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未来のはなし


今から十年以上前
わたしは知人から預言カフェを教えられ…

悩みをいっぱい抱えていたわたしを見かねた知人から
「今日ね…面白いところに行って来たの」
占いの好きな知人は友だちに連れられて
「言ってることはよく分からない」と語ってくれたので

ちょっと惹かれて行ってみた

預言とは神様の言葉を預かること

その時の言葉を今読み返している
預かった言葉はいつの未来のことか預言をしてる人にも分からない

その言葉、まさに今、母があの世に旅立ってからのことに当てはまる

言われた当初、その時はわたしも言われていることに当てはまることがあり

そうか、そうかと納得してた

それでも母が旅立つ少し前から
言われた言葉が引っ掛かり
「これはどういうことだろう?」とひたすら頭をひねり続ける母とわたし

母は二度も命を救われて

まだまだ生きてくれると思ってた

わたしの勝手な推測で

魂は生き続けるが
肉体は永遠ではない
いつか朽ち果てる

そんなのまだまだ先のこと
安穏とわたしは思っていた

本当はもう時旬は来ていたと
どうして感じなかったのか

預言カフェで言われてた


母もすぐわたしの最初の言葉を読み、自分も連れて行って言ってきた

それから母はわたしより熱心に預言カフェに行きたいと二人、時には息子と三人で通うことになる

母には母の言葉があり、わたしが文字に起こしたノートに赤線を引きまくりヨレヨレになるまで読んでいた

晩年はもう旅立ちが近くなると
母自身、何となく何となく分かってきたような
それでも必死に生きている

「これはどういうことなのか」

不思議な不思議な預言カフェ
未来のことを言われている

ことが起こって分かるのが
やっと分かるのが
肉体を持つ性なのか
かなしみの中、くるしみの中
生きている

そこからわたしは立ち直ると預言され
そんなことあるもんか
沈んだ気持ちのわたしには
いまは分からない

人間には理解出来ない
どの言葉も
母の旅立ちを指していた

神にあずけなさいと

未来の想いを言い当てる
深い深い心の底まで
見抜かれて

見えない神の存在を

信じるしかないじゃない


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