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アメリカ最新景気動向分析

昨日2021年6月16日のThe Wall Street Journalは、アメリカの小売ビジネスの最新状況を伝えています。この一ヶ月の市場、消費者行動の変化について報じており、これを眺めれば今後の日本の市場の動きにもヒントがあるかも知れません。以下まとめます。

アメリカの市場の最新の動きを一言でいうと、こうです。

ビジネスが再開し、コロナワクチン接種が進み、消費者の消費動向は、インターネット通販利用から外出へシフト、人を介したサービスや買い物に人気が集まりつつある。

その他の最新情報
 製品からサービスへという方向転換
 オンライン売上が減少
 5月の製造者価格指数、前月比0.8%上昇。これが小売価格に転嫁している
 消費者の5月の支出は前月比28%アップ
 アメリカの第1四半期の成長率は6.4%、様々な要因が重なり、これは継続すると見られている
 アメリカ企業の求人意欲は旺盛、これも経済回復が継続する根拠
 アメリカ企業の採用は増加しているものの、経済成長に追いついていない
 5月の車の売り上げは減。なぜならば世界的なコンピューターチップの欠乏でメーカーは車をつくれない状況が続いているからだ
 アメリカの工業生産は0.8%増えた

ここ一ヶ月で成長が顕著な業種(4週間前と比較)
 映画館30%
 高級外食18%
 テーマパーク 9%
 カジノ 17%
 ボーリング50%
 アスレチック・ジム 4%

この記事をもとに野呂がアメリカ経済を分析すると以下になります。

第1四半期のGDP成長率は6.4%。これはアメリカ人の支出意欲がもともと強いということだけではなく、3度に渡る経済刺激パッケージの名のもとに国民への潤沢な支給金がモノを言っているのではないか。

バイデンのバラマキ政策と共和党は批判するが、ワクチン接種が広がりを見せる中、コロナからのめざましい経済回復を見せているアメリカは一つの成功モデルではないだろうか。国民を不安にさせなかった施策は、日本も見習うべきだ。

ワクチン接種が遅れている日本で、今のアメリカのレベルとまではいかないが、少し経済回復の曙光が見え始めるのは、3、4ヶ月遅れ秋頃だ。

インフレはすでにアメリカに到着、コロナで一時的と言われたが、現在過熱する需要に供給が追いついていない。

これは労働者不足が大きい。まだパンデミックが完全に終息していないため、労働者が集まらない、潤沢な失業給付を手にした労働者の働く意欲が減退していること、いまだ続くコロナで子供ケアの大変さが続き両親が仕事に本腰を入れられないこと、そして人々はまだコロナを恐れており、本格的に外に出て働くことをためらっていることが原因だ。

ワクチン接種が増えて、もう経済活動完全解禁、アメリカはコロナ以前の、いやそれ以上の活気を取り戻す。

そういうバラ色のシナリオは、ないでしょう。

むしろ、コロナの後遺症がアメリカ、いや世界全体にこれからじわじわ襲ってくるのではないでしょうか。それを、消費者行動の変化ととらえ、その本質をつかまえたものが、今後の勝者になる、そう予測します。

今日も読んで頂き、ありがとうございました。

明日もあなたに会えるのを楽しみにしています。

野呂一郎


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