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『HEAT』感想 -2024年6月14日の日記

□6月14日
映画『HEAT』を観た。
高校生の頃に観ようとして挫折したのを、今日改めてちゃんと最後まで観た。確かにこれは高校生が観て理解するには難しいかも。まあ、昔の私がバカだっただけかもだが。

10代の頃なんか映画を観ても、半分も理解してなかったな。じゃあ今は全部理解してるのかというと自信は無いが、登場人物の言動・表情の意図や、なぜその色の光が当たっているのか、なぜミルクを飲んでいるのか、なぜ影だけを映すのか、そういう演出の狙いなんかも、自分なりに汲み取って考えられるようになったなぁと思う。昔に比べたらね。かなり成長した。何本も映画を観ていくうちに鍛えられたのか、大人になって物事への理解力全般が上がったのか、きっと両方だろう。


感想

そんなことは置いておいて、『HEAT』良かった。
ネタバレはできるだけしないように感想を書く。

  • アル・パチーノ美しいなぁ…。先日『スカーフェイス』を観たときも思ったが、アル・パチーノはどんなに粗野な役を演じても芯にある耽美さがじわりと浮き出てきて、なんというか、どこで咲いても、毒があっても、花は花だなみたいな気持ちになる。ゴッドファーザーの時のザ・美青年な姿も今度改めて確認しよう。三作通しで見ると9時間になるので、昔ゴッドファーザーを三作通しで観る行為をフルタイムと呼んでいた。1時間残業だ。

  • これはブロマンスと呼んでいいのだろうか。たぶん、呼んでいい。ブロマンスは大好きだから、そういう映画も大好きだ。アル・パチーノとデ・ニーロは刑事と犯罪者という関係。ブロマンス版ロミジュリと言ってしまうとかなり短絡的かもだが、それに近いときめきを感じたのは事実だった。互いに、相手に惹かれていることを明言はしない、表情と言葉の裏側を探った先に好意があることがわかる。……映像作品を観るときの醍醐味はこれだとさえ思う。はっきり言及されるよりも、演技や演出から心情を読み取りたい。一瞬の表情から、その時にその人物が何を思ったのかをひたすら考えていたい。自分の中で仮説を立てて、もう一度ストーリーと照らし合わせる。矛盾が生まれればまた考察。繰り返せば、より味わい深くなる。男同士が通じ合う時に生まれる、男女では起こりづらい極度の共感状態が、私がブロマンス及びBLを好む理由である。肉体よりももっと深い部分で彼らは繋がることが出来る。

  • 大切な家族を差し置いても、この上なく共感し合える男を殺さなくちゃならなくても、仕事を全うする。躊躇なく決めたことをやりきる。寧ろそうする事しか出来ない、ヴィンセントのような生き様にはやはり惹かれる。私はこういう人間が好きだ。覚悟しながら生きている人。豪胆さの一方で、愛する妻も居て、義理の娘との付き合い方に戸惑いを見せている普遍的な男でもある。心は不器用で、人の気持ちに寄り沿うのも得意じゃない。事件で子を亡くした他所の母親を、抱きしめて宥めるしか出来ない、それらしい言葉をかけることは出来ない。このバランスが良い。銃を持って犯罪者を追い詰めるために生まれてきた男。愛しいよな~。


こんなとこか。
銃撃戦のシーンも良かったな。あと、つい最近『レオン』を観直したところだったからナタリー・ポートマンがちょっとおねえさんになっているのを見てドキッとした。現在はもっともっとおねえさんなのだが。

映画の感想、また書くと思う。観た映画全部とはいかないが、備忘録的な感じとしてたまにね!

今日のサムネはジニアという花。花言葉は……。

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