いつまでも続かない

同じことはいつまでも続かない
時は過ぎてゆく

つらくてかなしいことはみんな口には出さないで
わたしがさみしげな表情をしていると
「自分もね…」と
こっそりと
はなしをしてくれる

いつまでもいつまでもしあわせは続かない
いつまでもいつまでも不幸は続かない

いつまでもいつまでもかなしみは続かない

いつまでもいつまでも

この肉体を返して
あの世に還る時を
早く早くと望んでいるわたしがいる

母がいるだけで良かったのに
もういない

母の最後に残る言葉はね
「あんたはこの世に生まれてきたくなかったんだよね」って…
この言葉だけは言わないように

だけど思ってた

かなしいけれど

でもねお母さんだから、わたしは生まれてきたんだよ

他の誰でもなくお母さんだから
それはずっとずっと思ってた

いつも真剣にわたしを守り
父からも
「どうしてお前は娘にそんなにしてやれる」
と言われ続けて

「自分も親から愛情を沢山もらったからだよ」…って母は話してくれていた

母の両親は愛情深い人たち
やさしい人たち

母とともにこころを学べてうれしかった
たのしかった
けんかもいっぱいしたけれど
いつもいつも守ってくれていた

そんな母とのお別れを
わたしはまだ受け入れられない

いつまでも一緒にいたかった

その願いはかなわない

本当はその先の角を曲がって進んで行っただけ
姿は見えない
でも母はいる
わたしの前を歩いてる