なぜ焙煎所?
こんにちは!株式会社のりしろです。
のりしろは現在東京都西東京市の事務所で営業しておりますが、創業者の故郷の新潟でなにか役に立つことがしたいという思いがあり、常日頃から機会はないかと探しておりました。
紆余曲折を経て、そんな中で出会ったのがこの町家です。
我々がこちらの建物を取得する前はニュージーランド出身の方がコツコツ建物のメンテナンスをしながら住まわれておりました。
昭和16年(1941年)築で、建築当初は富山の薬売りさんがこの高田の城下町に住まわれて薬局を営んでいたと伺いました。
初めてこの建物を見た時は、建物の構造材も太く、また傾きなどの狂いも少ない建物で築80年ながら非常に丈夫な印象を受けました。
設計事務所が何故コーヒー豆を売るの?と不思議に思われるかもしれません。
視点を変えれば多くの理由はあるのですが、ここでは設計事務所が地域にできることとして考えた時の理由をひとつ書いてみようと思います。
この町家は、隣に人気のパン屋さん、向かいにカフェ併設の大きな眼科さん、近隣にはいくつかのマンションが立ち並ぶといった具合に人々が多く行き交う場所に位置しています。
一(いち)建築士として、こういった環境の中でどんな建物があったら地域が元気になるかと考えました。(職業病で、普段はお客様からいただく与件を自ら捻り出すということに興じた次第です)
いつも現場に行くと隣のパン屋さんから美味しい香りが…カフェも良いかなと考えたのですが、すぐお向かいに目をやると眼科さんの中にはすでにカフェが…また米国大手チェーンの某カフェも車ですぐ近くの場所に出店されているのもチェック済みです。カフェはパスしました。
インスピレーションを得たのはパン屋さんの香りです。
朝からひっきりなしにお客さんが来られるパン屋さんですが、パンの香りに合うものが売っていたら朝の慌ただしい時間の気分も少しほぐれるかな、と思いました。
そこで誰ともケンカせずに共存できそうなお店を思いつきました!
焙煎所です。
コーヒー豆を焙煎するときに出る香りにはリラックス効果があるといいます。
建築基準法の用途で言えば「物販店」もともとの薬局も「物販店」。
かつては薬の力で地域の人々を元気にしていた建物が、時を経て今度はコーヒー豆の香りで地域を元気にするのはとても興しろいストーリーだな。と思いました。
そもそも私はコーヒーが大好きで、自宅にいるときは毎日のように手動の古いミルで豆を挽いてコーヒーを入れています。この豆を挽く時間と香りがちょっとした私の癒しなのです。
意外とこれが一番の理由だったりもするかも…
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