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課題を見つけて知財で活用

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
 
 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「課題を見つけて知財で活用」をお伝えします。
※出願等のお問い合わせはこちらから http://www.sakaoka.jp/contact

1.知財を活用して企業価値を上げる方法の概略

 以前の記事「知財を活用して企業価値を上げる方法」では、具体的な方法として以下の7つを挙げてみました。
https://note.com/norio_sakaoka/n/nc45fe8bec77c
(1)課題探し
(2)従業員全体から課題を吸い上げる工夫
(3)効果の高い改善提案を選別
(4)先行技術調査
(5)抽出した先行技術文献を模倣する
(6)先行文献をさらに改良する
(7)特許出願の可否を検討する

 
 今回は、上記のうち(1)課題探しについて、さらに詳しく説明して参ります。

2.課題探し

 基本的に何かを良くしようとするとき、課題を見つけないと始まりません。
 これは、既存事業であっても起業するときであっても同様です。
 
 既存事業なら、現在の商品サービスを他社と比較するとこのような課題がある、顧客の要望に応えようとするとこういった課題がある、さらに利益率を向上させようとするとこういった課題がある、納期を短縮させるためにはこのような課題がある、といった具合です。
 
 起業であれば、従来の業界にはこのような課題があった、ユーザーはこのようなサービスを望んでいる、などでしょうか。
 
 但し、けっこうな割合で、ウチに課題なんてないよと言われそうです。
 例えば、ウチは下請けだから仕様どおりのものを作って納品すればよい、古くからある技術だから今さら課題なんてない、ウチには開発部門なんてないし今のままで十分、とかです。
 本当にそうでしょうか?
 
 私なりに意見を述べてみますと、課題は尽きることがありません。
 例えば、どんな製品にも以下のような課題があると思います。
 ・もっと高品質に
 ・もっと安価に
 ・もっと納期を短く
 ・もっと安全に
 ・もっと簡素に

 
 しかし、今の作業や工程が常識となってしまい、課題に気付けないことが多々あります。
 岐阜県にある未来工業の創業者、山田昭男氏の言葉ではないですが「常識を疑え」です。
 柔軟な発想でものを見てみると、意外と課題は見つかるものです。
 そして、課題を解決していくことで、会社としての進歩があると考えます。

 3.課題を解決しないと進歩もない

 課題を解決しないと進歩もありません。
 そして、進歩がない会社は、通常は衰退していくと思われます。
 なぜなら、世の中の仕組みは常に進歩しているからです。
 
 これは、旧社会主義国の工業製品を見ればわかります。
 例えば、旧東ドイツに「トラバント」という車があったそうです。
 このトラバント、1958年から1991年まで殆ど同じ構造のまま製造されていたそうです。 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%88
より引用

 エンジンは非力で排気ガスも汚い600cc空冷2ストロークエンジン、燃料計もラジオもなし、ヘッドライトの上向き下向きの切替えは車外に出てヘッドライト近辺のスイッチで行うなど、日本にいる私たちからするととんでもない仕様です。
 
 このトラバントはベルリンの壁という強固な参入障壁があったから存続していたのですが、1989年にベルリンの壁がなくなってから間もなく姿を消したそうです。
 常に進歩を続けていた西側諸国の自動車と比較すると、とても勝負にはなりません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%88
 
 トラバントの例は極端ですが、現状維持のままで良いと思うと、大抵はじり貧になっていきます。
 常に進歩を目指すこと、少なくとも時代の変化に追従できることが必要だなと感じます。
 そして、進歩するには課題を見つけなければならないのです。 

4.課題を解決した後は

 但し、課題を見つけてそれを解決しただけでは、他社に模倣されて終わりです。
 解決した仕組みを特許等の知的財産権で保護することも重要です。

 実際、弊所の顧客にも自社の課題を上手く見つけて、ホームラン級の特許を取得されているところもあります。
 御社でも、今一度、自社の課題を探してみませんか?
 
 この記事が御社の発展に寄与することを願っております。
 
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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