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人生100年時代、シニア世代をテクノロジーで輝かせる「スマートエイジング」とは?【ポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』文字起こし】

世界のビジネス・テクノロジー・ライフスタイル・カルチャーのトレンドを、世界各地の編集者・ライター・クリエイターが現地からお届けするポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』。

この番組では、「ポッドキャストの中身は気になるけど、ゆっくり聴く時間が取れないよ!」という方のために、リスナーさんからの反響が大きかった人気エピソードの文字起こしをnoteで配信しています。

今回は人生100年時代、シニア世代をテクノロジーで輝かせる『スマートエイジング』とは?の回をお楽しみください。Spotifynoteでのフォローもお待ちしています!(Photo by Jeff Sheldon on Unsplash)。

今回のテーマは?

 行武さん「スマートエイジング」って聞いたことあります?

行武 スマートエイジングですか・・・? いや、ないですね。

 最近、海外メディアでよく聞かれるようになってきた言葉なんですが、余生をゆっくり過ごすのではなく、「テクノロジーを活用してスマートに生きよう」という言葉です。

行武 スマートフォンの「スマート」と同じですね。

 言わずもがな、今世界中で高齢者が増えていまして、例えば、アメリカでは2050年までに50歳以上の人たちが倍以上に増えると言われています。

行武 すごい。

 すると、彼らの経済活動の規模も「7兆6000億ドル」に拡大すると試算されています。

行武 800兆円以上ですか。

 なので、この分野はビジネスとしても注目されていて、「アクティブエイジング産業」とも呼ばれているんです。

行武 なるほど。そのうち、テクノロジーに特化した動きが「スマートエイジング」ということですね。

 まさに。

行武 ただ、シニア世代のテクノロジー活用というと、見守り機能とか、どうしても「ケア」みたいなものを想像してしまうんですが。

 それが最近、変わってきているんです。

行武 と言うと・・・?

スマートエイジングな4つのアイデア+α

 例えば、アメリカと同じく高齢化が進むヨーロッパで、今年「スマートエイジング賞」と題されたコンペが開かれたんです。

行武 ほお。

 目的は「シニア世代とアントレプレナーシップの懸け橋となること」。賞金は総額5万ユーロでした。

行武 約580万円。どんなアイデアが出たんでしょう?

 例えば、伝統的な食文化を継承しようとする「1. Diaspo(ディアスポ)。シニアたちが自宅の台所からビデオ会議で伝統料理を教えるというものです。

行武 おもしろい(笑)。

 次に「2. Grandnanny(グランナニー)。これは、シニアたちが近所の共働き世帯に派遣されて、放課後に子どもの面倒を見るというもの。

行武 保育園が足りないと言われる日本でも活用できそうですね。

 それと「3. Mirthy(マースィー)。これは、高齢者施設でシニアたちが講演会を開くためのプラットフォームです。

行武 自分たちの経験を他の人に話すんですね。知り合いができてよさそうです。

 変わったところでは、語学のための「4. Parlangi(パーランギ)。ビデオ会議でシニアのネイティブスピーカーから生きた語学が学べます

行武 それはいい!教える側にも、気持ちにハリが生まれそうですね。

 このコンペでは他にも、シニア人材に特化したヘッドハンティングサービスや、シニア世代向けのアントレプレナーシップを学ぶための場なんかも。

行武 なんだかこれまでのイメージと違って、アグレッシブかつアクティブなシニア像が思い浮かびますね。それによって、シニア世代にありがちな孤独感とかも解消されそうでしょうし。

 若い世代が、シニア世代から学ぶきっかけにもなるかもしれませんよね。

行武 このステイホーム期間で、テクノロジーに慣れ親しむシニアの人たちも増えているでしょうし。テクノロジーが人間味を帯び始めた感じがして、いいですね。

ポッドキャスト番組『グローバル・インサイト』では、海外でリアルタイムで起こるトレンド、またその背景にあるミレニアル・Z・α世代の間で生まれる新しい価値観について、海外在住の編集者・ライターたちが情報を発信しています。ぜひ#グローバル・インサイトをつけて、みなさんの感想を聞かせてください!
編集者/Livit代表 岡徳之
2009年慶應義塾大学経済学部を卒業後、PR会社に入社。2011年に独立し、ライターとしてのキャリアを歩み始める。その後、記事執筆の分野をビジネス、テクノロジー、マーケティングへと広げ、企業のオウンドメディア運営にも従事。2013年シンガポールに進出。事業拡大にともない、専属ライターの採用、海外在住ライターのネットワーキングを開始。2015年オランダに進出。現在はアムステルダムを拠点に活動。これまで「東洋経済オンライン」や「NewsPicks」など有力メディア約30媒体で連載を担当。共著に『ミレニアル・Z世代の「新」価値観』『フューチャーリテール ~欧米の最新事例から紐解く、未来の小売体験~』。ポッドキャスト『グローバル・インサイト』『海外移住家族の夫婦会議』。


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