見出し画像

頭の悪いおばちゃんが放送大学に入学していきなり地雷を踏んだ話

自己紹介

40代の頭の悪いおばちゃん

世間でいうFランクの文系(法学部)大学を卒業

ベンチャー企業を転々としている
自社サービス会社のWeb系エンジニア

高校時代は全く勉強に身が入らず理数系は壊滅的な成績で文系クラスへ。
大学の志望校は全部落ちて国語と英語だけでFランクの大学の法学部に入学したが、PCとインターネットの世界にのめり込む。

卒業後も就職することなく、タイピングゲームにのめり込み、WordとExcelとPowerPointとAccessで資格取得、HTMLやDreamweaverとFireworksでホームページを作ったり、自宅でLinuxサーバーを作ってコマンド叩いてサーバ管理、Perlのカスタマイズまで手を出し、ぐうたらな日々を送る。

情報系の専門学校やIPAの基本情報処理試験も検討したが、BasicとかMS-DOSとかインターネットの世界と授業内容がかけ離れており、全く興味が持てなかった。

当時の放送大学も情報系の科目がなく、当時の選択肢に入らなかった。

ぐうたらな日々の延長で気がつけば仕事もそれっぽい仕事となる。

なぜ放送大学?

会社がフル在宅勤務となり外の世界と接することがなくなり、危機感を感じるようになった。

放送大学の前にお世話になっていた某大学の授業がとても楽しくて学びの延長にしたいと思った。

この某大学で引き続きデータサイエンスや情報セキュリティ関連の授業があり、予備知識としてちょっと知っておきたかった。

放送大学に情報コースがあったので今の大学はどんなことを教えているのか知りたかった。

AIとデータサイエンス領域をちょっとかじりたかった。

学費が安かった

出願までの経緯

2021年11月から2022年の2月いっぱいまで某大学で勉強していた。
3月になって某大学の授業が一区切りとなり、ぽっかり穴が空いたところで放送大学のネット広告を見る。
放送大学エキスパートを見てコンピューターサイエンス関連のコースがあったので即決。
3月の2次募集締め切りちょっと前に入学資料を取り寄せることなくホームページからせっせと1年間の選科履修生で出願。

あっさりと入学が認められスマホのepayで学費を払ったのが3月29日。

4月1日から1学期の科目の放送が始まるのだが、放送教材が届いたのは4月8日ごろであった。

なにを履修したのか

放送大学エキスパート、データサイエンスアドバンスプラン(リテラシープランも兼用)の科目に合わせて以下の6科目を履修

AIと人間と社会との関係(‘20)
データの分析と知識発見(‘20)
統計学(‘18)
マーケティング(‘21)
情報セキュリティ概論(‘22)
データ構造とプログラミング(‘18)

この選択が地獄を見るコースになることを、頭の悪いおばちゃんは知る由もなかった。

4月のおばちゃん

所属する学習センターのオンライン入学ガイダンスは締め切りぎりぎり間に合って参加した。大昔の大学の入学式とは全く違う世界でぽかーんと聞いていた。

初回の放送日は手元に放送教材がなかった。

システムwakabaという学生専用のサイトにログインしたのが4月中旬ごろ。

そして学生証を取りに来いという案内が来たので4月の下旬に登録している学習センターに行った。はーこんなところなのかーとぽかーんとしながら施設内を見て回る。しかし職員の人以外は人はいないようだった。どう見ても怪しいおばちゃんである。

とにかく受講することになったので真面目にテレビとラジオで予約録音録画して週末にまとめて視聴しながらメモを取っていた。

しかし、統計学で放送教材を読んでもラジオを聴いても授業内容が全く分からない問題が発生する。数式がちんぷんかんぷん、練習問題の略解すら分からず先生に質問、データの分析と知識発見はRはなんとなく分かるが数式がこれまたちんぷんかんぷんであった。テレビ放送が終わった後に放送教材を見ながらRでプログラミングをしていた。

データの構造とプログラミングはC言語が使われていたため、C言語の本でささっとプログラムを動かしておさらいをした。

その週に視聴できていなかった科目はゴールデンウィークでまとめて視聴した。

5月のおばちゃんと通信指導

放送大学に入学すると通信指導というものがあり期日までに提出しないと単位認定試験が受けられないらしい。

ゴールデンウィークに紙面の通信指導の問題を解いてみたが大半が解けなかった。
結局放送教材をよく読まないと回答が分からない問題ばかりだった。

通信指導期間に入り、結局6教科、時間をかけて放送教材を読みながらノートを追加して通信指導の問題を解いた。
放送教材をしっかり読まないと太刀打ちできないことを知る。
これを踏まえて勉強のやり方を根本から見直すことにした。

通信指導は全科目自宅のMacbookからちゃっちゃと提出できるのは分かっていたが、オンライン通信指導提出だけの科目以外はマークシートを埋めて封をして糊付けして住所と名前を書いて日頃の運動不足解消と日向ぼっこのため郵便局まで歩いて窓口で3通提出してきた。(なぜかここだけはアナログなおばちゃんである)

6月のおばちゃん

システム開発の仕事に加えて6科目の通信指導の提出で力尽きてしまい、勉強する気が全く起きず、テレビとラジオの視聴もお休み。休みの日は昼寝と読書とゲームざんまいのぐうたらな日々を過ごす。

ここに来てインターネットでもテレビとラジオ授業を視聴できることが判明。
テレビとラジオ放送の録画録音予約が面倒になり、予約しなくなっていった。

7月のおばちゃん

通信指導の結果が返って来て6科目全部合格となり単位認定試験の案内が届いた。
単位認定試験は全て自宅のパソコンでオンライン受験。
全科目放送教材とノート参照可能とはいえ制限時間が50分であることを知り愕然とする。
試験までの時間がなく焦りだす。
困り果てたおばちゃんは例年遅い9月の夏休みを前倒しして7月の試験期間にぶつけるという暴挙に出る。

単位認定試験

焦るばかりでこれといった勉強をしないまま単位認定試験期間に入る。オンラインの単位試験のサンプルを操作して試験の雰囲気をつかむ。

1科目ずつ過去の試験問題と自習問題を解いていくが、放送教材を参照しても50分以内で問題を解くことができなかった。

過去の試験問題と通信指導と自習問題をベースに放送教材で答えを探しながらノートに要点をまとめた。

50分でなんとか回答できるレベルになったと思ったところで単位認定試験を受験。

なにやらオンライン試験は午前9時から午後5時ごろは混雑するとかなんとかで午前7時とか午前8時とか人のいなさそうな時間帯で受験をした。それでも1科目だけ午前8時台のオンライン試験中にAmazonの配達がやってきて配達の受取というハプニングがあった。

さらに放送大学から分厚い書類が届き中身を見ると2学期の科目履修の案内だった。インターネットで出願したおばちゃんはびっくり!親切なのかただのおせっかいなのか。試験期間中に送るなーと内心叫んでいたのは言うまでもない。

試験期間中に送るなーと叫んだもののやっぱり内容は気になるのでパラパラと見ていたのだが、

データの分析と知識発見(‘20)

が2学期で初歩からの数学と試験日時が被ることが判明。

1学期は統計学と初歩からの数学が同じ試験日時になり科目登録できず、2学期も初歩からの数学を履修できなくなる可能性が出てきたため、優先順位を上げて意地でも単位を取りに行くことにした。

YouTubeの科目紹介では美男美女の声優さんたちが生徒に扮しR言語超初心者向けに楽しくR言語を学ぶ講座だと思っていたら、試験問題は選択式と記述式の両方があり、統計とRの知識、そして記述問題も入ってきて50分以内でオンラインで回答しろという恐ろしい問題で気絶寸前になる。

当初は難しいので最後のほうに後回しにする予定だったが、玉砕覚悟で前半に挑むことになった。

4月はテレビ放送を見た後のんびりRを書いていたが、もはやそんな余裕がなく、放送教材を読んでもRと数式でわけがわからなくなり、結局は講義資料スライドのPDFをダウンロードしてテレビ放送を聴きながらスライドに書き込みをしつつ手元の講義資料のスライドを見ながらRを書いて実行する形で学習を進めた。PDFに手書きで書き込めるiPadは最強であった。(なぜ今までやらなかったのか、おばちゃんよ。)

わけのわからない数式はバッサリ捨ててRの実行と統計の特徴をつかむことに徹した。

過去の問題の記述問題は自分なりのネタを作っておいた。

過去問題のプログラム問題、類似問題は何度も解いた。

こうしてなんとか知識と検索ベースはできてきたので試験を受けた。しかし、Rのプログラム問題であたふたしてしまい全く手応えはなかった。

その後に統計学の放送教材をパラパラも見るとデータの知識と発見と被るところがあり、これはもしかしていけんじゃね?という謎の自信が出る。さらによく読むと内容的に統計学→データの分析と知識発見であることに気がつく。

とはいえ、数式がちんぷんかんぷんであることには変わりはなく、通信指導問題と過去問題と自習問題を見て放送教材でひたすら答えを探して要点をまとめた。よく出る計算問題は何度も繰り返し練習した。

こうしてなんとか統計学の知識と検索ベースはできてきたので試験を受けた。こちらも時間いっぱいなんとか解いて時間ぎりぎりで提出した。

データ構造とプログラミングは放送教材はC言語ごりごりだったが、試験はC言語の問題はなくデータ構造に関する問題だった。

こちらも放送を見ながらデータ構造の特徴を理解することに徹する。

情報セキュリティ概論(‘22)は新設科目で過去問題がないようだった。

放送教材を読みながら通信指導と自習問題を解きつつインターネットの放送授業も視聴した。こちらは仕事でも知っている内容も多くお気楽気分で視聴して試験を受けた。

こうして6科目全て受験を終えたが、気がつけば夏休みの最終日となっていた。

本来であれば長期旅行に行くのに事実上の引きこもり勉強合宿となってしまい激しく後悔する。

さらに放送大学の自己点検評価報告資料によるとデータサイエンスプランの科目を履修した人たちの割合が全学生の0.1%、入学者の1%強しかいないことが判明。データサイエンス関連科目を履修する学生が異様に少ないことに驚愕する。

参考資料: 放送大学データサイエンス自己点検評価報告
https://mds.ouj.ac.jp/wp-content/uploads/2022/05/self_evaluation_2021_2.pdf

放送大学は心理学を学んでいる人が多く、情報学を勉強している人はかなり少ないようである。

データサイエンスアドバンスプランは全体的に難易度が高く合格率低め。履修した科目が難しいことが判明。

たしかに今の情報系だとサイバー大学や民間のプログラミングオンラインスクール、海外の大学、Couseraで勉強すること人が多いような気もする。

単位認定試験のあと

仕事しながらもソワソワとした日々を過ごす

Twitterの放送大学裏技祭りを楽しむ
・2学期のスケジュールが真っ白
・1学期の6科目登録ができない
全部クリアした。

成績は分からないが合格できたということなのだろう。

やっと試験結果が出た

AIと人間と社会との関係(‘20) → 特A (90〜100点)
データの分析と知識発見(‘20) → A (82点?)
統計学(‘18) → 特A (90点)
マーケティング(‘21) → 特A(100点)
情報セキュリティ概論(‘22) → A (80点)
データ構造とプログラミング(‘18) → 特A(100点)


やっと試験結果がシステムWAKABAで確認できるようになり、特Aが4科目、Aが2科目。6科目全て合格した。

解答も公表されたので答え合わせをした。データの分析と知識発見と統計学は玉砕覚悟でB〜Dあたりを予想していたが統計学がまさかの特A、データの分析と知識発見もAと思った以上の好成績で驚愕した。

データの分析と知識発見は悲しいことに10問の選択肢の中でR問題に関する選択肢2問が不正解。それでも評価がAになっていたので最後の記述問題で点数が加点されてぎりぎりAラインの80点に乗ったようである。

統計学は20問中18問正解で90点

逆に6科目の中で今の仕事に最も近いはずの情報セキュリティ概論の成績が下になってしまったことに愕然とする。

15問中3問不正解だったので、ちょうど80点ということのようだ。

感想

放送大学はテレビやラジオの放送番組をのんびりと視聴すればなんとかなると思っていたが甘かった。

単位認定試験は合格したものの問題の選択肢がややこしかったり、数式が全く理解できず、かなりきつかった。

基盤科目から勉強するべきだったと激しく後悔した。

データサイエンスリテラシーとデータサイエンスアドバンス両方のエキスパートを取った形になるが、お世辞にもしっかり基本が身についたという実感がない。

放送大学の自己点検評価報告資料からも教育内容はまだまだ発展途上だと思った。

どう見てもめちゃくちゃな学習だったにも関わらず、全部の課題と試験はやり切り、試験に合格できたので、頭の悪いおばちゃんでもやればできるじゃないかーという、くだらない自信はついた。

おまけ

単位認定試験のあと、元の某大学で統計学とデータサイエンス関連の講義があったのだが、事前学習で出された推測統計学がわけのわからない数式とRのソースコードに加えて内容もちんぷんかんぷん。

そしてとある日にYouTubeの放送大学の科目紹介

心理統計学(‘21)

を見てなんだこれじゃないかーと愕然とした。予習のつもりで受講した統計学が的外れになってしまったことを激しく後悔する。

文系と絡む分野は統計学よりも心理統計学で扱っている内容のほうがよく使われているようだ。心理統計学のタイトルを変えたほうがいいのではないかと思ってしまった。

データサイエンスの領域がめちゃくちゃ履修者が少ないらしいので体系化した履修プランは出したほうがいいのではないかと思った。

また、今回の放送大学エキスパートプランよりも一般向けにも公開されているインターネット配信講座の数理・AI・データサイエンス講座のほうが役に立つのではないかと思った。

参考: 放送大学インターネット配信講座

https://www.ouj.ac.jp/special/AOBA/

反省

出願前に科目体系図とナンバリングを確認しましょう。
科目登録する前にシラバスをよく読みましょう。
試験が始まる前から少しでもこつこつと勉強しましょう。
無理のない科目数を履修しましょう。
通信指導と過去問題と自習問題はちゃんとやりましょう。

2学期はどうする

元々は半年でダメなら次の半年で残りの単位を取れればいいと思っていたが、奇跡的に半年で6科目全部合格できたので、次はちんぷんかんぷんな数学と今の仕事に近い今さら計算機科学を勉強しなおすことにした。

まとめ

放送大学で勉強して卒業する人はマジですごいと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?