商標で売り上げ向上を目指す
弁理士の坂岡範穗です。
今回は、売り上げ向上と商標について説明します。
事業を営む上で、必ずしなければいけないこと、それは売上げを向上させることです。
何故なら、法人にしろ個人事業主にしろ、利益を挙げないと組織として継続できないからです。
いくら良いものであっても、利益を挙げないと継続できず、結局世の中から消えてしまうことになります。
ここで注意しなければならないのが、良いものだから必ず売れるということにはなりません。
例えば、とても美味しいパン屋さんがあって、誰もがその味にビックリして、通常の2倍の価格でもリピーターになるパンがあるとします。
普通に考えれば、商売繁盛間違いなしと思うでしょう。
しかし、このパンを売る店を北海度の原野に構えたらどうなるでしょう?
全く売れないですよね。
これは、極端な例ですが、売り方を間違えれば良いものであって売れずに倒産ということもあるのです。
せっかく良いものを作っても売れないなんて、販売する側にとっても、購入する側にとっても不幸なことです。
是非、売り方を工夫していただきたいと思います。
この売り方の工夫ですが、マーケティングとか、セールスコピーとか色々言われていますが、大事な要素の1つにネーミング、つまり商標があります。
良い商標を商品に付すことができれば、売り上げに貢献することができます。
では、良い商標とはどんな商標なのでしょうか?
良い商標として様々な意見があるでしょうが、1つのパターンとして、その商標を見ただけでその商品の特徴が分かり、かつ語呂の良いものが挙げられます。
このよう商標は、一瞥しただけで需要者の注意を惹くことができます。
そして、その良い商標を特許庁に出願して商標登録しますと、商標権者が独占的に使用できるようになり、他社と比較して有利な立場に立つことができます。
私の知っているとある社長は、新たなサービスや事業を興すとき、その商標についてってっていてきに検討します。
最低でも数週間は色々と考えているようです。
そうしてできた商標は、需要者の興味を引いて、顧客吸引力に優れたものになります。
ここで、注意しなければならないのは、良い商標であっても、その商品の品質、原材料、効能、用途等をそのまま表わす商標は記述的商標と呼ばれ、原則として登録されないことです。
例えば、薬に「スグレータ」「とーくべつ」といった商標、お菓子に「美味しいケーキ」といった商標は、出願しても原則として拒絶査定となります。
(コンピュータに「アップル」、自動車に「カプチーノ」等は、商品の品質等を表している商標に該当しませんので、登録されます。)
そこで、暗示的商標といわれる商標を活用することができます。
この暗示的商標とは、商品等の品質をそのまま表わしているものではなく、なんとなく間接的に表現している商標です。
これなら登録される可能性があります。
この暗示的商標商標の例として、「素の味」(登録番号第39051号等)、「宅急便」(登録番号第3023793号等)が挙げられます。
これらの商標は、その商標を見ただけでその商品やサービスの内容が分かり、さらに良い品質を持っているイメージを需要者に起こさせることができます。
弁理士である坂岡から見ても、良い商標と思います。
また、需要者の注目を集めるネーミングを商標登録して、優れた販売実績を上げることもできます。
この例として、「お-いお茶」(登録番号第1380800号等)、「通勤快足」(登録番号第2093963号等)が挙げられます。
当初、これらの商品は、異なる商標で販売されておりましたが、そのときの販売実績はあまり芳しくなかったようです。
しかし、上記の商標に変更することで、売上げ向上させ、従来の数倍以上の売上げを実現したそうです。
いかがでしょう?商標の重要性をご理解いただけたでしょうか。
もっとも、商標についてはそれを出願したときの登録可能性、他社権利の侵害の判断等、専門的な知識が必要になりますので、弁理士に相談されることをお勧めします。
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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