ことし貴社の戦略は「ラヴィット」に従い「志村けん」に学べ、という理由。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:ストレスをどう防ぎ、乗り越えるか、それこそが現代に生きるあなたの最重要課題かも知れない。まずは「情報をコントロールする」ことから始めたら?ビジネス面では、貴社はイメージという情報をコントロールすべきだとなる。見習うべきは「ラヴィット」、守るべきは「志村けんルール」だ。
ラヴィットの知恵
ラヴィット、っていってもウサギじゃないよ(笑)
(love it! なんですね、rabbitじゃなく・・最初の原稿間違えてた!)
そうです、「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトにTBSで毎週月曜~金曜あさ8時から放送中の、お笑いコンビ・麒麟の川島明がMCをやってる、バラエティです。
僕はこの番組、始まったときから嫌いだったんですよ。
「毎日コロナだとか、戦争だとか、世の中は悲惨で暗いニュースばかりなのに、なあにひとりだけ朝から「日本一美味しい菓子パンはどれ?」なんてやってるんだよ、ふざけてる!」って。
でも、今は、「ラヴィットは非常に戦略的な番組じゃないか」と再評価しているんです。
なぜか、それは現代が超ストレスの時代だからです。
もちろん、有史以来人間はストレスにさらされてきました。
しかし、現代はテクノロジーと人間の相尅、ジェンダーの問題、外国人や違う思想や文化の背景がある他者との共存、絶えず求められる生産性の向上など、多様性ゆえ人々のストレスレベルがこれまでになく高くなっている時代、なのです。
ラビットは、この時代にいち早く適応していると言えるのです。
それは、ストレスにさらされている人々を「メディア・ダイエット(media diet)」にいざなっているからです。
メディア・ダイエットとは何か
The Wall Street Journal2021年1月19日号A workout for your mental healthあなたのメンタルヘルスのためのトレーニング、と題してストレスにやられないための心得を説いています。
その一つがメディア・ダイエットです。
メディア・ダイエット、つまりあなたが目にし、耳にするニュースの総量規制です。
世の中にはネガティブなニュースが溢れています。
国民全員が共有すべき緊急ニュースは別にして、メディアが取り上げるのは、政治家の悪徳行為、殺人などの凶悪犯罪、事故、お笑い芸人やスポーツ選手の性加害問題(笑)とか、ネガティブな事件ばかりです。
もちろん、これらを知ることに意義がないとはいいません。
しかし、ことストレスの観点から言うと、これらネガティブなニュースに触れることは、百害あって一利なし、なのです。
あなたの見ているSNS。
ネガティブな記事ばかり見てませんか?
誹謗中傷は論外ですが、否定的なことを言ってくる人はブロックしないといけません。
ネガティブ情報を自分でコントロールすること、これがメディア・ダイエットであり、The Wall Street Journalは「超ストレスの時代、必須の心得だ」といっているわけです。
時代に対応したラヴィット
その点、ラヴィットは自分の方から「この番組はネガティブな情報は一切お目にかけませんよ」と言っているわけです。
ストレスの時代を先取りしている、と言えましょう。
日本の朝の時間帯は、玉川徹氏がセンターに鎮座している「羽鳥慎一モーニングショー」が独走しています。
しかし、そんな中、ラヴィットは改編の噂もでず、健闘しているのは、ストレスの時代に対応しているからです。
志村けんの偉大さ
ネガティブなニュースが溢れる、ストレスフルな時代に勝つためには、ではどうしたらいいでしょうか。
それは、貴社を「ラヴィット化」すればいいのです。
つまり、貴社のイメージを徹頭徹尾ポジティブにすればいいのです。
人々が貴社の名前、製品、サービスを見たり聞いたりした瞬間、明るく、楽しく、こころがやすらぐようにするのです。
志村けん、が参考になります。
志村けんはクイズ番組や、いわゆる硬派の番組には一切出なかったそうです。
それはあくまで自分のアイデンティティ(本分)はお笑いであって、知性をひけらかしたり、難しい意見を言ったりして、「喜劇役者」としてのイメージが少しでもブレることを嫌ったのです。
コロナでなくなって、志村けんが国民的財産だと今更ながらにわかりましたが、この偉大なエンタテイナーは、ビジネスにも大きな教訓を残してくれたのではないでしょうか。
野呂 一郎
清和大学教授
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