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上弦の月

母が肉体という衣を脱ぎ捨てて

魂だけになってから

四十九日が過ぎました

昨夜は上弦の月でした

母がおやさまに掴まって天国の花園に行ってから

二度目の上弦の月

月がとても美しい夜でした

星も輝いていました

もう泣かない

少しだけわたしの気持ちも落ち着いてきたかな

と思ったけれど

やはりまだまだ無理でした

母の冷たくなった手を思い出すと

それだけでつらくなります

もう還って来ないとどこかで

分かっています

大好きなお母さん

かなしさとむなしさが交錯するなかで

少しだけ、少しだけ

立ち上がろうとするものの

いつの間にか

引き戻されています

誰に、誰に

それはわたし

いつも同じところを行ったり来たり

それでも時だけは無情にも流れてゆきます

月の満ち欠けも

知らぬ間に二巡してました

わたしの知らぬ間に


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