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寄り添い

母を亡くした友だちから久方ぶりに電話がある

いつもはメールだけのやり取りで

それでも心は繋がっている

その友のお母さんは亡くなる前には施設にいた

優しい彼女は
本当は家で面倒を見てあげたいと思っていたが叶わなかった

引き金はコロナのワクチン接種
それまでは不自由ながらも家事をこなして家に居られた

ワクチンが直接の原因ではないと言われてしまう

かなしいけれど胃瘻をして施設に入る

最初のころは月一回の面会はオンライン、少しずつガラス越しの面会が増えてゆく

お母さんの反応は薄くなってきた
それでも彼女は必死にお母さんに会いに行く

彼女にはまだお父さんが存命だ
お父さんのお世話をしている

最後の二年余りは家にいなかったから
「まだまだ生きている気がする」

わたしはひとりだから「食事も作る気がしない」と言うと

「わかる、わかる」と言ってくれる

母の具合が悪くなり、私も足を骨折して、落ち着かない日々だった
その頃に彼女とだけはメールで繋がっていた

「あの時は大変だったよね」
わたしの全てを分かってくれている

優しい言葉に泣きたくなる

何年ぶりの電話だろう
温かい温かい、ホワホワの気持ちにさせてくれる
寄り添ってくれて
ありがとう

彼女とは学生時代からの何でも話せる仲である

時には喧嘩もした
懐かしい思い出がいっぱい詰まっている

大切な友

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