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プロフェッショナリズムと涙/CROWN POP THANK YOU LIVE Vol.4 第1部


確かなものは何もないけれど
“何もない”わけじゃない
"何か”求め繰り返す明日に
小さな幸せあれ

CROWN POP「未来」


2024年6月16日
柏PALOOZAにて行われた「CROWN POP THANK YOU LIVE Vol.4 第1部」

その4曲目で「未来」は歌われました

このライブのセットリストは下のツイートの通り

冒頭3曲、切ない恋心を描いた曲が並びます
胸を締め付けるような想い
叶う想い、叶わぬ想い
届く想い、届かぬ想い

誰かを強く強く想う気持ちは、希望や期待を乗せ、叶うか叶わないか定まらない未来があり、そして心の中で何よりも大切なものであり……それはある種の「願い」でもあると言えるでしょう

我々CROWN POPのファン、とひと括りにするわけにはいきませんが、少なくとも自分は今、CROWN POPが解散しない未来という、途方もない未来を願います
もはや奇跡ですらあり得ないのかもしれないけれど、クラポのいない世界に耐えられる自信がない以上、最後の最後まで訪れ得ないであろう未来の到来を祈り、願い続けています

ライブ1曲目「恋椿」の最後
いぶいぶが吐息成分多めに囁く

ずっと大好きだよ

CROWN POP「恋椿」

これまでよりもさらにかわいらしく、そして切なく響く「ずっと」のひと言に、虚しく願う未来が一瞬重なります

曲に描かれた恋物語に思いを寄せるのか、あるいは心の中に重く鈍くあり続ける虚しい願いに思いを馳せているのか。ステージ上で美しく舞う5人に魅了されながら、自らの気持ちの在り処を見失なっているような、そんな気もします

切なくかわいらしい恋歌3曲が終わり、メンバー自己紹介のMC。その終わりに、
「次の曲は、ちょっと、あの、緊張しますね」
と照れ笑いを浮かべるあいたんの表情から、4曲目が「未来」であることが伝わってきます

あいたんにフィーチャーされた一曲だけにソロを担う箇所、しかも聴かせどころが多く、また披露する機会はそれほど多くないだけに緊張感が客席フロアの群衆に埋もれた自分まで伝わってきます

けれど、配信の様子を見てもわかるとおり、想いをこめて、抒情的にしっかりと歌い切った様子は頼もしく美しい限り

いわゆる落ちサビに入る直前、あいたん以外のメンバーがユニゾンで「それでも それでも」と歌う中、ステージの中央に立つあいたんは気持ちを高めるようにうつむき視線を落としていきながら、ふと、口もとの力が抜けていきます

この瞬間にしか訪れ得ない感覚を味わっているのか、心に余裕を感じているのか、あるいは別の何かなのか……
これからこの楽曲の中でも最もエモーショナルな部分に挑もうとする、その刹那に、藤田愛理は柏PALOOZAのステージ上で、ひそかに、それでもはっきりと、笑みを浮かべたのです

確かなものは何もないけれど
“何もない”わけじゃない
"何か”求め繰り返す明日に
小さな幸せあれ

CROWN POP「未来」

これから先、間違いなく叶うはずのない虚しい願いはあっけなく絶たれ、8/9以降、自分は何もない世界に生きることになります。CROWN POPもなく、(見える範囲には)藤田愛理もいない世界

そこが本当に「”何もない“わけじゃない」のか
小さな幸せをもたらす「”何か“」が訪れることはあるのか

あいたんの話に戻れば、かつてであれば、ともするといたずらに抒情的になりすぎて、歌声が感情に押し流されてしまいかねなかったところですが、ひと言ひと言、ていねいにその場へ置き示すように
そして、そうできる余裕を表情で現したかのように歌い上げたこの日の「未来」

それはまるで「恐れるな」「安心しろ」と、心に語りかけてくるようでもありました

あいたんの余裕は次の「DRINK TIME」でも感じられます
今回のTHANK YOU LIVEシリーズ、どこかで「未来」が来るだろうと思っていた自分は、きっとこの曲を歌えばあいたんは泣いてしまうに違いないなんてしょうもない想像をしていたわけですが、決して涙を流すわけでも、歌に詰まるでもなく、やさしく強く「未来」を歌い終え、そして「DRINKTIME」では快活に乾杯していきます

「未来」の落ちサビ前の微笑から、終始、強さを感じさせる藤田愛理さん。続く「夏キラリ⭐︎」でも、その朗らかさは少しも揺るぐことがありません
けれど……

すごく久しぶりの曲をやるという話のあったMCの後
「またね」をパフォーマンスする中で、あいたんの瞳が突如潤いを増していきます
りないぶのツインボーカル曲。ダンスに集中するからこそ、二人の歌声が心に沁みてきたのか、「未来」ではこらえきったはずの涙が頬をつたいます

今まで本人には手紙などでその印象を伝えてきたのですが、藤田愛理さんという方はすごく見栄っ張りな方だと自分は感じています

いつも楽しそうで、生まれもった朗らかさですべてを明るく包んできたように見せながら、実はというか当然というか、裏ではとてつもない努力を重ねてくれているんですよね。でもその努力の影を感じさせない、苦労の跡を見せようとしない「見栄っ張り」

言葉を換えればプロフェッショナルということ、なのかな

見せる必要のない部分をあえて見せていくことはしない。自らのタレント性と積み重ねてきたスキルで最高のパフォーマンスを提供するプロフェッショナルとしてのあいたん
特典会やスタコミュなどの配信ではすごくゆるくかわいらしい姿を見せてくれるので、こちらもつい油断してしまいがちですが、ステージで見せるそのプロフェッショナリズムにはいつもいつも感心させられてばかりです

「未来」はまさにそのプロの姿勢がはっきりと現れた成果、ここまで彼女が磨いてきた表現力のある意味結晶だったのかもしれませんし、「またね」はその姿勢を超えた先にあった思いがふと顔を覗かせた藤田愛理らしさなのかもしれません

思えばあいたんに限らず、CROWN POPの5人はいつだってプロフェッショナルでしたよね
今日のライブで披露されたように歌やダンスはもちろん、ファンとの交流でもトークでも、いつだってファンに最高のものを届けようと一所懸命で、周囲を見る目を持っていて。歌もダンスもすごくクオリティが高いけれど、いつも謙虚で向上心にあふれていて

先日5人で揃って出演したワロップでも必要以上にはしゃぐこともなく、つねにその状況を見極めながら、進行役のジグザグジギー池田さんに程よくトークを委ね、それでいてしっかりと個性を発揮しながら印象を残していく、その姿勢はすごく落ち着いていて、クレバーで、ファンとしても誇らしいほどでした
いつだって、どんなコンテンツだって、最高なCROWN POPを5人は見せてくれます


THANK YOU LIVEでは最後の曲として恒例になっている「君にTHANK YOU!!」

どんな時もそばにいてくれた
光を見せてくれた
大切だよ 大好きだよ
こんなに幸せだよ

CROWN POP「君にTHANK YOU!!」

どんな時だってクラポは最高のパフォーマンスでそばにいてくれて、光を見せてくれています。8/9以降の自分が未来に向けて「“何か”」を見出すことができるのか。それにはいまだ不安や戸惑いしかないし、その不安から目を逸らすことは一瞬もできません
けれど、それでも今はプロフェッショナリズムあふれるその光に、しっかりとありがとうを伝え、そして幸せを噛み締めたいと思います

CROWN POP THANK YOU LIVE Vol.4 第1部」、いつもの通り最高のライブでした

本当にありがとう

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