見出し画像

母の子どもで良かった

いつからだろう
わたしは母の子どもで良かったと
感じ始めたのは

母と離れて
じいちゃんの家にしばらく暮らした時だった

じいちゃんの家はみんなのこころがバラバラで
つながりがなかった

とってもとってもさみしい家だった
やさしさのない、あたたかみのない家庭

わたしも外に目を向けて
そこから逃げ出したいと感じた

現にいとこたちも逃げ出していた

もっと暖かい家ならば
彼女たちもあの家に居られただろう
なんだか居心地の悪い家

それは誰が悪いのか
わたしには伯母が悪いと感じていた

家族が大事なはずなのに
家族を守ろうとしなかった
家族とのこころのつながりを作らなかった

伯母のようにはなりたくない
家族を取らずに男を取った

男って夫のこと
夫だけが大好きで
夫のことを同士といったが
夫の思いは違っていた

夫は伯母を愛してはいなかった
自分さえ良ければいい
自分の欲さえ満たせればいい

かなしいことに

夫ともこころのつながりはなく
見せかけだけ

親を大切にして
親とこころをつなげて
子どもたちを育てられれば良かったのに

過去は変わらない
みんな不幸になっていった

今も不幸
伯母は今でもお墓に入れない
もう亡くなってから十年近く経つはずだ

自分のしたことは自分に返る

伯母を見て
いつも思った

わたしは母の子どもで良かったと
母は父ともわたしともこころを繋がろうとしていたから

母の元に帰ると
いつもいつもあたたかいこころに包まれる

今もずっと

よろしければサポートお願いします。