「心象工芸展」国立工芸館 〈monologue109〉
おはようございます。のりしろ太郎です。
私はクリエイターとして創作活動する傍ら、デザイン、アート、工芸などの展覧会などを観覧し、文化芸術を自分なりに調査研究しています。今日は、金沢市にある国立工芸館「心象工芸展」(会期2024.9/6–12/1)を観覧してきました。簡単ではありますが展覧会の模様をお伝えさせていただきます。
心象工芸展
工芸作品はその技術や素材への理解が重要視されがちで、どのように制作されたかに注目が集まることが多い。しかしながら、多くの作家らは、自らの心象や社会との関わりを作品に込めている。本展では、現代の工芸表現を行う6名の作家の作品を展示。刺繍の沖潤子、ガラスの佐々木類、金工の髙橋賢悟や中川衛、漆芸の中田真裕、陶芸の松永圭太が、それぞれ生命や自然、死生観など多様なテーマを扱い、技術だけでなく心をこの「心象工芸展」で表現する。技術や技法だけでなく、作家のその「心」を通して作品を長まてみることにします。
沖潤子
沖潤子は、下絵なしで直接布に針目を重ねる独自の刺繍作品を制作。この技法は単純ながらも刺繍の概念を覆し、観る者の根源的な感覚を呼び覚ます。テキスタイルの領域を超えて、彫刻作品はのようにも感じ取れる。
中田真裕
蒟醤(きんま)と呼ばれる香川県で作られる「香川漆器」の代表的な技法の1つ。中田は、蒟醤を用いて、色漆の層で表情を描く。
松永圭太
岐阜県美濃で生まれ育った松永。両親も陶芸家であり、作家にとって陶芸は日常そのもの。美濃焼は量産に適した技法を用いて制作される。ゆっくりとし時間をかけた鋳込み成型を用いて、地層を思わすような作品が特徴。
佐々木類
佐々木類の《植物の記憶/うつろい》では、四季折々に生える植物たちをガラス作品に記録する。工芸というカテゴリーにおさまることのない自由さを感じる。展示は伝統とテクノロジーとが融合したかのような洗練された印象を持った。
髙橋賢悟
高橋は、真空加圧鋳造法を用いられて作られる鋳金作品。。動物の頭蓋骨をモチーフにし、幾多もの花に覆われている。アルミニウムを素材として、生きた本物花を鋳造し作品に使われている。生と死をテーマとしている。
中川衛
大学では工業デザインを学んできた中川。卒業後に電機メーカーに就職。その後、金沢へ帰郷し加賀象嵌と出会う。中川の創作の根底にはデザインがある。中川の作品は、大英博物館やメトロポリタン美術館に収蔵され、世界的な評価も高い。
国立工芸館の裏庭で見れる作品
国立工芸館の裏庭にある作品。橋本真之《果樹園―果実の中の木もれ陽、木もれ陽の中の果実》。こちらの作品は、入館しなくとも見ることができます。本展と合わせてご覧ください。
おわりに
9月に入り、朝晩は涼しくなってきました。いよいよ芸術の秋本番ですね。今年の秋も金沢の至る所で展覧会やアートイベントが開催となります。時間が許す限り足を運びたいと思いあm巣。皆さんも芸術の秋を 満喫してくださいね。
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