見出し画像

中小企業の飛躍のきっかけ~本田宗一郎氏の初期の特許~

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】

 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「中小企業の飛躍のきっかけ 本田宗一郎氏の初期の特許」について説明します。
※トップ画像は本田技研工業株式会社HPより引用

 本田宗一郎氏が興した本田技研工業株式会社、いわゆる「HONDA」は世界に名だたる大企業です。
 もっとも、最初から大きな企業であったわけでなく、本田氏もいくつかの創業を経て本田技研工業株式会社を設立したようです。

 その中で最初に創業した「アート商会浜松支店」は本田氏が21歳のときに興しました。
 このとき、本田氏の腕もあって商売自体が順調で、さらに25歳の頃に車輪のスポークで特許を取得し、この特許で大きな利益をあげたようです。

 そして「アート商会浜松支店」での利益を元に、「東海精機重工業」を設立して、ここでエンジン部品の一つであるピストンリングの開発と製造をすることにしました。

 「東海精機重工業」での当初の業績は芳しくなく、「アート商会浜松支店」の稼ぎをどんどん食い潰していったようです。
 しかし、本田氏はここでも28件もの特許を取得したとのことです。
 そして、数年がかりで製品を作り出したようです。

 終戦直後、本田氏は「東海精機重工業」を豊田自動織機(多分)に当時のお金で、約45万円で譲渡しました。
 この45万円を今の貨幣価値でみるといくらでしょうか。
 はっきりとは分かりませんが、それでも数億の金額はあると思います。

 本田氏は、そのお金をもとに本田技研工業を創業されたのです。
 その後の経緯は色々とあったようですが、2輪、4輪のレースで数々の結果を残し、商業的にもスーパーカブの大ヒット、さらに自家用車のCVCCエンジン、VTECエンジンなどの傑作を生み出しています。

 これ、振り返ってみると元々の本田氏の持つ商才に、特許が加わって成し遂げられたものではないでしょうか。

 いくら「アート商会浜松支店」が繁盛したところで、自動車整備だけでは稼ぐ金額に限度があります。
 そこで、「アート商会浜松支店」の利益を原資に車輪のスポークの特許を取得して、特許製品で稼ぐ。

 次に、スポークの特許で稼いだお金で「東海精機重工業」を設立する。
 当初はうまくいかなかったけれど、ここでも28件もの特許を取得した。
 これらの特許により「東海精機重工業」は確かな技術力を持っていることを取引先等に知らしめる。
 そして、「東海精機重工業」を現在の貨幣価値で数億の金額で売却する。

 その後、得た数億円をもとに本田技研工業を設立する。

 これって、現在においても十分通用する手法ですね。
 1.先ずはビジネスを興して利益を上げる。
 2.その利益を元に製品を開発して特許を取得。
 3.特許製品で稼ぐ。
 4.稼いだお金で別の会社を作る。
 5.ここでも特許を取得して稼ぐ。
 6.会社を売却又は上場してお金を得る。
 7.得たお金でさらに会社を設立する。

 さすがに本田技研工業までの規模は難しいでしょうが、上記のことをすれば、(上手く行けばの話ですが)数億円のお金を得ることも夢ではなさそうですね。
 あなたが既に経営者ならば、又は起業する気があるならば、検討されてみてはいかがでしょうか。

 この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。

坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
ホームページ http://www.sakaoka.jp/
YouTube   https://www.youtube.com/channel/UCbd1ApyZxN-PsVUn3XRSS-Q
Facebook   https://www.facebook.com/%E5%9D%82%E5%B2%A1%E7%89%B9%E8%A8%B1%E4%BA%8B%E5%8B%99%E6%89%80-100204532088766
Twitter    https://twitter.com/sakaoka

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?