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結婚相談所の独立開業を成功させる方法を元プロが教える【実際の失敗例あり】

どうも、婚活ライターのスミダです。

今、世界の動向もあいまって、副業やフリーランスという働き方が浸透しつつある。

その中で「結婚相談所の独立開業」というのは、固定費が安く、気軽に始められるということで魅力的に映るかもしれない。

IBJ(日本結婚相談所連盟)では、こう説明されるだろう。

・人と人をつなぐ素敵な仕事
・利益率が非常に高い
・結婚という夢のある仕事
・やりがいもありお金も稼げる
・加盟店もどんどん増えている

しかし、こんなものは夢物語に過ぎない。現実は非常に厳しい世界であることは間違いない。

今日は、実際に結婚相談所を開業して様々な苦労を乗り越えてきた元カウンセラーである私の経験を元に、本当に成功するための方法や考え方IBJの実態や独立開業の現実を暴露していきたいと思う。

これから結婚相談所を独立開業する人、開業したけど上手く行ってない人にぜひ見ていただきたい。

結婚相談所の独立開業がいかに厳しいか

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私は最近まで結婚相談所で働いていたので、実はかなり信頼できるデータを持っている。

まず、IBJに入会する会員は全体で毎月約2500名ほどだったと記憶している。IBJ加盟店は約2400社(2020年7月現在)なので、単純に計算すると、1社毎月1名ほどの会員が入会しているということだ。

「毎月1名ずつでも入会してもらえるなら、十分稼げそう!」と思うだろうか?

もう少し詳しい数字を見ていこう。

毎月の入会者2500名の中には、当然IBJの直営店であるIBJメンバーズに入会する会員数も含まれている。これがだいたい月500名ほどだった。

さらに直営店じゃなくても、会員が1000名を超えるような大手では、月50人とかは余裕である世界だ。

たとえば関西ブライダルのような超大手は、平均して月100人くらいは入会していると聞いたことがある。

私が働いていた結婚相談所でも、そこまで大手ではないが毎月10名ほどはコンスタントに入会していた。

他にも、東京や大阪などでは強豪がひしめき、顧客を奪い合っているので、毎月10~50名ほど入会する結婚相談所はゴロゴロある。

そのうえで改めて計算をしてみると、加盟店2400社の中で、月に1名以上入会者がいる結婚相談所は、全体の多くとも5割と考えられる。

分かりやすく言えば、独立開業している結婚相談所の約5割は、毎月の入会者が0ということだ。

そう考えると、小規模で開業間もない結婚相談所が、会員を増やして利益を出すことがいかに難しいかがわかるはずだ。

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また、IBJの説明会に行くと、「世の中には独身が非常に多く、チャンスはそこらにある」と言われるだろう。

実際、国勢調査(2017年度)では、男女30~44歳で未婚は合計800万人以上もいるらしい。

兄弟や友人、近所に住んでいる人、会社の同僚、はては友達の友達など、自分の周りだけを見ても独身は非常に多いことがわかるだろう。

ということをIBJに主張されて、「あーその通りだな。」「1人でも入会してもらえたら◯万円稼げる良い商売だな。」と勘違いする人が後を絶たない。

たしかに独身は多いが、その中に「結婚したい」と考えている人はどれくらいいるだろうか?

「結婚したい」と考えている人の中で、リアルの出会いは難しいから「婚活をしよう」という人はどれくらいいるだろうか?

「婚活しよう」と考えている人の中で、婚活パーティやマッチングアプリではなく、あえて何十万円も必要な「結婚相談所で活動しよう」という人はどれくらいいるだろうか?

「結婚相談所に入ろう」と考えている人の中で、IBJメンバーズやオーネット、パートナーエージェント、ゼクシィなどの業界大手ではなく、あえて「小規模の個人経営の相談所」に入りたいという人はどれくらいいるだろうか?

さらに約2400店舗もある加盟店の中で、まだ開業間もない、実績も何もない結婚相談所に入ろうと思う人はどれくらいいるだろうか?

ほとんどが大手結婚相談所のところで脱落するので、これらをクリアして問い合わせをしてくれる人なんてほとんどいない。もしいたら、その人はきっと変態だろう。

結婚相談所は飲食店や美容室のように、「新しいお店ができたんだ、今度行ってみよう」というような業界ではない。

実際に開業したところで、誰にも知られず、毎月入会者数0人が続き、休業状態というのが、ほとんどの人が辿る道だ。

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独立開業する人で多いのが、

・婚活を経験したから、悩んでいる人にアドバイスできる
・自分が結婚相談所で出会ったから、同じような人をサポートできる

という考えだが、こんな人はゴロゴロいるので、ライバルと差をつけることはできない。

「保険の営業をやっていて、独身者の何千人のリストが手元にあるからなんとかなる」という人の話を聞いたこともあるが、そういう人でも失敗している。

なぜなら、結婚相談所の運営に関するノウハウがないから。IBJはたしかに応援はしてくれるが、運営のノウハウまでは教えてくれない

・商品はコレ
・値段はコレ
・こうやって売り込めばOK

など、フランチャイズのような指導は一切ない。

結婚相談所は、

・料金は自由に設定できる
・拠点も全国どこでもOK
・ホームページのデザイン指定もなし
・誰を対象にしても良い
・集客方法も基本的に自由

ということで、非常に自由度の高いビジネスだ。

ビジネスに精通している人なら、これを「面白い!」と感じるだろうが、ほとんどの人にとっては地獄でしかない。

・副業で稼いでやろう
・子育てが落ち着いたからやってみよう
・結婚相談所で婚活したことがあるから稼げそう

という人が安易な考えでやってみると、ほぼ間違いなく成功しないだろう。

では、ここからは本気で結婚相談所の独立開業で成功させたい人向けになるのだが、どうすれば成功できるのか、どうすれば知ってもらえるのか、について、実際の失敗例をもとに解説していく。

ホームページにお金をかける

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個人で結婚相談所を運営している人の中には、ホームページを作っていない人が非常に多い。

作っていたとしても、ペライチとかWixとか、無料で作れるサービスで簡単に済ませてしまっている人も多い。

リスクを抑えるために最初はお金をかけず、売上が増えてきてから投資していく、というのは経営のセオリーかもしれない。

しかし、結婚相談所に関しては、ホームページは会社資料であり、自身の名刺や顔になるものだ。

カフェや美容室であれば、そもそも店舗があるのでホームページはなくても良いし、内容が薄くても何も問題はない。

が、同じようなノリで結婚相談所を運営していると、間違いなく失敗する。

ホームページの作成は、企業に頼めば50万円以上するが、ココナラやクラウドワークスにいるフリーランスに頼めば、10万円くらいで十分素敵なホームページを作ってもらえるはずだ。

ホームページは、「知ってもらうため」でもあり、知ってもらったあと「問い合わせをしてもらうため」に絶対必要なものだ。

見てもらえたとしても問い合わせしてもらえなければまったく意味がないから、予算と時間をたっぷり割くことをおすすめする。

賑わってる感を出す

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ホームページに限った話ではないが、「ここに入ったら結婚できそう」と思わせる演出は非常に重要だ。

・開業したてで会員数は0人です
・ノウハウがないので、私に勉強させてください
・サポートはしっかりやります!やり方はわかりません

こんな結婚相談所には誰も入らないだろう。

ウソを言えということではないが、どうしたら賑わってる感を出せるのかはしっかり考えたほうが良い。

わざわざ「◯月◯日に開業しました」とかは一切書く必要はない。

かの有名なインテリア・家具店の「ニトリ」でさえ、初めて出店した店舗(札幌の小さな家具店)で、「似鳥家具卸センター 北支店」と名付けたという逸話がある。

「卸センター」は「広くて安い」、「支店」は「本店がある」、と客に思わせる似鳥会長のアイデアだ。

商品がないときは、「本店に問い合わせます」と客に言っていたそうだ。

そんなニトリは、2020年2月期決算では売上高6,400億円、店舗数600店を達成した、超巨大企業になっている。

日本を代表するニトリがそれくらいやってるのだから、どこぞの知らない結婚相談所を盛り上げるには、相応の努力やアイデアは必要だろう。

まずは会員5人を目指せ

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結婚相談所の運営で大切なのは、「知ってもらうこと」だ。

どうやって知ってもらうかはいろんな方法があるが、やはりブログやSNSがメインになるだろう。

しかし、会員0人のカウンセラーが発信した中身のない情報なんて、誰が見たいと思うだろうか?

まずは友達でも、友達の紹介でも、元同僚でも良いから、どうにかして5人の会員を集めることが非常に重要だ。

会員が5人いれば、結婚相談所の運営がどういうものか何となくわかってくるし、会員はどういう悩みを抱えて、どういう問題が発生するのか、何について相談されることが多いのか、ということが見えてくる。

これで初めて情報を発信でき、誰かに読んでもらうことができるということだ。

「有名な結婚相談所の人がアメブロやってるから、私もやってみよう」という考えは非常に安易だと言える。

その有名なブログは、実際にたくさんの会員がいて、会員の悩みや問題を知っているからこそ面白い記事が書けるのだ。

何の経験もない人がぽちぽちブログなんてやってても、ノウハウもない記事など誰も読まないし、まったく意味はないだろう。

あとで具体的な例も紹介してくが、まずは何とかして会員5人を集めることに力を入れよう。

極端にターゲットを絞れ

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たとえば、「30代男性向け」の結婚相談所だと、ターゲットは広すぎる。競合(ライバル)もたくさんいるし、検索で上位表示も難しいだろう。

だが、「30代の童貞」をターゲットにすれば、かなり絞られるはずだ。

「多摩川の30代看護師」とか、なんでも良い。

「そんな人いるか?」というくらい細かく設定して、まずはその人たちに知ってもらう方法を取るべきだ。

もちろんそれだけでは商売にならないので、会員数が5人、10人と増えてきたら、範囲を広げるなどの施策を考えれば良い。

ただし、「地名」で狙うのはおすすめできない。

Google検索で見るとわかりやすいが、たとえば「結婚相談所 品川」ではほとんど検索する人がいない。

「どうしても品川じゃないとダメ」という人は都内ではほとんどおらず、「新宿でもいいし、青山でも銀座でもいい」という人がほとんどだからだ。

わざわざ品川で探す必要はなく、誰もが「東京」などのビッグワードで検索することになる。

当然だが「結婚相談所 東京」などのキーワードは超大手企業が莫大な資金を投資して集客をしているレッドゾーンなので、個人が戦える場所ではない。

今はオンラインで全国どこでも入会できる体制を整えて、地名にとらわれず、「30代童貞」などのコアな層を狙うのが一番効率的なはずだ。

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どのターゲットを狙うかについてもうひとつ付け加えると、「結婚相談所は経験済み」という層がおすすめだ。

これから初めて結婚相談所を探そうとしている人は、まずほとんどがIBJメンバーズやパートナーエージェント、また加盟店でも有名な大手に入ることになる。

こんな大手と戦っても勝ち目は全くないので、絶対に避けるべきだ。

狙うのは「結婚相談所が初めての人」ではなく、「パートナーエージェントで結婚できず、IBJメンバーズもダメだった、婚活をしているときにIBJに加盟店がたくさんあることを知った、とりあえず安ければいい」というような人だ。

何度か失敗して、2~3社目に希望をかけて探している、そんな人をターゲットにして初めて候補に入れてもらえる、と考えておいたほうが良い。

私が実際にやった集客方法

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もし私が今からもう一度結婚相談所を運営するなら、IBJのエリアページにブログ記事を書くことから始めるだろう。

IBJ公式サイトを見るとわかるが、加盟店が自由にブログを書けるスペースが用意されている。

今はどれだけ良い記事を書いても、サイト全体の評価(ドメインパワー)が高くなければ、検索にまったくひっかからない時代になっている。

IBJのエリアページであれば、超強力なドメインパワーがあるので、上手く行けば次の日には検索で上位表示され、一気にたくさんの問い合わせが入る可能性もある。(ちゃんとした自社HPがあることが前提)

何度も言うが、まずは知ってもらうことが大切だから、IBJのエリアページなど、利用できることはどんどんやっていくべきだろう。

ほかはあまりおすすめしない方法だが、一応私が過去にやった対策を紹介しておく。

■パンフレット

地域のエステサロンや商工会議所など、自分で作成したパンフレットやチラシを置いてもらったことがある。

これは驚くほど効果がなかった。

地域情報誌に広告を出したり、ポスティングもしたが、意味があったとは思えない。

■異業種交流会

異業種交流会は、いろんな業種の人が集まり、情報を交換し、人脈を広げるための会、というのが建前だ。

でも実際は、自分で集客ができないから、誰か紹介してくれないかな、と考えている人たちの集まりにすぎない。

Giveができない人の集まりだから、誰もTakeできないのは当然で、そこで会員を紹介してもらうなんてまず無理なことだ。

私も行ったことはあるが、まったく時間の無駄だったと今なら言える。

■営業代行

光通信系の会社が、営業代行をしていることがある。

営業のプロが集客してくれるのだから、もしかしたら効果はあるのかもしれない。

ただ、かなり高額の費用がかかるため、初期のあまりお金がない時期にやることではないだろう。

■結婚相談所の運営者と関わる

何らかの方法で、実際に結婚相談所を運営している人と関わる作戦もおすすめだ。

ブログを書いている人にコメントをしてみたり、SNSで有名な人にDMを送ってみたり、ある程度認知度の高い人に何かで紹介してもらうことは非常に有益だ。

私は過去に、地域でローカル記事を書いている人に連絡して、「ブログの趣旨とはズレるかもしれないが記事内で紹介してもらえないか」ということをやりまくっていた時期がある。

当然9割以上は無視されたが、多少は効果もあったように思う。

婚活記事をアップしているサイトに連絡して、こちらで記事を書くから載せてほしいというアプローチもおすすめだ。

■ジモティ

私が最終的に行き着いたのは、「地元の掲示板♪ジモティ―♪」で有名な広告掲示板「ジモティ」だ。

「初期費用無料!月会費5000円!成婚料5万円!」というと、知らない人からすると高額に聞こえるかもしれないが、結婚相談所の相場からするとあり得ないほど格安な料金設定だ。

そんな金額でジモティに出稿し、とにかく1人2人集めることを意識してやったのは成功した。

ただし、そんな広告で入ってくる人は残念極まりない、非常に変な人が多かった。

それでも会員であることには変わりないので、他の結婚相談所の愚痴を聞いたり、どこで上手く行かないのか相談に乗ったり、問題を解決していったりと、経験を積むことができる。

たとえ変な人だとしても、ノウハウが蓄積し、ブログなどで情報を発信できるようになってくる。

ここまで説明した方法を参考にまずは会員5名を集めることがスタートラインだと思って欲しい。

変えていく、成長させていく

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ほとんどの人は、何かやったらやりっぱなしだ。ビジネスは成長するにつれて、あらゆることを変えていく必要がある。

料金も最初から相場ばかりを気にして、入会金10万円、月会費1万円、成婚料20万円と何も考えずにずっと固定でやっている人がいる。

サービスの内容も質もどんどん変わっていく中で、料金も細かく変更していくのは当然の流れだろう。

ホームページも最初はよくわかっていない状態で作ることになるが、実際に運営をやりだすと、おかしい部分や変更したほうが良い部分がどんどん見つかってくる。

それらをすべて変更し、反映させていくことが成長するということだ。

なぜか上手くいかない結婚相談所ほど、ホームページをほったらかしてアメブロに逃げていく。どこに向かっているのか、本当に謎でしかない。

最初から万人にウケる方法を実施することは、どんなに優れた人でも難しい。

実際に運営を経験し、失敗や苦労をした分だけ成長し、少しずつ多くの人に知ってもらうことができる。

私も実は、結婚相談所運営で大きな失敗をたくさん経験している。

一番想い出に残っているのが、料金の返金だ。

初期費用を10万円に設定し、「成婚退会できなかった場合は全額を返金します!」という内容のサービスで集客をしていたことがある。

これは、結婚相談所は「入会」のハードルが非常に高いことから、利用者の心理的ハードルを少しでも下げようと考えた施策だ。

実際に無料相談で、「3ヶ月で退会された場合は10万円の返金」などのシートも提示して、入会を促していた。

だがこれはまったくの失敗で、3ヶ月で辞める人が続出しただけだった。

結局、入会のハードルは下がらず、退会のハードルを下げただけだった。

このような施策は、実際やってみないとわからない。

もしかしたら、私が失敗したことでも、地域やタイミングによっては成功する可能性もある。

とにかく試行錯誤しながら実践し、変えていくことが大切だ。

飲食店なら「創業当時から変わらない味」なんてものが評価される業界だが、結婚相談所で変わらないことは「ビジネスとしての終わり」を意味する。

実際何でもやってみることが大事

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私は今日お話したこと以外にも、本当にいろんな失敗を経験してきた。

エステやクリニックにポスティングをしたり、電話をかけたり、話を聞いてもらうために直接ピンポンを押したり・・・ほとんどは生ゴミのような扱いをされて終わりだったが、いろんな失敗をしたからこそ、最終的な成功につながったという確信はある。

何をするにも時間はかかるし、当然リスクもある。

結婚相談所は夢物語の素敵な仕事ではなく、コツコツやって地道に知名度を上げていく必要のある高度なビジネスだ。

それをわかったうえで、挑戦する人はぜひやってみると良いだろう。

ちなみに今日の記事は、私が積み重ねてきた経験をすべて晒した記事なので、今後有料版に変更することも視野に入れている。

よければぜひ他の記事も読んでみてほしい。

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