへ。

知床斜里周辺は斜里岳に見守られつつもだだっ広い道路かつ、道中にハマナスが生えているため、これはこれで北海道を満喫できただろう。

1時間かけて友達たちとコンビニに行くのはなんだか夏休みって感じで大変に良い。

「何か」-7 ジンギスカン肉を求めて2時間半の電車旅


「最後の晩ごはんはジンギスカンにしよう」

ジンギスカン推しの声が多かったので、せっかくならば!と美味しいジンギスカンの肉を取り扱っているお店に向かう。

その場所は釧路。


北海道ナンバー6の人口を誇り、道東最大の都市である釧路には魚市場やイオンモールなど多数の商業施設がある。


さらに、その道中にはラムサール条約に登録されている釧路湿原もあり、電車に乗りながらタンチョウや湿原を見るなんてこともできた。


なお、電車の中は超激混み。景色に夢中でルパン電車だけ撮れてた

そして、飛び出したタンチョウに汽笛を鳴らして退かそうとするのもまさに北海道って感じ。


車内の釧路在住の高校生から観光魚市場的なものを教えてもらい、そこでのっけ丼を食べ、お昼ごはんとした。


個人的に美味しいと思ったのはニシンの切込。



のっけ丼市は観光市場らしく、切り身だけで海鮮丼を作るとなると結構高く付く。 


フェリー到着後に陸奥湊朝市に行くことを考慮してのっけ丼を売っている店を避けて探してみたところ、ニシンの切込を見つけることができた。無事に食べることができた人から美味しい!の声ばかり上がっていた。

ちなみに150円。これと200円たらこ盛り合わせと酢飯で割り勘300円程度のお昼ごはんに。

無事にジンギスカン用のお肉と野菜も確保して帰宅したものの、ただの買い出しとは思えないほどに観光的ムーブをできたのは面白い。


ーーーーーーーーーーーーーーー

今回は初の二桁代の人数での旅になった。

旅の基本として、人数が増えれば増えるほど動きづらくなってしまう

電車の本数のもともとの少なさや、減便される実態を見るに今のうちにしかできない旅なのだろうなと思った。


しかしながら、誰かに対応するために一時的に離れたとしても「しばらく電車に乗ってて」の一言で大多数の同行者を旅行行程通りに進ませることができるのはやはり鉄道の強み。


旅行会社のツアーが人による緻密な計画によって成り立っているとするなら、当18きっぷ遠足においては日本社会というシステムの上で成り立っていると強く実感した。

また、人生で初めて道東に来て、札幌だけでは感じられなかった「試される大地としての北海道」を存分に感じることができた。

奈良に向かう電車の中でこの記事を書いているのだが、子どもたちに聞いてみると「なんか今日の進むペース早いよね」と。


12時間かけても脱出できず、平気で待ち時間2時間をカマしてくる北海道電車旅。


辺境で身につけた新しい「当たり前」が僕達の生活を少しずつ変えてしまったのだろうなと思いながら、僕達は豊橋駅を後にした。


オマケ:2万円はどうやって稼ぐのか?

実を言うと、中学生が2万円稼ぐっていうのは案外難しいことではないと思っている節がある。

というのも、僕は2018年のpolcaの時代の最前線にいたので、そこで自分のやりたいことを実現するために何かしらのアクションをしている中学生たちをたくさん見てきた(&相談にのった)こともあって、中学生くらいであればすでに起業していたりするもんだって認識があるのだ。

polca:かつて存在した手数料無料&最低目標金額300円のクラウドファンディングのサービス

ちなみに、最も低い年齢では小学4年生からすでにインターネットで大人と変わらない仕事をしていた子もいたし、リアルでも小4くらいでいくらかお金を稼いでいる子もいた。

2万円というと、難しいかもしれない。

しかし、4人から5000円もらうとか20人から1000円ずつもらうと考えたら案外難しいものではない気もしてくる

ということで、彼女の2万円稼いでみるプロジェクトをやってみるついでに、そういう体験をしてみたい中学生くらいの子を募集してみようと思う。

もちろん、売春のような反社会的かつ不純な行動はさせないし、各々の心配に合わせた調整もしていくつもりである。

どちらかというと、その人の得意なことを活かした何かを作る。小学生と一緒に数学ワークショップをつくったり、中学生と一緒に歴史ワークショップをやったりと、この手のことは案外昔からやっていることだったりする。

詳細はまたどこかで書いていこうと思うが、弊塾の講座の一部として一旦仮募集をここでやってみようと思うので、興味のある人はぜひこちらのフォームに記入してほしい。


次回は冬に開催予定!
またnoteで告知するので、参加してみたい!という人はnoteをフォロー。
または遊び研究所のオープンチャットに入っておいてくださいませ!
オープンチャット「キタキタの遊び研究所」


最後まで読んでくださってありがとうございました! サポートもらえると、テンション上がって更新ペースが上がるかもしれません。