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ジャズを軽く聴き始めたい方への軽い名盤紹介④(マイルス・デイビスPart2)

こんにちは。

前回はマイルスが、プレスティッジからコロンビアへ移る際の、ドタバタした中で作成した二枚の重要なアルバムについてでした。
おさらいをすると『小川のマイルス』と『’Round About Midnight』でした。

ドタバタの内容についてもう少し詳しく説明すると、コロンビアで録音を始めるのはいいが、発売はプレスティッジでのレコーディングが終わり、最初の一枚が発売されてから、という合意がなされます。
じゃあ一気に仕上げようぜと、マイルス無茶します。たった二日間のレコーディングで4枚分のレコードを録音しました。
具体的には1956年の5月11日と10月26日です。両日で録音されたのは全部で26曲。
一曲を除いて残り全てが4枚のレコードに収められました。そして、一枚づつ一年ごとに発売されました(ing4部作)。
『Cookin’』(1957年)、『Relaxin’』(1958年)、『Workin’』(1959年)『Steamin’』(1961年)
これが俗に「マラソンセッション」と呼ばれています。

ほとんどが一発録り。メンバーも緊張感があったんでしょうね、おかげでよい録音ができました。
この4枚に収められた曲は時系列には並ばず、バラードなどのバランスも考えて、2日間の録音をバラバラにしてうまいこと収められています。

1. My Funny Valentine
2. Blues by Five
3. Airegin
4. Tune Up / When Lights Are Low


1. If I Were A Bell
2. You're My Everything
3. I Could Write a Book
4. Oleo
5. It Could Happen to You
6. Woody 'N You


1 It Never Entered My Mind
2 Four
3 In Your Own Sweet Way
4 The Theme (Take 1)
5 Trane's Blues
6 Ahmad's Blues
7 Half Nelson
8 The Theme (Take 2)


1 Surrey with the Fringe on Top
2 Salt Peanuts
3 Something I Dreamed Last Night
4 Diane
5 Well, You Needn't
6 When I Fall in Love

この4部作を作成するに当たっては、問題を幾つか含んでいました。
即ち、コルトレーンの技術が未熟なことと、フィリー・ジョーのドラムがドカドカとうるさいことでした。
5月録音版には、そのことが露呈される一面もありますが、5月録音に比べて10月録音では、特にコルトレーンの急成長ぶりが驚くほどです。
1枚目の『Cookin’』には5月録音は一曲も入っていません。そのため、この4枚の中では一番人気がある作品でもあります。

どの作品から聴いても良いと思います。僕は個人的には『Steamin’』が一番好きです。
アルバムトップを飾る「Surrey with the Fringe on Top(飾りのついた4輪馬車)」と「Well, You Needn't」(セロニアス・モンク作曲)の2曲の演奏が好きです。

この4枚は、初心者の方でも聴きやすいものだと思いますので、自分なりのお気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。

最後までお付き合いありがとうございました。
次回はピアノトリオ名盤をお届けする予定です。

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