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専門誌掲載コラム「50周年」

2019年度も今月で終わり、いよいよ2020年度になります。2020年4月に弊社は50周年を迎えることとなりました。皆様のご指導・ご鞭撻のお陰と思っております。ありがとうございます。
手元に52年前の設立時の書類がありますので、ちょっと紐解いてみたいと思います。
当時の社名は「****株式会社」で発起人・役員には関西経済界の“朝ドラに出てきそうな錚々たる人物”が名を連ねています。この発起人代表から昭和4*年5月付で書類が出ています。
“目的”は「******事業を行うことを目的とします。」
“その理由”は「わが国はクラシック、ポピュラー、歌謡曲などあらゆる分野で音楽ファンが多く、文字どおり「音楽王国」の観があります。青少年の情操教育はいうに及ばず、文化国家として音楽が果たす役割は無限と申しても過言ではありませんが、わが国には音楽を専門に*****がひとつもないのが現状です。ところで*****、その活用方法については、種々議論されておりますが、その特性から****「音楽のため」といえましょう。(中略)もちろん、音楽と申しましても、歌謡曲、ポピュラー、クラシック、民謡、童謡など複雑多岐ですし、大衆の嗜好も変化しますが、*****は大衆とともに歩みつつも音楽の教育、教養的指導にも十分留意せねばなりません。青少年の情操教育はいうに及ばず、心を暖める音楽を、バラエティに富み、バランスの取れた****で、大衆に親しんでもらうことは、すなわち公共の福祉に寄与するものと固く信じております。以上のような理由で、幼児から老年にいたるあらゆる段階の人たちに、現在以上に音楽に親しんでもらい、わが国の音楽文化の水準をいちだんと高めるため、*****である*****株式会社の開設を****ものであります。」とあります。
“事業”として「幼少年向クラシック音楽入門、小・中・高校向け音楽史、音感・器楽教育、合奏・独唱・合唱の指導、作曲入門等」「名曲鑑賞、音楽会、クラシック・邦楽・オペラ・民族音楽の入門指導、鑑賞の手引き、名曲演奏会等」「歌謡曲・ポピュラーのレコード、*****、ダンス音楽、ドライバー向けジョッキー、ミュージカルショー等」「***」「その他」となっています。
何と高尚な文章でしょう。音楽に特化した会社を設立し、青少年の情操教育を行い、大衆を教育する、文化立国を目指す、心を暖める音楽を広く大衆に親しんでもらい公共の福祉に資する、という理想が語られています。196*年と言えば、“人類の進歩と調和”をテーマとし科学立国を目指した大阪万博の*年前、これと合わせ*****株式会社では、音楽を中心とした文化立国を目指そう、という気概が感じられるような気がします。現在のような、民間企業は多少の理想は曲げても利益を得ればよいのだ、というような狭量な考えは見当たらないように思えます。  
私たち技術者は、この会社の理想=“文化立国を作ること”、それを支えるために科学技術を駆使して公共の福祉に寄与しなければならないのだなあ、と感じます。そのために技術担当者は知恵と同時に設備投資(の交渉)を行っていますが、どうも近年の狭量な考え方では技術が技術のために投資を要求していると思われているようです。
それはそれとして、50周年という事で、いろいろ仕掛けていくようです。今後の弊社にご期待ください。弊社がこれから60年、70年と続いていくためにも、技術は技術として理想を追い求めていきたいと思っています。

(2020年3月 専門誌掲載)

注)特定できる文言は***で伏字としています。


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