誰もが課題解決に参加できる「モブデザイン」
どうも河西です。今回はFigmaアドベントカレンダー2023🎉 への参加で久々にnoteを書きます。
今回は、2023/11/18(土)に金沢市とCode for Kanawawa、そしてFriends of Figma Ishikawaの共同開催で「シビック テック ミーティング カナザワ 2023」というイベントを開催した際のレポートと共にFigma愛を綴りたいとおもいます。
シビックテックとは?
みなさんは「シビックテック」という言葉、聞いたことありますか?
「シビックテック」とは、市民自らテクノロジーを駆使して社会の課題を解決し、生活の利便性を向上させる取り組みのことです。このイベントではデザイナーやエンジニアなどITに詳しい人に限らず、日々の生活の中で感じる「困った」をみんなで解決していきたいと考える、たくさんの金沢市民が参加しました。当日の様子はこちらです。
Figmaを活用したモブデザインの導入
「モブデザイン」とは複数の人が大きな画面などで同時に1つのデザインプロジェクトに取り組む手法で、私が普段から事業開発やサービスデザインにおけるチームコラボレーションの強化に積極的に導入している手法のひとつです。
今回はこれらを普段デザインの現場に馴染みのない人にもモノづくりのプロセスに触れてもらうために公共の場で実施することとしました。イベントではFoF Ishikawaに所属するサービスデザイナーが3名参加して金沢市で実際に取り上げられている社会課題をテーマにして公開プロトタイピングを実施しました。
これまでの金沢市主催のシビックテックのイベントは基本的にセミナー方式で行われていましたが、参加者の多くがテーマとなる課題のアイデアを出しても実現されるまでのストーリーがイメージできなかったり、具体的なUIに落とし込むことができないなどの問題がありました。
モブデザインの手法を取ることで金沢市のシビックテックの取り組みにおいてリアルタイムに今までにない解像度で課題分析のマッピングと解決プロセスの可視化、プロトタイプの評価ができるようになったと言えます。
実際の流れ
今回はツールとしてFigmaとFigJamを使いデザイナーをドライバー兼グラフィックファシリテーターとして据えながら視聴者の意見を引き上げました。複雑性の高い課題解決のプロセスや多様なアイデアの実現方法を構造化フレームワークなどを活用して画面上に可視化することで、多くの参加者がテーマとなる問題についての理解を深めることができました。
参加者から出てきた意見や要望をSli.doにリアルタイムに投稿してもらい、課題解決シナリオやアイデアをデザイナーがとりまとめることで、イベントホストとゲストの双方向的な共創体験が実現します。
FigJamのAIアシスト機能や、コミュニケーション機能など様々な実演を行っている中で、ツール自体の操作などはデザイナーがフォローし、司会者はあくまで画面を見ながら参加者に対して発話を促すという流れが一貫させる工夫をしました。
問題の言語化という点では様々なアプローチで関わる選択肢があり、それらが連続性をもって関わる全ての人の学習につながるのはモブデザインの良いところです。
公開プロトタイピングの重要性
公開プロトタイピングは利点は参加者全員がプロトタイプを見て触れることです。誰もが意見をだすことに意味を見出すことができます。特にシビックテックでは、市民や行政、そしてビジネスなど様々なバックグラウンドを持つ人々が参加するため、共通の理解を持つために公開されたプロトタイプが有用です。
必ずしも専門的な知識を身に着けたりデジタルツールを自由に扱えなくてもデザインに関わったり、課題解決のアイデアを評価することは可能であることを示すきっかけとなるでしょう。
FoFのデザイン普及活動の可能性
今回の取り組みは、金沢市とCode for Kanawawa、そしてFriends of Figma Ishikawaのコラボレーションで実現できました。最初は単純に「アイデアをFigmaで可視化したい」くらいの期待値でしたが、実際にプロセスを開示するところまでをオンライン・オフラインで公開するという取り組みは斬新でした。
Friends of Figma Ishikawaは全国にあるFoFの一つですが、我々の理念としては一つのチームとして北陸エリアの異業種デザインコラボレーションの起点を広げるとともに、県内で活躍できるデザイナー人口を増やしていきたいという考えでいます。
デザインコラボレーションは、シビックテックに限らず今後の産学官連携の課題解決に不可欠です。デザインの観点から多角的なアプローチをすることで、より包括的な解決策が生まれます。産業界のニーズや技術の実現可能性、行政の規制など、様々な側面をカバーするために、異なる分野からの人々がデザインに関与することが大切だと考えています。
今後見かける事がありましたら、ぜひ@fof_ishikawaの活動のフォローをよろしくお願いします。
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