酸っぱいよ
レモンから絞る
レモン汁をそのまま飲む
身体がアルカリ性になるからと
母がどこからが聞いてきた
わたしの身体にいいという
わたしの病は皮膚の細胞分裂が普通より速いらしい
それはわたしのせいではない
父方の爺さんからのプレゼント？
本当はそんなものはいらないのに
爺さんが背負い切れずにバトンタッチ
わたしの元にやって来る
チカラなしのクソじじい
彼の世なんかに還れるものか
誰が救いに行こうとも
救えるはずはない
金は残していったとて
叔父たちに全て取られて
わたしには回って来ない
人生もレモンも酸っぱいよ
でも分かっている
金は天下の回りもの
汚い金は身を崩す
神様に全てを取られてしまう
この世で良くても
いずれ身体が無くなったら
自分の魂に全て戻ってくる
爺さんも叔父たちもまだまだこの世で彷徨っているに違いない
彼の世になんか還れるもんか
だから生きてるうちに人を思い遣り
いい生き方をしなさいと
苦労も必要
もう酸っぱいレモンの絞り汁は飲みたくない
早く彼の世に還りたいとずっと願っているけれど
わたしにはまだ何かが残っている
やらなければならない何かが
まだまだ酸っぱいレモンの絞り汁がわたしには必要なのか
若い頃から飲み続ける
母は必死に闘った
わたしの病にも
爺さんとも
真っ向から向き合った
父のように逃げもせず
最近思うことは
何かを言われたら
「はい」か「YES」と答えるしかない
人生は甘くない
レモンの絞り汁のように酸っぱいものと感じてる
小牧さん、いつもお題をありがとうございます
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