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Aquoiboniste 無造作紳士は誰のこと?

Bonjour! 東京フランスかぶれこと新行内紀子です。陸サーファー的にフランスを語っております。

今日は久しぶりにシャンソンの紹介をしたい。日本でも人気があるこの曲だ。

Jane Birkin ジェーン・バーキンの Aquoiboniste。 日本では「無造作紳士」のタイトルで知られている 。作詞作曲はご存知Serge Gainsbourg セルジュ・ゲンズブールである。

1978年に発表されたこの曲は、1999年にTBSのドラマ「美しいひと」の主題歌にもなったりもして、日本でも認知度が高まった。

このタイトル Aquoiboniste は フランス語のフレーズ、 ≪A quoi bon?≫「(それが)一体何のためになる?」にiste という人を表す接尾語を付けた造語である。piano に isteを付ければpianiste、ピアニストになるように、いつも≪A quoi bon?≫ と言っている人という意味だ。「だからなんなの?」とか「どうでもいい」とか言っている皮肉屋でシニカルな人のイメージである。

なので、この「無造作紳士」という和訳は、かっこいいけれど少し原文の意味とは違うのかなと個人的には思ってしまう。

バーキンが彼女特有の少しかすれた、アンニュイな声で歌う。

「どうでもいいけど」を繰り返し、「目医者はいらない、こんなくそみたいな世の中を見るためなら」とか、「君のことは好き、他のやつはみんな馬鹿」なんていう、かなり皮肉な言葉をつぶやく厭世的な彼氏を横で見つめている彼女目線の歌詞。

私からすると強烈なのろけに聴こえてしまうのだけど。

今回調べるまで知らなかったのだけど、この曲で歌われている Aquoibonisteにはモデルがいるらしい。それはなんとミュージシャンで俳優の、ジャック・デュトロンなのだそうだ。(ジャック・デュトロンもいい歌をたくさん歌っているので、今度紹介したいと思う。)

それを考えると、この曲は当時のデュトロンのパートナーのフランソワーズ・アルディの立場でゲンズブールが作詞作曲をして、自分のパートナーであるジェーン・バーキンに歌わせているという複雑さが見えてきて、フランスかぶれにはたまらない!(やばい、オタクの妄想)

詞も曲も難しくないので、歌いやすいし、初めて歌うシャンソンとしてもおススメです!

それでは À bientôt!

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