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ISO不変性で知って欲しい事

ISO不変性(ISO Invariance)について #前編

ややマニアックな話になりますが、ISO不変性の話をポツポツと聞くようになってきました。ISO不変性というのは、ひらたく言うと

撮影時のISO感度が低くても高くても、
現像時に露出を揃えればノイズは変わらない。

という事なんですが、この話を、
「ISO感度は低くても高くても画質は変わらない。」というふうに勘違い
している方がいそうなので、ちょっと説明させていただきたいと思います。

もう少しISO不変性について具体的に説明します。例えば、以下のような設定で(星空を想定してますが)同じシャッタースピード、同じF値で、ISOだけを変えて撮影します。もちろん同じ環境で同じ被写体を撮影します。

①15秒:F2.8:ISO 800
➁15秒:F2.8:ISO 6400

ISO800とISO 6400では3段分(3EV)の差があります。そこで、両者の露出を同程度にするため、現像時に①の露光量を+3EVしてやると、ほぼ同等の露出(明るさ)の画像となり、ノイズもほぼ変わらない、というものです。

私は、そりゃあ(ある程度は)そんなもんだろ、と思いましたが(理由は後で)、「高感度撮影」の「減感」でノイズが減るというのは、ちょっと意外な感じだったので、かなり前ではありますが、検証してみました。減感を検証したかったので、ISO感度は高めです。

無題

画像を大きくします。100%等倍画像の画面キャプチャーです。noteでは小さいと思いますが。

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確かに、ほとんど区別はつきません。しかもこれは、ちまたではISO不変性があまり成立しないと言われているCanon EOS 6Dです。(IR改造機ですが)

ここで、ぜひ知っておきたい、カメラの常識があります。
これはとても大切な話です。

露光量を決めるのは「シャッタースピード」「絞り(F値)」「ISO感度」ですよね。初心者の頃、習ったと思います。私も通常の写真講座ではこのように教えています。ところが、ISO感度を上げても、センサーが受ける光の量が変わるわけではありません。ISO感度を変えるというのは受ける光の増幅度を変えるだけです。受ける光の量を決めるのは「シャッタースピード」と「絞り(F値)」だけです。

ひらたく言うと、ISO感度を上げて撮影するということは、センサーが受ける光を増幅する設定をしているということです。増幅をカメラ内でやっても、現像時にやっても同じような結果になるのは、なんとなく想像できますよね。

もちろん、これは完全には成立しません。詳しい理由を書くとかなり長文になるので後編(別記事)で書きます。

つまり、ある意味では確かにISO不変性は成立するんです。ですが、前述の
「ISO感度は低くて高くても画質は変わらない。」という話ではありません。

ISO不変性は、ISO感度以外の設定を同じにした場合に成立します。つまり、受ける光の量が同じ場合の話です。受ける光の量が同じだから変わらないのです。

ISO感度による画質の違いを見るには「適正露出」で見なければならないでしょう。実際に各種カメラテストではSSやF値を調整して同じ露出(明るさ)になるようにしています。ISO100とISO12800が同じなんてことはないでしょう。

つまり、画質を決定する主な要因は受ける光の量だと言えます。「適正露出」となる光の量が多い方が画質が良い、ということです。

まあ、ISOについてはベース感度(通常は100)に近い方が画質が良いのは、従来からの常識通りでしょう。

簡単に言うとそういうことですが、正確に言うとかなり長文になってしまいます。ということで、詳細については後編(別記事)で。「ノイズとは?」「画質とは?」という、若干大きな話題にふれるかも知れないですね。後編は読みたいという方だけどうぞ。多分、有料にします(長文になると思われます)

私はカメラの専門家というわけではありません。写真の講義もやってますが、基本は「写真家」です。間違いなどございましたら指摘いただければ幸いです。




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