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人に好かれなければ、大きな仕事は出来ない

孫子の兵法その6は、ビジネスパートナーを選べ、という教えだ。

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この図は、このシリーズみんなそうだが、僕の授業のスライドを持ってきちゃってるな。相当前の絵で、2005年のホリエモンによるフジテレビ買収事件だね。

ホリエモンの両脇を固めるのが、ニッポン放送亀淵社長と、フジテレビ是枝社長だ。ニッポン放送は資金量とはうらはらで、フジテレビの親会社だったので二人が出てきた。

結局、堀江氏はフジを買収しようとしたがニッポン放送は社員会が声明で、ラジオに愛情の欠片もない者乗っ取られるのは反対を表明したのがきっかけで、この計画は失敗に終わった。

カネで人心は買えない

まさにこれは孫子の兵法の「諸侯の腹の中がわからないのでは、前もって同盟することが出来ない」、にあたるだろう。

面従腹背(めんじゅうふくはい)という言葉がある。
うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないこと、だ。
まさにニッポン放送の亀淵氏とフジテレビの是枝氏は、堀江氏に対し、面従腹背だった。

そんなことがわからない堀江氏ではなかったろう、だから敵対的M&A、いわゆるニッポン放送の取締役会の同意を得ない企業買収を仕掛けたのだ。

法的には買収は可能だったが、日本では、敵対的買収はよほど買収対象の社員にメリットがないと成功しないと言われている。

そのカギを握っていたのが「諸侯たち」であった。二人の社長は、力づくで組織を手に入れようとする堀江氏をはなからよく思っていなかった。

文化が違えば嫌われる


「諸侯たちの腹の中がわかる」とは、相手の本音がわかる、ということである。報道を分析すれば、公の場でネクタイも締めず、Tシャツで会議に望むような無礼な、どこの馬の骨とも分からぬような輩は相手にできない、それが彼らの“腹”だったはずだ。

その腹を読んで、都合が悪ければ変える努力を堀江氏はしたのだろうか。
新しい組織に乗り込んでいったはいいが、そこの諸侯(社長)たちの腹が読めなけれれば、つまり、腹を割って話すような関係にならなければ、上手くいくわけがないだろう。

へりくだることの深い意味


堀江氏はどうすべきだったか。まずは丁重な挨拶から始まって、信用を築くところから始めるべきだった。当たり前すぎる話だが。しかし、それが明らかにないのは、写真を見てもよくわかる。

青年実業家として、よく堀江氏と対比されるのが、楽天の三木谷浩史氏だ。

三木谷氏の賢いのは、日本の社会では年の差に敬意を示すことが、絶対ルールであることを理解していることだ。大企業との提携や協力関係が築けるのも、へりくだることの意味を理解しているからだ。

一方堀江氏は、そうしたビジネス文化などくそくらえ、という姿勢で常識を破ってきた人だから、相手の文化に良くも悪くもおもねらない。しかし、どんな形でも、信頼関係を築く必要があった。三木谷氏はファーストインプレッションが全てと考える人でもある。

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相手からの信頼は一朝一夕には得られない


この教えは「相手との信頼関係が出来てはじめて、一緒に仕事ができる」という、格言だ。

しかし、信頼関係を築くのは難しい。

このnoteでも賢人たちが盛んに書いている。「読者との信頼を得るには、毎日書き続けること。」と。

そしてそれだけでは足りない、プロフィールもしっかり書けと言う。写真も大事だ、書き方にも人柄が現れるどうのこうの。

そうなんだ、信頼とは全人格的なチェックを長い時間かけて相手にされたあげく、いただけるものなのだ。

Noteではフォローが信頼の同義語かもしれない。しかし、一緒にビジネスをやるとなると、信頼を得ることは別次元の難しさになる。

面接は、短時間に企業が短時間であなたの信頼性を測るシステムだ。履歴書から身だしなみまでチェックされるのは、仕方がないと言えるだろう。

信頼とは、相手に好きになってもらうことだ。それは相手の機嫌をうかがうことではない。それは常識をわきまえ、相手の立場に立ってものを考えることができた上で、自分の信念を持っていることが、最低の要件だと考える。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。

また明日会えるといいね。

                            野呂 一郎

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