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建築家ではない人がつくる建築たち 〈monologue88〉

おはようございます。のりしろ太郎です。
私は日頃、図工家として、絵を描いたり工作をしたり、表現するだけにとどまらずアートワークショップの企画運営、アートイベントのディレクションや運営サポート、写真や動画撮影、映像制作、広告制作など行なってます。
商業的な広告制作などに加えて、子どもから大人まで芸術に気軽に触れていただく、文化芸術を創出する活動を行っています。


金沢市民芸術村アート工房にて
熱狂の8日間にわたりお送りしてきた
「ダンボール建築」が終わって。

2024年7月20日(土)〜28日(日)にわたって、金沢市民芸術村PIT5アート工房でお送りしてきた『夏休み特別企画 こどもアトリエ化計画/ダンボール建築』。小学校が夏休みに入ると同時に開催し、まさに熱狂とも言える盛り上がりを見せたアートイベントでした。私はこのイベントで講師を務め、開催前から会期が終わるまで、どっぷりと携わらせていただきました。世間はオリンピックで盛り上がる中、私はダンボール建築に全ベットして過ごした夏の始まりでした。
ダンボール建築について詳しくは十月のオクトパスWEBSITEをご覧ください。

金沢市民芸術村。金沢の中心地に位置し、緑豊かな広場と24時間365日開館していることもあり、気軽に市民が集える市民の憩いの場となっています。アート工房は芸術村の施設の一つ。
ダンボール建築の様子。会場は参加者がつくった建物が所狭しと建ち並んでいます。
高台からの眺め。丘の上から街を見下ろしているかのよう。
アート工房はもともと起伏のある空間で、その地形に沿って街が自然とつくられます。
人が入れるほどの大きさの家を作ります。家庭や学校ではつくれないスケール感のある創作に、こどもも大人も夢中です。
参加者のつくるお家。一般の方と言えどアート工房を訪れる方は、クリエイティブ好きな方ばかり。ねっからのクリエイターですね。
入口を入ってすぐの場所に、私のつくったダンボールのお家があります。このダンボール建築のアイコニックとも言えるお家です。

本職ではないから、良くも悪くもいい加減に造れる
何もかも自由!

このダンボール建築の参加者の中には、本業の方もいらっしゃるかもしれませんが、一般の方はもちろん講師である私すら建築家ではありません。建築家ではない何者かがつくるお家は、材料の扱い方、道具の使い方、家の構造、強度、精度も問われることもありません。もちろん建築に関する様々な条件や法律、ルールに基づかなくても構わないのです。建築に関するセオリーもいらない。必要なのは想像力と創造力。
講師の私ですら建築家でも何者でもない。ただの図工家。本業の方からはお叱りを受けるであろう家のつくり方をしています。知らぬが仏ですかね。図面は書かないし、寸法の測り方も目分量だし、計算など何一つ行っていない。成り行きで仕上げていきます。今回のダンボール建築で完成した建物が「動く家」です。
本職じゃないから表現できるってこともあるんですよね。遊びなんだからって逃れることもできるし、誰かに売るつもりで作っているわけでもない。多少ガタつこうがおかまいなし。そんな気軽さが面白い建築を生み出す。セオリーなんて入りません。知識も技術も持たないんだけど、その点、固定観念もないし。素人って自由なんです。思いついたアイデアをどんどん形にするだけ。

アート工房を抜け出して未来へ向かって「動く家」は旅立ちます。
絵画あるある。ラフスケッチが本番で描いた絵より良かったなんてことが多々ある。ラフの時のほうが鉛筆を自由にのびのびと走らせれるのだと思う。

作品の良し悪しは
クオリティーだけでは計れない

手でちぎった無数のダンボールを貼り合わせて外壁をつくる。素材としてのダンボールは、破って断面を見せたりすると、いろんな表情が出せます。

私のつくるダンボール建築なんて、本当に雑ですよ。手で材料をちぎってますからね。その雑さが面白い表情を見せてくれる。しかも、なんだか生き物のように見えてきたから不思議。ダンボール建築が終わり、私のつくったお家だけ壊さずに残しておいたんですよ。講師の職権濫用ですね…アート工房を抜け出して広場に連れていきました。木々に囲まれ佇むダンボールのお家は、なんだか生き物のようにも、植物のようにも見えた。無機質さを全く感じない有機的な美しさすら感じた。愛着が湧き出て取り壊せずにいます。もうしばらく、アート工房のバックヤードに残させていただきます。

私のつくったダンボール建築「動く家」。イベントの合間に時間を見つけては、ゆっくりと手がけてきたこともあり、愛着が半端ない。芸術村広場の木々に囲まれ、すっかり同化しています。なんだか生き物のようにも見えるし、植物かのようにも見える。不思議。
始まったばかりの夏は、ダンボール建築が終わるとともに、私には夏が終わったような感覚があります。

これからの創作のヒント

ダンボール建築で参加者の皆さんのつくる家や、私自身も受付ブースや動く家をつくり感じたことがあります。難しく考えずに、とにかく感じるままに造ること。机上の空論って言葉がありますが、セオリーとかルールに縛られず考えることなく、どんどん造る。自分の考える想像の範疇なんて狭い世界です。想像を超えた先に豊かな創造が生まれる。良い意味で適当。それがダイナミズムを生むことだってあるんだなって、そう感じてます。

ダンボール建築 YouTubeショート動画公開中!

最後までお読みいただきありがとうございました。只今、ダンボール建築のアーカイブ、アフタームービーを編集中です。とは言いつつも、パソコンに記録した動画を取り込んだばかり。まだまだ編集はこれからです。
先行してYouTubeショート動画を公開中です。こちらをご覧ください。

おわりに

皆さんのスキ、コメント、フォローは執筆の励みになります。また私のnoteに足を運んでいただけたら幸いです。のりしろ太郎の活動や取り組みは、十月のオクトパスwebsiteをご覧くださいね。
それでは、またお会いしましょうさようなら。のしりろ太郎でした。

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