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夜の、海の中で書いたメモ


おやすみ短歌 枡野浩一 pha 佐藤文香


やること全部やりました。つって、一日を強制終了させれば毛布のある場所へ思い切りダイブ!

あやうく首の骨を折りそうになるけれど、なんとかセーフ。すべてセーフ。

今日もわたくしは嘘を吐きました。と懺悔室で告白するもあわれキリストはクリスマスの日まで「おやすみ」。

コンパネでつくった舞台にセロファンで照らす照明。
わたしたちはまた踊る。
誰に頼まれたわけじゃないけれど。
わたしたちは踊る。
それが踊りに見えたらの話だけれど。

夏の海がなつかしい。
砂浜を、理由もなく走ったっけ。
海の水平線を眺めているとなつかしい。
わたしのこころを映すようで。

わたしには定型詩を書けないけれど、それに憧れる時間はある。
世の中に他人を傷つけることを好むひとたちがいるけれど、ただうるさく感じる。
便利になった世の中で、その音量はしだいに大きくなって、だから今がほんとうに便利な時代なのかどうなのか、疑わしい。

そんな中でわたしの好きな定型詩の世界に浸り、耳をふさいで目を閉じれば、静か。
ここがほんとうの世界だ、と思う。
ここが本来あるべきはずの世界だ、と思う。

手紙が長くなりました。
おやすみなさい。
あなたの夜が、海のように真っ暗闇でありますように。


1502423

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