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桃栗三年柿八年

「最低でも三年はかかるわね」

母の旅立ちを知る人にそう言われる

三年もかかるのか

わたしが立ち直るまでに

長い、長いと思っていたが
もうすぐ一年半が経とうする

長い三年は
あっという間なのかもしれない

それでもまだまだ立ち直れない

時折旅立った直後より
かなしみの深さが増してくる

泣きたくて
泣くわけではない
いつの間にか襲われる

相変わらずぼろぼろと泪はこぼれる

何にもしたくなくなって
身体だけがくたびれて
目も開かない

我ながら訳が分からない

身体は限界か
痒い蕁麻疹が出てくる
ストレスを山のように背負って生きている

木曜日の午前中
前の道を生協の配送車がくる

その日は母の通院日
母がいなくなってもやって来る

母がいれば車に乗せて病院に連れてゆくのにと
その配送車を見つめてる

何でも母がいれば、母がいればと
未練たらしく
思うわたし

肉体のない母
魂だけの母

そんなのは母じゃない

こんな気持ちはいつまで続くのだろう

桃栗三年柿八年

わたしが死ぬまで続くのか

いつか母に会える日まで


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