「繊細さん」の本  武田友紀(著)


これを読んでいてずっと頭から離れない思いがあった。
繊細さんとの対称に非繊細さんというのがある。
対立や、敵ではないけれど「繊細さん」を「攻撃」する対称としての非繊細さんの存在がある。
僕はしかし、非繊細さんもひょっとしたら見ようによっては「繊細さん」なのではないかとの思いを強くした。
彼(非繊細さん)も繊細ゆえに必要以上に他人に対して横暴になるのではないか。
暴力が嫌いで、どうしても暴力を振るいたくないのだけれど、向こうが執拗に暴力的に攻撃してくる時、目をつむりながらなりふりかまわず鉄パイプを振り回すような、いわば自爆テロ的な、消極的な暴力性というものが、この世には存在するような気がする。

いや、案外そんな暴力って、わりと身近にたくさんあるんではないのか。
そんなことを考えるとなんだかおそろしくなってきますね。

しかしいっぽうで、純粋に繊細さんが非繊細さんに痛めつけられる時、
繊細さんはどう防御すればよいのか。
その方法がこの本には書いてある。
そして確実に云えることは、世界には繊細さんと非繊細さんがどうしても共存しているという残酷な事実だ。


B63-2022-15

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