9、金印を授かりし2大国の攻防

❍古代九州島の変遷ストーリー

警告!!
この物語はちょっとだけ事実を基にしたフィクション(空想物語)です。

一万年以上も続く縄文文化から、弥生文化へといち早く足を踏み入れた北部九州。なかでも、その中心となったのは奴国であった。

その奴国は、日本の歴史上初めて海外の資料に登場し、漢という大国から金印を授かりました。

一方、いまだ縄文文化が残る南部九州は、そのような北部九州に対して対立する事はなく、やがて、友交的に支配される関係を選択しました。これによって奴国は九州を支配しました。そして、奴国の繁栄は、百年以上も続きました。

奴国の場所と詳細については、今回の考え方では次のように考えていますご覧下さい。

しかし、なぜか突如として、奴国は威信を失い始めます。そこに、対立する勢力として邪馬台国が現れます。

邪馬台国は、伊都国を中心とする南部九州の国々からの支持を受け、さらに北部九州の小さな国々(北の旁国)も、つぎつぎに味方につけます。

邪馬台国と伊都国の場所と詳細について、今回の考え方では次のように考えていますご覧下さい。

つまり、邪馬台国は元々奴国を支持していた国々の支持を、南から北へ向かって、奴国からどんどん奪っていったのです。

そして、邪馬台国は女王が支配する国であります。邪馬台国と邪馬台国を支持する国々は次第に「女王国」と呼ばれるようになります。

女王国の領域は拡大を続け、ついにその領域は奴国の眼前にまで迫っていました。

そこで、女王は最後まで奴国を支持し、しかも奴国の軍事拠点である「狗奴国」への攻撃を決意するのであった。

邪馬台国と伊都国と狗奴国の関係について、今回の考え方では次のように考えていますご覧下さい。

❍奴国の眼前にまでせまった女王国の境界線

興味深い事に魏志倭人伝には、女王国の境界線について記述されています。

次有奴國 此女王境界所盡

次に奴国があります。これは女王国の境界線が途絶える所です。

このように切り取ると、「此」(これ)が指しているものは奴国と考えるしかありません。

ただし、全体として読むと、「此」が指すものについては意見がわかれてしまいます。

しかし、今回は、「此」(これ)が直前に出てくる奴国を指していると考えます。「これ」が直前に出てくるものを指しているとしても、文法的に間違いではないと思います。

今回の考え方では、邪馬台国は奴国に較べるとあくまで新興国であり、対立関係にあると考えています。対立している奴国は女王国連合には含まれません。

つまり、この文は奴国が女王国の領域外にあるということを表しているのではないでしょうか。しかし、女王国の領域はすでに、奴国の目の前にまで来ている事を意味しているとは考えられないでしょうか。(図・女王国の勢力)

このように、違う視点から見てみると、これまでと異なる解釈も見えてきます。

❍アマテラスとスサノオの対立

今回、このような空想物語を考えるヒントとなったのが、「日本神話」におけるアマテラスとスサノオの対立です。特に、奴国と邪馬台国の関係においてです。

「日本神話」について、詳しく調べたりしたわけではありません。神話の部分を読んで、不思議だけど面白いなと思ったといった程度の知識です。「日本神話」の深い心理などはわかりません。

しかし、魏志倭人伝は少し詳しく調べました。すると、似ているところがあるなと感じたのです。

まず、邪馬台国は女王国であります。そして、日本神話のアマテラスも女性の神様とされています。

そして、今回の考えでは奴国が日本で初めて、弥生文化的な成功を収めた国と考えています。縄文文化の国でも大国や強い国はあったとは思います。

しかし、地理的な要因により北部九州が最も早く弥生文化に入ったと考えられます。そして、奴国が初めて金印を授ったと中国の歴史書に出てきます。

この様に考えるのであれば、奴国が高天原のイメージに近いのではないか、と考えてもおかしくはないと思います。

そして、邪馬台国の時代に移る直前に、奴国が倭国内の国々から支持を失ったと考えたのは、スサノオの乱暴なふるまいのイメージからです。

日本神話では高天原に入ったスサノオの乱暴なふるまいにより、アマテラスは天の岩戸に引きこもり、高天原は暗くなります。このイメージから、奴国も同じ様に乱暴な王が現れ、各国の支持を失ったのではないかと考えました。

そして、天の岩戸に一度は引きこもったアマテラスは、他の神々の作戦によって、天の岩戸から出てきて再び活躍を始めます。このイメージから、女王国である邪馬台国が、奴国が失った各国の支持を奪っていったのではないかと考えました。

このような理由から、今回の空想物語は生まれました。確かに、魏志倭人伝を日本神話に、無理矢理合わせた感はいなめません。とはいえ究拍子もない発想ともいえないのではないでしょうか。

❍最後までお読みいただきありがとうございます

今回、初めてnoteを利用して、邪馬台国について考えた事を書いてみました。初めは、できるだけ論理的に書こうと思っていました。がしかし、書いているうちに不安になり、最後には強引な空想物語になってしまいました。なかなかうまくいかないものです。

もし、今回のような空想物語を面白いと思っていただけたのであれば、次回以降もよろしくお願いいたします。

前の記事を読む

次の記事を読む

表紙に戻る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?