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デジタルと人間/2024.6.16CROWN POP THANK YOU LIVE Vol.4 第2部

CROWN POPの残り少ないライブをしっかり目に焼き付けようと思い、5人の一挙手一投足を見逃さないように(するには目が足りないのだけれど)目を凝らしながら、頭の隅っこの方でデジタルツインについて考えていました

デジタルツインについては、以前、研究者の方に話を聞いたことがあるのですが、ざっくり言えばデジタル上に作り出したクローン(複製)のこと
クローンと言っても人や生物だけではなく、工場だったり都市だったり。私たちが生きる空間にあるさまざまなものの複製をデジタル上に作成し、そこでシミュレーションや実験を行って、その結果を現実世界へフィードバックする試みがすでに世界中で行われています

そして人のデジタルツイン
たとえばその人の体格や体質、性格、興味、言動、行動履歴、その他もろもろ。その人を形成するありとあらゆる要素をデータ化してデジタル上に集積し、超高度なアルゴリズムで解析すれば、理論上はサイバー空間にこの世と同じ人間がもう一人誕生するよね、というお話なのですが……もちろん現実には、同じ人間をデジタルに生み出すには現代の技術ではまったく足りません。全然無理

でも、遠い未来
もしかしたら自分自身の分身が、あるいは大切な誰かがデジタル空間にもう一人生まれる、そんな日が来るかもしれません

CROWN POPのライブの話
2024年6月16日@柏PALOOZA

CROWN POP THANK YOU LIVE Vol.4の第2部が行われました

セットリストは↑の公式さんのツイートのとおり
「恋椿」でしっとり始まった1部から一転、「Boot!!!」からの「夏恋スコール」でスタートというアゲ展開。スタートダッシュよろしく、会場はライブ開始から熱気を帯びていきます

そこには若いも老いも、女性も男性も、古参ファンも新規ファンも、フロア前方も後方もない。ただCROWN POPの熱量あふれるパフォーマンスに身を委ねる300人ぐらい(?)のポッパーの一体感があったように感じます

1部に続いて披露された「DRINK TIME」。さっきはダミーだったクラポちゃんの手にする飲み物。今回はしっかりと本物のステージドリンクが使われていますね。何があったんだろう(笑)
けれど、たしかにリアルな水を飲んでくれて良かったと思えるぐらいに、客席フロアもステージ上も熱い空気に満ちて始まったライブでしたね

ここから先はYouTubeのライブ中継映像が残ってます

「2部もこのまま熱々で楽しんでいきましょう!!」
というさほるんのトークからも熱い様子が伝わってきますね

MCの終わり。あいたんから
「次の曲は、これまた久しぶりな感じの曲なんですけど、せっかくなら、かっこいいわたしたちとデートしてもらえないかなと思います」
という曲紹介

いやぁ、「アンビバ」が好きすぎて、柏できっと聴けるはずなんて期待したいたのでてっきり「アンビバレント・ハイウェイ」かと思いましたよね(笑
ということで、4曲目は「アンビバ」と同じ児玉雨子さんの手による作詞の「ホログラフィック・デート」。たしかに久しぶり感ある!!

スタート3曲から雰囲気は一変して、これまた魅力あふれる大人クラポの世界。そこにSFチックな世界を描いたちょっと不思議な歌詞がハマって、気持ちがさらに引き込まれます

「ホログラフィック」なメイクが流行り、「七色電磁の回遊魚」が泳ぐ時代
「光学式のキス」を夢見ながら、「どうせなら週末 水星とか」へデートで連れてってと言ってみる
そんな世界ならば、CROWN POPのデジタルツインが、この世界でもっとも素敵なグループ5人の複製が作れるんじゃないか
しっとりとした空気の中で、そんな妄想がふくらんでいきます

デジタルツインのCROWN POPならば解散しない世界もつくれるんじゃないか。これからもっともっと活躍の幅を広げ、もっともっと魅力的なパフォーマンスを披露できるようになったCROWN POPを見られるんじゃないか

ファンでさえ全部を受け止めきるのが難しいぐらい、あふれるほどの魅力をもったりなてぃー、いぶいぶ、さほるん、あいたん、みぃあのデジタルツインを作成すれば、それがたとえホログラフィックな姿だとしても、我々はずっとCROWN POPとともに道を歩んでいけるのではないか

現実が、我々の思い描いた未来を拒否するのであれば、せめてサイバー空間上にCROWN POPとともにつくる未来を築いていけはしないだろうか……

もちろん無理です。最初に書いたように、21世紀の我々の能力では完全な人のデジタルツインなんて作れるはずもないし、ましてそれがグループとして社会性を帯び、成長し、観客とコミュニケーションをはかり、喜びをともにしていくなんて、夢のまた夢の、さらにまた夢の世界の物語にすぎません

そもそも、もし不完全なデジタル技術で、クラポの人間らしい魅力が台無しになったらどれほど悲しいことか
そう、CROWN POPはすごく人間らしいアイドルが5人集まった、どこまでも魅力的なグループなのです

「ホログラフィック・デート」が終わり、同じ空気感のまま三田美吹さんのフィーチャーソング「Make me happy」へ

茜色した香りは「戸惑い」「思い切り」のグラデーション
柔らかく染まる色 赤らめた頬をして恋してる

CROWN POP「Make me happy」

何かしらの状況に応じてホログラムの頬が染まるようになるのは、完全体のデジタルクローンにとっては造作もないことでしょうが、「『戸惑い』『思い切り』のグラデーション」をどこまでデジタルに再現できるのか

プログラムされた心の移ろいではなく、リアルな人ならではの心には、デジタルに置き換えられない何かがあるのではないか
紫がかった照明の中で、妖艶な空気さえ感じさせながら歌い踊るCROWN POPからは、0と1では描ききれなさそうな人間らしさが滲み出ています

その正体はいったい何なのか
何がCROWN POPに、決してデジタルにはならない、人間の魅力を付与しているのか

残り少ないライブだからという理由だけじゃない
ここに至って、あらためてCROWN POPの魅力を見逃すまいと、ステージを見る目にも力がこもります

そこで感じたのは、たとえば目線
よく客に目を配る、会場のすみからすみまでお客さんを見るなんてことを言いますが、ただ見れば良いってもんでもないのかもしれません

曲のどのタイミングで顔を上げるのか
どんな目線を送るのか
体の向きと視線の向き
遠くを見るか、近くを見るか
まぶたの開き方は?
心情と視線と曲の内容はリンクしてる?
メンバーとのコンビネーションは?……

おそらくこうした細かな要素を、もっともっと無限に、かつ無意識に組み合わせ、そしてステージに臨んでいるのではないか。そんな風に感じさせてくれるクラポの目線

たとえば笑顔

客に向ける笑顔、メンバー同士で交わす笑顔
そこにあふれる愛情と信頼感

彼女たちの素直で、上品な人柄が存分にあふれるステージ上の笑顔は、決してデータをどれだけ集めても再現できるものではない。そんな気がします

そのほかにも、声のトーン、髪のなびき方、メンバー同士の関係性や触れ合い・じゃれ合い……頭の角度、首の角度から足の角度に至るまで、繊細な心のグラデーションが滲み出し、それがCROWN POPを魅力あふれる人間たらしめている

計算の範疇におさまらず自然と現れる、すごくファジーでさまざまな人間らしさ、まさに「人間性」がCROWN POPの魅力となり、そしてあらゆるところで我々にポジティブな驚きや喜びをもたらしてくれる。そんな気がしています

「alright!」「君色ロード」とみんな大好きな曲が続き、人間CROWN POPはさらに輝かしい魅力をステージから振りまきます
「光の道」を架けるのは、夢の存在でもなくホログラフでもない。生身の5人、そして誰よりも人間としての、アイドルとしての美しさを湛えた、この5人なのです

最後の一曲は「君にThank you!!」
そこに心があることをたしかに感じられる「センキュー」は、CROWN POPの5人がどこまでも素敵な人たちであるからこそ、こんなにも私たちの心を揺さぶり、そして涙を誘ってくるのでしょう

久しぶりの、そしてもしかしたら最後かもしれない王子様衣装ということで、特典会ではグループショットを撮らせてもらいに

メンバーには「それぞれが思う『人間っぽいポーズ』をお願いします」と無茶な注文でご迷惑をおかけしましたが……

左から「おいしく食べるのが人」「私らしさが人らしさ」「にこにこ笑えるのが人」「人って字が書ける人だよね」「私もにこにこの人」……かな?(笑

こんな変なお願いにも快く一瞬で応えてくれる、どこまでも気持ちの良い、そしてやさしいクラポちゃん
魅力はどこまでもどこまでも広がっていき、解散まで2カ月を切った今も、しぼむどこから膨らみつづけています。それもまた彼女たちの人間らしさかもしれません

愛にあふれる5人
藤田愛理、三田美吹、雪月心愛、田中咲帆、里菜

この先、道は分かれてしまうけれど、自ら発する以上の大きな大きな愛が彼女たちに降り注ぎますように。それが、どこまでも素敵な人間である5人の幸せにつながりますように

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