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総裁選。誰もスティーブ・ジョブスにはやっぱりなれない日本の弱さ
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:
リーダーシップの本質は他者の行動を変えること、の理解。パワーポイントがプレゼンのテーマいかんで不適切になる場合があること。そもそもパワーポイントを今使うべきかという疑問。スティーブ・ジョブズのスピーチ&プレゼンのいい点悪い点。
リーダー不在の日本の政治
The Wall Street Journalはじめ、世界の有力メディアが日本のリーダーシップがコロコロ変わることに懸念を表明しています。民主性のなさ、透明性のなさがその元凶なのですが、結局これが日本のリーダーシップを養ってこなかったのです。
さて、高校生向けの別の連載では、いま「本物のリーダーはパワーポイントを使わない」という本を参考にリーダーシップを考えています。
今日はスティーブ・ジョブズをひきあいに、なぜ彼がパワーポイントを使わないかを考える回をやるつもりだったのですが、総裁選が新たな展開を迎えたので、これを大人の皆さんの回に急遽使いたいと思います。
パワーポイントを使わないジョブズ
27秒のスティーブ・ジョブスが2001年に行ったipodのスピーチを御覧ください。
流れはこんな感じです。
Ipodの薄さ、軽さを見せる。
音楽こそが、あらゆる人のニーズだと言う。
iPodをポケットに入れてみせる。
これをパワーポイントにしてみたら、これだけのインパクトが与えられるでしょうか。
パワーポイントは力強いインパクトのあるスピーチをしたい人にそもそも不向き
いや、それ以前に注目したいのが、スピーチやプレゼンテーション以前にあります。
ジョブズの格好です。気取らない、自然体。シャツにジーンズ。もちろんこれは、アップルの価値観を示してもいますが、とにかく企業とお客という距離感、雰囲気など微塵もない。
もう一つは、情熱です。
iPodに対しての愛情、そしてそれを伝えようとする情熱が半端ない。
聞き手の行動を変えることこそがスピーチ
これでジョブズがパワーポイントを使ったらどうなるか?
だいなし、ですよ。
パワーポイントはあまりにもビジネス臭いからです。
それを使った瞬間、従来の企業vs顧客のフェイズになる。
そして、彼の情熱の熱度に、パワーポイントは、合わない。
彼がiPodをポケットに入れてみせたり、あの小さいガジェットを
観衆に見せびらかしてみせたりのほうが、ずーっとふさわしい。
自然な動作こそ、彼の情熱を十分に表現する最高のツールになっていることがわかると思います。
フレンドリーというか、自然体というか、構えてないと言うか、従来の企業がどっか構えて、上から目線で、あるいはどこか客を騙そうとして、という客が感じる不信感がまったくない。
この構えです。
この構えにパワーポイントはふさわしくないんです。
そして、27秒間でパワーポイントができないことをやっている。
それはインスパイアです。オーディエンスの気持ちを揺さぶり、行動を促している。(iPodを買うという)。
27秒で、パワーポイントがこういう技ができるでしょうか。
パワーポイントは誕生してもう20年以上たっているでしょう。もうどんどん、古臭くなっているというよりも、カビが生えてきています。新しいことや、本当に情熱をもって伝えたいことがあるならば、パワーポイントは逆効果です。
さて、菅総理が降りて、石破、岸田、河野、高市の諸氏が出てきます。
内輪の選挙ですから我々は関係ないけれど、彼ら内輪は我々が諸氏にもつイメージを気にするでしょう。ポイントはスピーチです。
ジョブズのように聞き手の行動を変えるようなスピーチができるものが、はたしているのでしょうか。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
また明日お目にかかりましょう、と言いたいところなのですが、読者の皆様、先日報告のように光回線の工事が終わったはいいが、デジタル音痴の私はセットアップができずにADSLに戻してしまいました。しかし、光にすべくこれからまたトライします。最悪ネットが数日できない可能性があります。明日あたり連載が止まったら、光回線ができずに悪戦苦闘しているとご理解いただければと思います(苦笑)。
野呂 一郎
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