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中谷宇吉郎 雪の科学館へ行く〈monologue62〉

おはようございます。のりしろ太郎です。
私の住んでいる金沢から1時間ほど車を走らせ石川県加賀市に行きました。距離にしてちょうどフルマラソンくらいの40km程度です。加賀には打ち合わせのために訪れたのですが、思いの外、早く到着したので打ち合わせ前に近くのミュージアムを観覧しようと思いついたわけです。ただし観覧できる残された時間はわずか30分。そうと決まれば急がねばなりません。

「場」の調査研究

私は、美術館や博物館をはじめ、ギャラリーなど、アート作品や資料など展示する「場」について調査研究をはじめたいと考えています。その施設のロケーションや近隣、町との関係性、どのような方が利用しているのかを調べていきたい。
これまで華やかな現代美術ばかりに注目してきましたが、もっとローカルな施設も今一度目を向けてみようと考えているわけです。そこで、今回「中谷宇吉郎 雪の科学館」を選んだわけです。

中谷宇吉郎 雪の科学館

2024年7月4日。この日、私の訪れたのは、加賀市潮津町にある「中谷宇吉郎 雪の科学館」というミュージアムです。施設の目の前には柴山潟が広がり、白山を眺めることもできる恵まれたロケーションにあります。
中谷宇吉郎 雪の科学館の設計は、かの有名な日本を代表する建築家の磯崎新。
恵まれたロケーションとモダンな建物が調和しています。
開館は1994年11月1日。開館からちょうど30年。

中谷宇吉郎 雪の科学館
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日水曜日(祝⽇の場合は開館)
石川県加賀市潮津町イ106番地
TEL: 0761-75-3323

中谷宇吉郎 雪の科学館の設計は、かの有名な日本を代表する建築家の磯崎新。
2024年1月1日に起きた能登半島地震の影響を受けて、建物に大きな被害がみられ、立ち入り禁止箇所もみられる。本来はこの六角塔が入口のようですが現在損傷が見られ入ることができない。

館内へご案内します

1Fは展⽰室と実験のフロア。中⾕宇吉郎の⽣涯や研究者としての姿、これまでの活動や功績、ひととなりについて貴重な資料を交えて紹介されています。
雪氷に関する実験の実演・体験コーナーもあります。

中谷宇吉郎について
中谷宇吉郎(1900-1962)は石川県加賀市⽚⼭津温泉生まれ。雪の研究で著名です。東京大学卒業後、理化学研究所で寺田寅彦に師事し、その後英国留学を経て、1932 年に北海道⼤学理学部教授となり雪の研究を始める。1936年には世界で初めて人工雪の作成に成功し、雪の結晶形成のメカニズムを解明しました。さらに、氷の研究や凍上防止の研究など低温科学の分野を開拓しました。晩年にはグリーンランドで氷の研究に専念し、随筆や絵画、科学映画でも多くの作品を残しています。

貴重な写真や遺品など貴重な資料が展示されています。
宇吉郎氏が自ら設計した北海道の自宅の模型
中谷宇吉郎が愛用していたカメラは皆さんご存知「Leica(ライカ)」です。ここだけで30分時間を使いたいほど興味津々。
地味な展示と思われがちですが、宇吉郎好きにはたまらないはず。
雪の結晶は自然が生み出した神秘
まさか雪を拡大してみると、こんな多くの種類の形が存在するとは驚きです。
自然が生み出すアートです。ずっと眺めていても飽きることはありません
結晶は自然が生み出したアート作品。
現代アートを観るのも楽しいものだが、結晶も全く負けていない。
宇吉郎が初めて結晶を見たときはどんな気持ちだったろうか。おそらく興奮したことでしょう。
顕微鏡のように覗いて結晶を観ることができます。
雪の結晶を立体写真で見るコーナー
1994年といえば、Windows95が発売されておらず、インターネットは家庭に普及していなかった時代。視覚的な仕掛けもずいぶんアナログです。
せっかくですので覗かせていただきましょう。
展示されているパネルで見るよりも、結晶をはっきりと見ることができます。真っ暗な世界に浮かび上がる結晶は実に美しい
常時低温研究室
宇吉郎は色々な種類の雪の結晶をつくって、勝って気ままにつくり楽しんでいたそう。
氷の中の内部融解像、チンダル像と空像
雪の結晶の分類
〈スペースシャトルの人工雪装置〉
1983年4月と9月に合計11日間、宇宙を飛び、世界ではじめて無重量状態で雪の結晶を作ることに成功した実験装置。
氷の結晶構造模型
昔ながらの記念スタンプも押せます
館まで緩やかに登る芝生のスロープ。
磯崎新によるモダンな建築
中庭のグリーンランド氷河の原と人工霧。
奥に見えるのはTeaRoom「冬の華」

能登半島地震による被害

2024年1月1日に石川県能登半島地下16 kmで発生した内陸地殻内地震「能登半島地震」。マグニチュードは7.6と非常に大きな地震でした。その影響は震源地から150km離れた加賀市にも大きな被害が見られました。この中谷宇吉郎 雪の科学館の施設や周辺でも確認できます。おそらく液状化現象と見られる現象で、至る所で陥没や隆起が見られます。能登半島地震がいかに大きな地震であったのか思い知らされます。一日も早い復興を願います。

施設周辺で至る所に陥没や隆起が見られます。
本来は柴山潟を見渡せるスポットも立ち入り禁止。
駐車場にも陥没が見られます。
この辺りは海にほど近い下流なこともあり、地盤は砂地が多いのかもしれません。
科学館の向かいの建物にも相当な被害が見られます。
ご覧の通り、隆起したのか沈下したのか、定かではありませんが大きな被害が見られます
加賀市浄化センター
おそらく現在は使用されていない施設
加賀市で運行されている観光周遊バス「キャンバス(CANBUS)」
加賀市を循環するバス停留所9番。市内をバスに乗って巡るのも良いですね。
施設の接する柴山潟。今日は雲で隠れていますが、白山も眺めれます。素晴らしいロケーションにある施設です。

おわりに

中谷宇吉郎 雪の科学館はいかがだったでしょうか。限られた30分という時間でしたが、なんとか観ることができました(汗)…。さすがに時間が足りませんでした。わずかな時間でしたがとても楽しい時間を過ごせました。今度は時間のある時にじっくりと科学館を楽しみたいと思います。皆さんも石川県に来られたら、中谷宇吉郎 雪の科学館へお越しくださいね。柴山潟も綺麗ですよ。
それでは、またお会いしましょう。さようなら。のりしろ太郎でした。

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