キーエンスにみる高収益体制
【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「キーエンスにみる高収益体制」について書きます。
何の気なしにYouTubeを見ていたとき、キーエンスに関する下記URLの動画がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=QUg_NuzX5us
https://www.youtube.com/watch?v=3s0z9b2Q2So
この動画を見て、キーエンスの高収益の最大の要因は営業力が凄くて、その営業力を維持できる仕組みを作っているからなんだなと思いました。
仕組みと言えば聞こえは良いですが、ひたすら馬車馬のように働く感じでしょうか。
ちなみに、私はこういった働き方は嫌いではないです。
私の同業者でも、稼ぐ人は時期にもよりますが土日関係なく働きますし徹夜もします。
稼ごうと思ったら人一倍努力することは必要ですね。
(休むときはしっかり休んでください、身体を壊します。)
話が逸れました。
しかし、営業力だけで高収益が実現できるわけでないことは勿論です。
私が弁理士として興味を引いたのが、「約1万点の商品があるが、そのうち約7割が世界初又は業界初」で「粗利8割」という言葉です。
一般に、世の中に出たばかりの商品は価格が高く、当然粗利もたくさんとれることが多いです。
それに目を付けた同業者が参入してきて、段々と価格がこなれてくるのが一般的です。
つまり、世界初、業界初の商品の数が多ければ多いほど、粗利をたくさんとれるということです。
さらに、新商品を特許で保護すれば他社の参入を防止できます。
勿論、キーエンスといえども、新商品の全てを特許出願することは難しいと思います。
過去20年のキーエンスの特許出願数を見てみると、平均して年間90件くらいです。
このため、高価格品又は大量生産品について特許出願して保護しているのではないでしょうか。
実際、低価格で数も出ない商品なら、特許で保護せずとも他社が参入する可能性は低いと思われます。
特許の上手な使い方ですね。
あと、低価格で数も出ない商品を持っていると無駄と思われそうですが、商品数が多くてニッチな製品があれば、こんなときキーエンスなら何とかなるかもという期待で顧客が勝手にやってくる効果も期待できますね。
もう一つ、私が興味を持った発言がありまして、それは、
『取引先から「こんな商品があったら良いな」といわれた内容を営業社員は各自月1つ以上本社の開発に報告する。』
だそうです。
開発側がこんな商品があればよいと思っても、実際は誰もそんなの欲しくないとなることがまぁまぁあると思います。
ここで、顧客の要望に添った商品開発をすれば、そんな外れを作る可能性はグッと低くなります。
限りある開発資源を有効に使うことができますね。
そして、粗利8割の高い?と思われる商品でも、欲しい製品だから顧客も買ってくれる。
良いことだらけです 笑
実際、ある程度の規模の企業であっても、研究開発部門だけで特許を賄うことは難しいと考えます。
課題というのはユーザーに近い営業、又は現場で働いている人達が現実に感じるものです。
従業員に顧客の要望、現場の課題といったものに敏感になってもらう、こういった仕組みも高収益につながりそうですね。
ということで、私が思ったことを勝手に書いてみました。
この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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