社会人向け「プロレス・セルフプロデュース研修」のすすめ。
この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:SNSの時代は「どう見せるか」の時代であると同時に「どう見られるか」、「他者の目にどう映るか」が問題になってくる。言ってみれば「セルフプロデュース」が重要な時代なのだ。その能力をつけるのにうってつけなのが、「プロレス研修」だという暴論。
テレビ取材は「テイク3」(笑)
先日テレビ取材があったことはお話しましたが、一回では終わらなかったんです(笑)
きのうはTake3だったんですよ。
制作側の方々も真剣で、いいものを創りたいからこそ、何度も駆けつけてくれてるんだと思うと、どうしても少しはカメラを意識するようになります。
でもそんな時、カメラを回しているプロから言われたんです。
「カメラを見てると、カメラ目線になって不自然になるので、こちらを向いて話して下さい」と。
なるほど、あくまで視聴者目線で、視聴者から自然に見えるような映り方をしなくてはならないのだな、と気がついた次第です。
そこで考えさせらたのです。
日頃から、他者の目にどう映るかを、考えなくてはならない、と。
プロレス流見せる訓練
僕は新潟プロレスのアドバイザーという肩書ですが、一度真剣に社会人研修としてプロレスを取り入れられないか、というテーマをレスラーや関係者の方々と考えたことがあります。
実際、新潟プロレスではプロレスを取り入れた、研修を何度かやっています。
すでに行われたそれらの研修のメニューにはなかったのですが、僕が考えたのは、以下です。
1.「リングに上がる」トレーニング
2.「裸を見せる」トレーニング
3.「マイクアピール」トレーニング
4.「リングアナウンサー」トレーニング
簡単にご説明しましょう。
人の目を意識するための「リング」という仕掛け
基本的にすべてのトレーニングは、リングに入って行います。
6メートル四方の、ロープが張ってある3メートルほどの高さにある空間です。
人間はリングインするだけで、あら不思議、意識が変わるのです。
「リングに上がる」トレーニング
リングに上がり、四方のお客さんにお辞儀をするだけです。
四角のリングの特徴は、ロープが張られているリングは4面になっていることです。
まさに四方から、お客さんの視線にさらされるわけです。
あなたの目の前のお客さんだけではなくて、後ろ、右手、左手のお客さんもいます。
プロレスラー同様、リングインしたあなたは、右からも左からも、後ろからも熱い目線を浴びるのです。
その時にあなたの身体を感情をどう、すべての角度で見てらっしゃる方に伝えればいいのでしょう。
この訓練は、あらゆる角度からあなたを見張っている世間に、どう対処していいかのヒントをあなたにくれるはずです。
リングとは、最も激しいスポットライトを浴びる場所です。
今回はサクラとして、100人の観客を集めましたが、意識は5万人があふれかえる東京ドームです。
お辞儀をすることで注目を四方から浴びることで、他者の目を嫌でも意識でき、自然に大人数が見ている中では、自分がどう振る舞えばいいか、会得できます。
「裸を見せる」トレーニング
1の応用編、いや少し1を過激にしました。
男性はトランクスいっちょになって、リングに上がってもらいます。
女性は水着、と言いたいところですが、コンプライアンスの問題もありますから、スキな服装でも結構です。
100人位のサクラの観客の前で、自分の裸を見せるのです。
ポイントは四方の観客に向かってポージングしてもらうことです。
そうすると、肉体を見せることへの不安、恥じらい、恍惚感など、様々な感情に揺さぶられます。
人前で裸なんてどう思われるだろう、人に見られて恥ずかしい、鍛えた身体を見られてうっとりするなあ、などなどの気持ちが湧いてきます。
リングから降りた時、でも、あなたは「人に見られるとはどういうことか」という、「他者の目から映るあなたが最重要な時代に、自分はどうあるべきか」を体得したのです。
「マイクアピール」トレーニング
リングに上って、観客に響くようなアピールをしてもらいます。
スピーチでもいいですし、顔芸、一発芸、ものまねでも構いません。
何をどうしようか、今日の観客に合わせてマーケティングしようか、いや場の雰囲気に合わせて出たとこ勝負だ、といろいろ考えることがすでに研修なのです。
できる人は、考えてきたプランをリングに上がった瞬間に変えるかもしれません。
観客が何を求めているかを、瞬時に察知したからです。
前もっての準備を実行するのもよし、アドリブでもよし。
いずれにせよ、四方の観客を意識して、アピールを考え実演することによって、コミュニケーションに欠かせない構成力と度胸が身につきます。
武藤敬司のような、アドリブ力も身につくかもしれません。
「リングアナウンサー」トレーニング
リングアナウンサーは、まず声が大きくなくては務まりません。
そして滑舌が良くなければダメです。
そして前のお客さんだけではなく、四方のお客さんにも聞こえるように、特定の方向だけを向いて、その後ろのお客さんにお尻を向け続けてはいけません。
リングアナは四方のお客さんに、失礼のないように、そしてなにより明瞭ではっきりした、そして試合を盛り上げる抑揚も抑えておきたいところです。
そして何より大事なのは、「プロレスラブ」です。
アナウンサーがプロレスに興味がなければ、それはすぐに観客に伝わり、試合前から熱をさましてしまいます。
リングアナの役割を終えたあなたは、それを痛感することでしょう。
そうなのです、話す前に「そのビジネスが好きかどうか、それが問われてるんだな」と理解できるでしょう。
いかがでしたでしょうか。
プロレス研修といって、バックドロップの受け身でも取らされるのでは、と感じられたかもしれません。
これはプロレス団体でなくても、リングが借りられれば、どんな人でも会社でも開催できる研修です。
効き目はてきめん、ですよ!(ほんとかい!)
野呂 一郎
清和大学教授
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