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デマだと思っても・・・〔気になる記事(PRESIDENT Online)〕

 昨今の「新型コロナウィルス禍」によって、思いもよらない社会現象が起こっていますね。

 「マスク不足」についていえば、今までマスクを着用していなかった人がマスクをつけるようになったわけですから、確かに「実需」が純増しました。
 いまだに町中の店舗で極端な品薄になっていますが、もちろん生産能力不足だけが原因ではなく、流通プロセスにも課題が残存しているのでしょう。

 他方、「トイレットペーパー不足」の原因は、別に「実需」が純増したわけではありません。
 さすがにようやく落ち着き始めたようですが、根拠が薄弱な「デマ」が発端となったこの現象に関しては、
 ・行動経済学の観点から「(多数派)同調バイアス」で説明したり、
 ・古典的経済学に対抗して登場した「ゲーム理論」を適用したり、
と世の中的には、大いに勉強になる解説がなされています。

 今回紹介するのは、心理学や経済学の専門家ではない方による記事です。
 専門家でないが故に、いろいろな観点(材料)からの興味深い考察が読みやすい文章で書かれています。

 なぜ「在庫は十分」なのにトイレットペーパーが買えなくなるのか
   → https://president.jp/articles/-/33600

 「トイレットペーパーの買い占め」といえば、私ぐらいの年代の方は“オイルショック”時の騒動を思い浮かべることでしょうが、そのころと決定的に異なっている社会条件は “ネット環境” の普及度合いですね。

 今回の騒動でトイレットペーパーの行列に並んだ人は、様々な動機をもった様々なタイプの人間だったのでしょう。
 ネットの書き込みを見て不安になって購買に走った人、ネット情報をリアルな場で耳にして遅れまじとお店に駆け込んだ人、ドラッグストアの店頭での行列をみて何事かと思い列に連なった人・・・。

 記事のなかにも「実際のところ、ドラッグストアや雑貨店に殺到した人はみな、デマを完全に信じ込んだ人ではなかっただろう。むしろデマであることを見抜いていた人もいたはずだ。」と記されていますが、「デマであると分かっていたにもかかわらず・・・」というカテゴリーの人の行動要因が何だったのか、この点が最も気になるところです。


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