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夏至のメッセージ 2022 #27

2022年7月17日 宮司様との会話 その1

The Master was born in the Kamakura period.


今日も朝のお勤めの後に宮司様とお話をする機会に恵まれました。


宮司様は鎌倉時代初期にこの世へ生を受けたそうです。その頃は大乗仏教が大隆盛です、法然や親鸞、日蓮と有名どころが大活躍です。
それまでの難解な学問を必要とする貴族仏教から、もっと大衆的で難しいことを考えずに念仏を棚えていれば誰でも浄土へゆけますと唱えて、人数という力をつけてゆきました。

神道にしても、本来は日本の元になる考えでしたが大化の改新あたりから仏教が入ってきて力をつけて、神道と並ぶほどになってゆきます。

その頃の神道や仏教は、権力を持った者たちと共にありました、権力者は形のないもので大衆をコントルールし、寺社を増やすことで経済を活性化して権力を増してゆきます。
それに伴い宗教者たちも栄華を極めてゆきます。

仏教が力を付け神道が衰退してゆく頃に宮司様は北陸地方で神社を任されますが、村では新しい仏教に魅力を感じて仏教に帰依する人たちも多くなります。いつしか神道から離れ、神社を守る氏子はほとんどいなくなりました。

宮司様の努力も虚しく神社は荒れて崩壊してゆきました。当然、その村も衰退していったそうです。全てのものに神が宿り、八百万の神を信仰するより、阿弥陀仏という象徴を信仰する仏教の方が分かりやすかったのです。

宮司様は信仰の対象がいるのだろうか?信仰とは象徴を崇めることなのだろうか?自分の内にある世界より、外に信仰の対象を求めることが信仰なのだろうか?

大いなる疑問が湧き上がります。

神道の中で生きてきた宮司様は、迷いを払拭するために荒れ果てた神社を出ました。
北陸の冬、荒れた夜の海へ向かって歩きます。
それから長い旅を続け人として生まれることはありませんでした。
ちょうど玉藻前が時空を彷徨い出した時と同じ頃です。


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