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フランス外人部隊への挑戦#5の続きです

なんだ俺、やりきったわ!

新兵訓練のほぼ全てを終えた僕らは、後は何処に配属されたいか?
が話題の中心です。
昔、西欧列強だったイギリス、フランス、アメリカなどは今でも世界に海外領土があったりします。
フランス外人部隊は何か有事があったら真っ先に投入されるのが誇り。
そして海外領土、もしくは保護地の防衛も任務です。

◆南太平洋 タヒチ
青い珊瑚礁のリゾート地、ここに行きたい!って言うと…
軟弱者扱いされます(笑)
南アメリカ ギアナ
ジャングル戦のプロになれます。
北東アフリカ ジプチ
僕が在籍していた頃はまだアフリカのジプチに駐屯地がありました。
現在はフランス国内に移動。
乾燥地の砂漠戦のプロになれます。
南仏 コルシカ島
知る人ぞ知る精鋭精強部隊、第二外人落下傘連隊の駐屯地。
外人部隊最強で世界の軍事業界でも有名です。
ここに行くって意気込む奴多し。
他フランス国内駐屯地
色々ありますが、ここら辺なら何処でも良いって感じです。

以上の中から一応の希望地申請は聞いてくれます。
聞いてくれるだけなので、悪しからず。
嫌だ!とか僕の希望は!とか言えるぬるい世界じゃないのであしからず。

僕はジプチかギアナ、可能なら精鋭部隊の第二外人落下傘連隊に行きたいと思ってました。
日本とはかけ離れた気候風土での訓練か、フランス国内駐屯だけど戦場に行くチャンスが多い部隊か、悩ましい選択の中ワクワクしていました。

そんな中での日々は掃除、マラソン、銃の手入れ、食事の用意、フランス語の自己学習など以外と暇な日々。
メインの訓練は終わってるので、いわゆる雑用が多く暇です。
そして、暇になると人って考える葦になるんです

フランスの風景から相反する未来が浮かぶ

当時のフランス外人部隊の任期は5年。
(僕が本で見た当時は3年と書いていたんだが…)
その任期を全うするとフランス国籍もらえます。
(ちなみに途中で辞めたら脱走兵扱いです)
もちろん、延長もできるしフランス語ペラペラだろうし任期を終えた後の色々な可能性を想像します。

苦しかった訓練も過ぎたらネタでしかない笑い話。
世界の荒くれ者挑戦者達と同じ訓練をこなし、やり切った満足感とこれからの5年間で更なる成長ができるワクワク感、世界のリアルを見れるチャンスが有るかもしれないドキドキ感。
俺はどこまで耐えれるんだ?俺はどこまで強くなれるんだ?
どんな世界が見れるんだ?ああん!みたいな感情です。

それと同時にフランスののどかな風景を見ながら考えると、もう一つの考えと未来が、ふと浮かんでくるんです…
楽しかったな~訓練。世界って本当に広いんだな~。まだ見ぬ色んな世界が
あるんだろーなぁ?いつか絶対行こう!どんなところだろう?見てみたいなぁ?いつ見に行こうかなぁ~?…歳取ったら無理だよな

二つの欲求の戦いが始まります…

この間、言語化すると複雑な感情がごちゃ混ぜになっていきます。
フランス外人部隊に五年間在籍することで得られる経験値と、世界を見れるだけ見てくる経験を天秤にかけて深く悩みました…

なぜこんなに悩むの?任期終わってから行けばいいじゃんと思うでしょう?
これには明確な理由があって、人生何も考えずに無茶苦茶できるのは20~25歳だと思い込んでいたからです。
(実際、人生タイムスケジュール的には今でも正解だと思います)
25歳からは、20~25歳で見知った物の中からやりたい事を集中してやろう
とも決めていたから(それが何故かテコンドーになったんですが)。

フランス外人部隊終えてから、傭兵になるか?フランス語が堪能であれば可能性も広がるでしょうし、とにかく日本では得難い経験値を得ます。
ただ、もし五年間紛争に派遣されなかったらどういった兵隊生活を送るかなんて、この数カ月で見えてくるもんです。

方や、世界は無限です。一生かかっても見きれるモノじゃない。
ヤバいところに行きたければ無茶出来る年齢じゃないと無理でしょう。
ここで、知った世界の人種・考え・文化何もかも出来るだけ知りたい!
世界・・・・・見てぇ・・・どうしよう・・やっと兵隊になれたのに

スッキリするのはどっちだ?

人生の岐路に立った時、ぼ~っと何かをしながら後悔無くなるまで考え込む癖があります。
多分最初からどっちに進んだらスッキリするのかは分かってます。
ただ、選ばなかった道を後悔しないために考え考え考え抜くんです。

雑用しながら、ずっと考え自分に問い続けます。
それをし続けると、ある時ふと納得感と共に答えが出てくるんです。
やっぱりこっちの道だよねって!

その答えを心に握りしめて、任地希望を上官に聞かれるタイミングを待ちます。
その時、後悔しないように!

・・こっ・・・怖ぇよ・・やっぱり・・

フランス外人部隊への挑戦#7へ続く

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