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ブックガイド文庫で読む科学 (岩波書店編集部)

 私は結構安直なので、タイトルに惹かれて読んでみました。

 以前から、自然科学についての素養のなさが気になっているので、少しずつでも、取っ掛かりやすい本があれば読んでいるのですが・・・、何か初心者向きのお奨めでもあればとの思いです。

 その点では、本書で紹介されているどの本も興味を持ちました。
 が、まずは、機会をみて、
 ・ロウソクの科学(ファラデー)
 ・雑種植物の研究(メンデル)
 ・雪(中谷 宇吉郎)
 ・物理法則はいかにして発見されたか(ファインマン)
 ・零の発見(吉田 洋一)

あたりを読んでみようと思います。何となく、中学生や高校生に戻ったような感じですが、その程度のものでないとついていけそうにありません。

 あと、本書は、現役の研究者の方が紹介しているのですが、その紹介文にもなるほどという興味深いものがあります。
 たとえば、「科学的精神」についての(株)CSKフェローの黒川氏のコメントです。

(p47より引用) 科学的精神とは、ある意味で、過程そのものであって、結果ではない。知ってしまった知識が重要なのではなく、問いかけて、知り、さらに確かめるという手間をかけることが大事なのだ。

 また、アルバータ大学の藤永名誉教授は、以下のような「ファインマンの言葉」を引用されています。

(p6より引用) 量子力学となると、これを本当に理解できている人はいない。こういってまずまちがいないと私は思っております。・・・私がこれからお話することを、何かの模型になぞらえて理解しきるのが本当だなんて思わないでいただきたい。・・・私は、自然がどんな具合に振舞うものか、それをお話いたします。まあ、そんなこともあるものかと素直に受けいれてください。そうすれば、自然というやつも愉快な魅惑的な相手であることがおわかりになると思います。

 悔しいぐらいに、ちょっと格好のいい台詞です。


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