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岡崎慎司に学ぶ「計算された非常識」。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:岡崎慎司に何を学ぶかを、彼のプレースタイルに秘められた信念から読み解く。トップ画はhttps://qr1.jp/5NyWEA

ダイビングヘッドに隠された秘密

岡崎と言えば、ダイビングヘッド、ダイビングヘッドと言えば岡崎と称されるように、彼の思い切りの良さはこのワザに込められていました。

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だけれども、はでに外すことも多かったので、岡崎のイメージを野武士、豪放磊落なギャンブラーととらえている人もおられるかと思います。

でも実は、彼は綿密な計算をしていたのです。それは彼の以下5つの行動指針と哲学に込められています。

1.チームの勝利が最優先
がむしゃらな派手なプレーは、全てチームの勝利のため。

2.フィジカルが強い
空手の大山倍達「技は力の中にあり」という言葉を残している。

フィジカルが強くなければ、技は活かせないとの意味だ。

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サッカーの技術もフィジカルという根本があってこそ。

ゴール前の様々な実験は、身体が強いからこそ可能だった。

2.ゲームの流れをよく見ている
岡崎は、
やみくもに頭からボールに飛び込んでいくわけでなく、ゲーム流れから中が空くと判断してタイミングよく仲間のセンタリングに頭を合わせているだけだ。

3.ポゼッション(ボールキープ)の力がある

ボールをキープしながら前後左右の視界が広いのは、意外に思えるが、ポゼッションがうまいからだ。

ポゼッション能力は、ビジネスマンの読み、書き、話す、聞く能力にあたる。

4.臨機応変である
岡崎のプレーには型がない、その場に応じた臨機応変なプレーができる。

5.モチベーションに生きる
「燃え尽きた」が引退の弁。

これ以上のモチベーションが作れなくなったからだった。

やはり膝の怪我に相当悩まされたことが遠因でもある。

彼はモチベーションこそが人間を動かす原動力であることを知っていたのだ。

サッカーと企業経営は同じだ

賢明な読者の皆様は、拙い岡崎慎司論にここまでお付き合いいただいて、
でもこんな違和感をお持ちだと思うのです。

それは、「サッカーは目まぐるしく変わるピッチ上の状況に対応する、いわば現場型マネジメントであって、企業のマネジメントは、予期しない変化に臨機応変に対応を余儀なくされることは、ほとんどない。経営が相手にするのは、|大きなトレンド(潮流)をまず見極めることだ、と。

たしかにそうです。

しかし、ビジネスの交渉やコミニケーションの場では、岡崎的な臨機応変さがしょっちゅう要求されます。

天気、相手の機嫌、体調、相手側の突然の状況変化などに合わせて、皆さんは、プランA、プランB、プランDくらいまでお考えのことでしょう。

しかし、相手の予期しない一言で、それ以外のアドリブを打って商談に成功したことがあるはずです。

その時あなたは、まさに岡崎慎司になっていたはずです。

教員も岡崎慎司にならねば

僕の例で恐縮ですが、確かにパワーポイントの資料やビデオを用意します。

しかし、学生のノリが悪いと見るや、今日演る予定の資料を全部しまって、学生とにわかに向き合って、車座で即席座談会をすることがあります。

「変化に対応することが経営学」、といつも言っていることをやってみせるのです。

読者の皆様も、プレゼンで十全に準備したパワーポイントを急遽中止し、ホワイトボードでのそれにチェンジしたことがおありでしょう。

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今日、米大統領選挙の第1ラウンドと言うべき、バイデンvsトランプのテレビ公開討論が行われました。

アドリブで勝ったほうが勝ちなのです。

大衆は、ピッチで起こる予期せぬ変化にクリエイティブに対応できるものを、勝者に選ぶのです。

パートナーが必要

岡崎慎司は、すべてのパフォーマンスは基礎を作ることにありを心得ており、チームへの貢献を第一としながら、流れの中からスペースを見つけ、一瞬のすぐれた判断力でチャンスと見るや飛び込む、そういうプレイヤーだったのです。

ただ、一つだけ残念だったのは、岡崎を真に理解し、彼のプレーの精度を上げてくれるようなパートナーがいなかったことです。

孤軍奮闘していた岡崎は、そのプレーを通じて「おい、日本代表、完全主義はやめろよ」というメッセージを投げかけていたのかもしれません。

野呂 一郎
清和大学教授


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