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エッセイ 現実と創作とアレンジと

 以前自分が作った歌を、全然違うアレンジで歌うミュージシャンがいます。あるいは他のミュージシャンの歌を、アレンジを変えて歌う人がいます。アレンジだけでなく、当然、声や歌い方も違います。私はそういう曲を聞くのが好きです。オリジナルとはまた違った味が出てくるように思われますし、新しい解釈のようなものが感じられて面白いと思います。オリジナルから離れれば離れるほど面白いのではないでしょうか。ああ、そういう解釈もあったか、なるほど、と唸らせるようなものが出来てくるのは楽しいです。
 そもそも創作とはそういうものではないでしょうか。現実を材料として、現実とは似て非なる物を作り出す。他者の創作物もまた、現実の一部と見なされる。もちろん著作権の問題は別ですが。
 古い話ですが、吉田拓郎が森進一に『襟裳岬』を提供した時に、演歌風にアレンジされた曲を聴いてびっくりしたとのこと。でもそれはアレンジャーの力に対するリスペクトでもあったそうです。
 私の個人的見解ですので、ご不快に感じられたら、ご容赦ください。

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