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いつになるか

やっと母の粉骨を終え
小さくなった母の遺骨を持ち帰る
わたしはまた落ち込んでいる

今度はどこに散骨をしようかと

父と同じ富士山の見える海

父は静岡の海に遺骨を撒いた
撒いてから
母は一度も静岡までは行っていない

それならわたしは近くて直ぐに会いに行けるところがいい

相模湾がいい
葉山でも散骨をしているらしい

あぁ葉山か
私の中では決まった

ところが息子が文句を言う
「えぇ、じいちゃんと同じ場所にしないの?」
私のこころの中の声
(……お前そういうけれど、何にもしてくれないじゃん、全て私にさせるクセに、文句ばかりを言ってくる)

母が旅立ってから、私は本当の意味で親になる
ならざるえない
母もこんな思いだったのか
いなくなってよく分かる
我慢ばかりを強いられる
わたしがわがままを言うわけには行かないから
ぐっと思いをのみ込んでいる

この立場、分からないだろう
悪気のない一言も私のこころを傷つける

母が旅立つ少し前
「わたしにも甘えさせて」と曖昧に言ってきた
「えぇ、そんなの無理だよ、お母さんが娘に甘えるの?」わたしはこころの中でそう感じた
本当は甘えさせてあげれば良かった
母は身も心もつらかったのだろう
わたしにも余裕がなかった
それは言い訳でしかない
母はわたしの親だから
親だって子どもにかえりたい
頭では分かるけれど
やっぱりこころが納得してくれない

ただ一人だけでもわかってくれる人がいることに救われる
彼女もお父さんを見送り
今はお母さんのお世話をしている

わたしの思いも全て受け入れて
後悔も後悔ではないよと言ってくれる
もしもなんてないからね

そんな友だちがひとりでもいてくれることは
わたしにとっては救いである

いつになるか、いつになるか
この先のことは分からない

何にも出来てない
焦らないで進むしかないね

大丈夫、わたしならできるから

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