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クァシンとアイの冒険

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設定をフリー素材にしました。 キャラも世界観も自由に使ってください。 どんな形式でも大歓迎です。 小説でも詩でも音楽でも絵でも良いです。 #ワールドザワールド
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#実験小説

21 アイの長い一日

その日のアイにはすることがなかったから、いつも通り規則正しく朝早くに起きたけれども何をするでもなく寝転んだまま目を開けて、天井を見ているとウサギがお腹にポンっと勢いよく乗ってきたことがきっかけで、そう、何かの弾みで心の中の世界にふっと風が吹くことはよくあるけれど、アイは今まで妄想なんてそうそうする性格ではなかったのに、この日ばかりは妄想というものが頭の中いっぱいに、それもぼんやりとではなく、明確に輪郭を持って立ち現れてきたのだが、その妄想というのは、あの路地に関することで、こ

20 スライム襲来

「あっ、いっけなーい」  僕、アイ。ちょっとドジな……何歳だろう? 多分12歳か13歳くらいの、普通の男の子! パンをくわえて走って家を出たのには理由があって、それが何かというと子どもたちが元気すぎるから。そう、今日は、子どもの面倒を頼まれていて、一人で三人の元気な男の子を見るっている大変な任務を請け負ったのだけど、朝からもうっ、椅子には座らないし、朝ごはんも食べないし。  そして事件は起きたってわけ。一番の年上で生意気な少年アボスが家を飛び出しちゃった。家の前で走り回る

7 超絶マリ夫兄妹!?

アイの部屋に紙芝居フェレットがやってきました。 紙芝居フェレットはたくさんいて、ワールドザワールドの町や村にそれぞれ派遣されます。筆の女神の家から遣わされるわけです。 それで筆の女神は、特殊電波意識という特有の技を使って散らばった全部のフェレットを同時に操るのです。神憑り的に筆の女神の電波意識を受信したフェレットは筆の女神に同期して、同時に口を動かし、筆の女神の声を出します。それに合わせて、さらさらと紙をめくってゆくのです。 アイはあぐらをかいて、その上にうさぎを座らせ