アマゾンが証明した”ネットワーク効果”で旗を掲げよ(高校生のキミへ)
この記事を読んで高校生のキミが得ることができるかもしれない利益:ネットワーク効果の応用。カネがなくても人を集めれば成功する時代。アマゾンとフェイスブックのネットワーク比較。
人を集めることが利益の源泉
ネットワーク効果(network effect)、という言葉をご存知でしょうか。
これはある製品やサービスを買いたい人やユーザーが多くなればなるほど、その製品やサービスの価値が上がる、というメカニズムのことです。
これは経済学の”規模の利益”とよく似ています。
たくさん作れば作るほど、1つあたりの生産コストが下がること、これが規模の利益です。
ネットワーク効果は、ユーザーが多くなればなるほど、人々はその製品やサービスに、喜んでお金を払いたくなる仕組みです。
その代表がアマゾンであり、フェイスブックです。
アマゾンというネットワークは、そこに人が集まれば集まるほど、魅力が増します。
ネットワークの運営側はユーザーが多ければ多いほど、利便性を上げるしくみを創りやすくなります。利益が期待できるからです。
アマゾン、その無限利益創出ループ
アマゾンは、あれだけ儲かっているのに、バランスシートは常に赤字で知られています。
それは、どんどんネットワークが大きくなっているので、投資意欲が刺激され、常に投資を進めているからです。
物流センター、送料無料、即日配達どころか、数時間以内での配達の約束。
アマゾンというネットワークが大きくなればなるほど、人が集まれば集まるほど、利便性がよくなり、さらにまた人が集まり、それがまた便利を呼び、ネットワークの拡大はとどまるところを知りません。
いわば、無限の利益創出ループ。
どうした?最近のフェイスブック
フェイスブックも、友達が皆参加しているから、あなたもやろうという気になります。
何億人というユーザーがいるからこそ、フェイスブックは、様々な魅力ある利便性を提供できてきたのです。
ただねぇ、いまのフェイスブックの停滞は、会員の利便性向上、つまり会員サービスを怠っているからですよね。
もったいない。
こんだけのネットワークを、うまくつかってない最近のフェイスブックは、ネットワーク効果の反面教師かも、です。
嵐の成功はファンクラブのチカラかも
もう、5,6年も前だったでしょうか。
学校の地方入試の仕事で仙台に立ち寄りました。
驚いたのは、仙台駅に若い女性があふれているのです。
一歩街にでてみると、観光バスがあちこちに止まっています。
聞けば、明日、嵐のコンサートがあるとか。
この嵐のコンサートは、しかし、ファンなら誰でも入場できるというわけではありません。
ファンクラブ入会者が、優先でチケットの権利を与えられるのです。
私の友人はファンクラブに入っていたのですが、このコンサートのチケットを手に入れることができませんでした。
嵐のメンバーと握手できる、コンサートチケットを優先的に手に入れられる、ファンミーティングに参加できる。
嵐のファンクラブも、立派なネットワーク効果といえましょう。
なにせ会員数15万人ですからねぇ。
でも、高校生のキミがファンクラブの会長だったら、もっと凄いこと、できるんじゃないかなぁ。
ネットワーク効果を応用しよう
お金がなくても、人を集めることはできる。
そういう人は、ネットワーク効果を創り出すことができます。
誰かのファンクラブでもいいし、勉強会でもいい。
いま目をつけるべきは、カルト的な魅力のある人物だったり、食べ物、お菓子、あったらいいなと思える”集う空間”かな、と考えます。
もちろん、SNSではそんなグループで溢れています。
駅そば、カツカレー、プロレス、ママ友などなど。
しかし、そこにないのは、ビジネス的なリーダーシップを取れる人物です。
そのネットワークの参加者、ユーザーを増やし、企業からのサポートを得て、ネットワークに入れば沢山の利益や恩恵を受けられるようにする。
もちろん、そこには人や企業を動かす理念が必要だし、何よりも倫理や社会正義にかなう行動規範がなくてはなりません。
ネットワーク効果は、戦略やマーケティング、組織論といった経営学を学ぶことによって、強大なものになるでしょう。
25年以上も給与水準が上がらない、停滞した経済を打ち破るのは、この”ネットワーク効果”ではないでしょうか。
お金がなくても、自分の魅力とリーダーシップで人を集め、企業の賛同を得ることができれば、ネットワーク効果は生まれます。
高校生のキミに、是非考えてもらいたいな。
今日も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
では、また明日お目にかかるのを楽しみにしています。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー