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子どもと観劇

※ 子どもの劇場での観劇に批判的な方もいらっしゃると思います。一意見として流してください。

「子どもが小さいから観劇出来ない」
「子どもと一緒だと観劇は難しい」

観劇が好きで、子どもがいて、気軽に預けられる状態にない方にとってはあるあるな気がします。

私は時折、小学生の子どもと観劇します。
迷惑をかけてしまったと猛省した回も正直あります。
今も子どもが興味のある内容の時だけチケットを取るようにしていますが、それでも悩みます。
チケットを取り、劇場に行っても、終始子どもが迷惑をかけないかドキドキするし、気を張っています。
一人で観劇する時よりずっと緊張します。

そこまでして子どもを連れていく意味があるのかと思われるかもしれませんが、観劇にはその価値はあると思います。
子どもは興味のあるものや面白いものは集中して観ます。驚くほど詳細に覚えていたり、よく見ていたりします。心が動けば笑うし、泣くし、良いと思えば自然に拍手します。
そういう姿を見ていると、子どもの観劇は良い影響があると思うし、一緒に観られたらと思います。
あとは、推しの言葉が大きいです。
推しに直接お会いした時、子どもが未就学児なため観劇できないことを知ると、とても残念そうな顔をしました。
別の推しは、子どもも楽しめると思うから一緒に観に来てと言ってくれました。
本心かどうかは分かりませんが、演者は子どもの劇場での観劇を否定していないと思いました。

コロナ禍で学校行事としての観劇が減り、周囲の人が連れていかない限り、子どもは観劇する機会を無くしました。
オンラインでも観劇は出来ますが、やはり画面越しと劇場での観劇は別だと思います。

親子向けの作品は、参加型だったりと子どもが飽きないよう色々な工夫がされています。そして、会場を見回すと子どもがたくさんいて、騒いでいてもそれほど問題ありません。子どもはもちろん、親も安心して楽しめます。

親子向けではない作品については毎回悩みます。
大体の舞台は未就学児の入場を禁止していますが、小学生になると観られるものがほとんどです。
でも、内容的に問題なく、良い作品であっても、会場に子どもの姿はほとんどありません。
舞台はその時だけのもので見逃したら二度と観られません。
私は子どもが劇場にいないのは、チケット代の理由だけではないと思います。


先日、ある劇場でこんなことがありました。
小学生の子どもと劇場内の席に着いたところ、前に座る若い女性二人組がこちらをチラチラ見ながら舌打ちし
「今日最悪。この席失敗した。」
と私たちに聞こえるように言いました。
開演前のことです。
席は、子どもがもし動いたりしたらと考え、最後列の並びを取っていました。子どもの隣も空いていました。
まだ席に座ってもなく、前の席を蹴ったとかでもありません。
その言葉で劇場内の子どもの存在自体を否定する方がいることを身を持って知りました。
この言葉にとても傷つきました。

実際、観劇のルール・マナーは美術館より厳しいです。
・話さない
・音を立てない
・背もたれに背をつけて動かない など
これらは、各々が集中して楽しむためには必要なルールだと思います。
子どもには難しいと考える方がいるのは仕方ないと思います。
大部分の親はそのルールをわかった上で、出来るだけのことをして、子どもを連れて来ています。子どもが迷惑をかけた時点で自分も楽しめなくなるので必死です。
ちなみに、先日の舌打ちした女性方は、推しが出る度にオペラグラスで前のめりになって観るため、子どもは劇場でお借りした子どもシートに座っていても視界が遮られ、体をずらして観ていました。
座席ガチャは大人だけではなく、子どもでも同じです。

子どもと一緒の観劇は内容や座席を選んでチケットを取ったり、迷惑をかけるようならロビーに出たりして対応出来る部分はあると思います。子どもにルールを守らせるよう言い聞かせたりするのは大前提ですが。

観客がいなくなれば演劇は終わってしまいます。
コロナ禍での客席制限や陽性判明による公演中止、どんどん劇場での観劇が困難になっています。
今の子ども達には安価で簡単に楽しめる方法が身近にたくさんあります。
安くないチケット代を子どもの分まで払って、交通費や時間をかけて、ルールの厳しい劇場に出掛けるのは、自分が楽しみたいからです。そして子どもにも楽しんで欲しいからです。更に言えば、会場の空気は演者だけでなく、その時会場内にいる全員でつくるものと思っているため、全員が楽しんで欲しいと思っています。

子どもがいるからと観劇を諦めず、子どもと一緒に観劇することを考える方が増えて欲しいなと思います。

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