![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96672570/rectangle_large_type_2_da22c3813bb157c2bae6b6623c88b260.png?width=1200)
Photo by
waka_o00
鳩サブレー
「お母さんのいる御霊屋にお母さんの好きなものをお供えしなさい」
お社さんに言われた日
そうだよな
おやさまにあの世の花園まで
おんぶに抱っこで連れて行ってもらえたから
御礼をしないといけないね
「ノリかな、まだしてないの?それはダメだよ、御礼をしないと…」
とても気の利く友達に指摘されて気づく、ちょっとどんくさい私
母の好きなもの
その時は「すいか」しか思い浮かばない…
今はスイカの季節ではないし、そんなものどうやって持ってゆくの?
頭の中はぐるぐると空回り
あっ、母は鳩サブレーが好きだった
それを持ってゆこう
「ばあちゃんは鳩サブレーが好きだったの?あんまり食べてなかったような感じがする」
と息子は言うが、母は自分が食べるより人にあげて喜ぶ人
天命庵の御神殿にある御霊屋にお供えをする
ここはやはりお社さんに直接、母に鳩サブレーを持って来たと言わないと
「あぁ、あの鳩サブレーはあなたが持って来たの?わかった、わかった。誰が持って来たのかと思った、お下がりを後で食べようと思ったの」
お供えをするのは良いけれど、母に持って来たものだから、言って良かった
みんな鳩サブレーが好きなんだ、お社さんも
天命庵の御霊屋にお母さんはいるの?
本当はいつでもどこでもいるんだよね
肉体がないって
そう言うことだよね
私ともいつでもどこでも一緒なんだから
さみしいけど、さみしくない
かなしいけども、かなしくない
いやいや、つらく苦しいことばかり
時々無性に涙があふれる
元気出せ、元気出せ
ノリかな
この記事が参加している募集
よろしければサポートお願いします。