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THE個性/それぞれに感謝

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「チャレンジド」という言葉に常にチャレンジしなければ受け入れてもらえない違和感を感じ、 「メンバー」と言い換えていった支援ファイル。 専門家じゃないからこそみえたもの 〜*〜… もっと読む
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支援 #4  これが現状

支援 #4 これが現状

企業内障害者就労の管理職側だった私は、
ある1人の精神障害の方が、1ヶ月の休職から復職が出来るかどうかの医師の診察を受ける
場に、支援責任者として同席させてもらった。

もちろん彼の就労支援者に許可を得て、
また本人と医師にも許可を得てのこと。

診察室に呼ばれてから10分経っただろうか
先生から本人への簡単な聴き取り
・睡眠はとれてるか
・食事はできてるか
・お風呂は入れているか
・気分の落ち込

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支援 #3  心のこり

支援 #3 心のこり

「今朝、救急車で運ばれて、意識不明です。
詳細がわかり次第ご連絡いたします。」
20代後半になる軽度知的障害のあるMさん
就労支援者からの一報だった。

半年ごとの契約更新面談を、つい2日前に
終え、これまでの仕事の頑張りと、出勤安定
ぶりを評価して、また半年がんばろうね。と
目標も定めて前向きになっていた矢先。

胸が締め付けられる思いだった。

彼女は、不安になるとショートメールで
ちょこちょ

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支援 #2  伝えたい伝わらない

支援 #2 伝えたい伝わらない

きちんとした着こなしで、身なりにも
意識を配っている彼は、軽度知的障害者。

見た目には全くわからない。

話をし始めると、やはり話がまとまらずに
早口になって、会話の落としどころがわからず
何度も何度も同じ会話を繰り返し、終わらせられないのを見て、初対面で特性を垣間見た。

「うん、うん、うん」
ずーっと聞いていた。
支離滅裂になることもあるが、
何を伝えたいのか理解できた。
要するに、自分は一

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支援 #1  お電話好き

支援 #1 お電話好き

「七夕さん、えっと、明日って出勤ですよね」
21:00の着信。
「七夕さん、うっ、今日ぉ、がんばって午前中だけお仕事したら、お昼帰りたいです(泣)」
6:00の着信、7:00、7:15、7:30、8:00、着信

単身赴任で鹿児島から東京に本社転勤した私。
ある程度大きくなった子どもたちとは離れた
暮らし。わが子ともそうそう頻繁に電話しない習慣だった私の生活が一変した。

朝の身支度で電話に出れな

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