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防衛省から米軍岩国基地の機種更新について説明

小さい頃から、住んでいる周防大島の上空を米軍の飛行機が飛んでいて、幼少期は音が聞こえるたびに怖くて家に飛び込んでいました。
この記事を書いている最中も、上空を飛ぶ音が聞こえてきています。場所によっては、近くの人との話し声が聞こえないことも。

岩国基地に配備されている戦闘機等の更新について議会に説明、町長が見解を表明

先日、7月26日に周防大島町議会全員協議会が非公開の秘密会として開催され、米軍岩国基地に配備されている戦闘機等の更新や機種変更について、防衛省から説明を受けました。

数日前の7月23日には、基地がある岩国市議会の全員協議会が公開で開催され、その様子を報道機関のニュースでも拝見していました。

そして本日7月28日に、周防大島町長の見解
「今般の機種更新等に関し、容認することについてやむを得ないと判断」
ということとあわせて、全員協議会の時の配布資料も町のホームページに掲載されました。


具体的に基地配備の何が変わるのか

防衛省からの説明によると、

ひとつは、岩国基地の米海兵隊のローテンション部隊(入れ替わりながら一定期間駐留する部隊)の戦闘機が、常駐している戦闘機と同じ機種に更新される。それに伴い常駐部隊の戦闘機の数はちょっと減る。

もうひとつは、横須賀基地に配備されている米海軍の空母が入れ代わるので、配備されている戦闘機や輸送機の機種も一部入れ替わり、今まで岩国に来ていなかった機種がやってくる。
・F/Aスーパーホーネットの1個飛行隊➡F-35Cの1個飛行隊
・C-2輸送機の飛行隊➡CMV-22オスプレイの飛行隊

ということでした。

おそらく住民の方々も気になっているのが、昨年11月に屋久島沖で墜落した”オスプレイ”が来ることの不安、それと配備される機体が増強されることによる騒音の懸念かと思います。

オスプレイ、とっくに岩国基地にあって、飛んでたじゃん??と思う方もいるかと思います(私もそうでした)。岩国基地には、よその基地に配備されているオスプレイが整備のために立ち寄る、給油する、試験飛行をするということで、これまでにも周辺を飛行することがあったようです。

防衛省は、岩国基地及び周辺に、さほどの影響はないと考えている

機種の性能やサイズ、騒音想定、更新に伴う体制の変化について説明がありました。

  • 更新前後で大型化することもなく全体量が増えるわけでもなく、騒音もひどくなるとは考えていない。

  • 岩国基地にいる米軍の任務や普段の活動に変更はない。

  • 岩国基地にいる米軍の人数に大きな変更はない。

  • 岩国基地に何か新しい施設を増やすことはない。

とのことでした。

議会からの質問

私は質問しませんでしたが、
同僚議員からは、

  • 町として、住民には今回の協議会の内容をどのように周知するのか

  • オスプレイは安全性をアメリカも日本も政府が確認しているということだが、屋久島での事故を経ても、安全と言えるのか

などの質問が出されました。

Q:町として、住民には今回の協議会の内容をどのように周知するのか

これに対しては役場執行部(総務部)から、

町のホームページに掲載するなど考えられるが、「議会の岩国基地関連対策特別委員会」と協議して、具体的な対応を検討したい

との回答でした。
先にはりつけた町のホームページには、全員協議会でどのような質疑がされたかには触れてありませんが、防衛省からの説明資料、事前に県、岩国市、和木町及び周防大島町から防衛相に対して質問したことへの回答の資料が公表されています。全員協議会で議員に示されたものと同じものです。

Q:オスプレイは安全性をアメリカも日本も政府が確認しているということだが、屋久島での事故を経ても、安全と言えるのか

オスプレイは米軍だけではなく日本の陸上自衛隊も持っており、導入にあたっては安全性を確認している。
屋久島沖での墜落事故については8月2日に調査報告書が公表されていて、本体に問題があったわけではなく一部の部品の故障とその警報に対する対処が適切でなかった人為的ミスである、と結論付けられている。
そのため、機体の安全性に問題はないと考えている。

屋久島の沖合で発生した米空軍横田基地所属のCV-22オスプレイの墜落事故に関する事故調査報告書について(防衛省)

そういう意味では、オスプレイに限らず、どの機種についても人為的ミスによる事故は起こり得ることであり、基地の近くに生活するということの不安は、どうやってもついてまわるものだと改めて認識しました。

そもそも岩国基地って…?

岩国基地。
夏になるとビーチで泳ぐアメリカ人ファミリーをよく見かけるし、
変わったナンバープレートの車も走っているし、
民間共用されている岩国錦帯橋空港の発着時は、窓から写真撮影が禁じられているし、
と、周防大島町民にとっては、否応なく身近な存在です。

でも今回、全員協議会の資料を事前に読みながら、わからない言葉や状況が多すぎて、何度も検索しながら読み進みました。
そこで、あらためて米軍岩国基地について、簡単にまとめておきました。何も知らなかった私がまとめた、本当に簡単な概要と思ってください。

岩国基地の変遷

もともと日本の海軍基地だったところが、
戦後米軍基地となり、
1957年から海上自衛隊も一部供用、
2012年から軍民共用空港として岩国錦帯橋空港開港、
長らく米海兵隊の航空基地だったが、在日米軍再編計画に基づき、
2018年から厚木基地から移ってきた米海軍空母艦載機部隊も駐留している

という状況で、米軍の海兵隊と海軍、日本の海上自衛隊、民間航空会社が利用しているということです。

1940年、日本海軍基地として運用開始。訓練基地・防衛基地として使用(訓練生96名、ゼロ戦150機)。その後江田島旧日本海軍兵学校の分校が岩国基地内に設立され、約1000名の士官候補生が常時訓練。
終戦後、さまざまな国の軍が岩国基地に進駐。オーストラリア空軍基地だったことも。
1950年、朝鮮戦争が勃発すると、国連軍(オーストラリア海軍と米空軍)が岩国基地に派遣。
1952年、日米安全保障条約の締結に伴い米空軍基地となり、大規模改修。
1954年、米海軍基地となる。
1956年、朝鮮の海兵隊が移駐
1957年、日本の海上自衛隊が一部供用開始。
1962年、正式に米海兵隊岩国航空基地に。
1997-2010年、瀬戸内海を埋め立て、滑走路を1キロ沖合いに移設する事業を実施。
2012年、軍民共用空港として岩国錦帯橋空港が開港。東京便や沖縄便。
2018年、厚木基地から米海軍空母艦載機部隊が移駐。

米海兵隊岩国航空基地ウェブサイト、岩国市ウェブサイト等参照

基地と地域

基地が位置する岩国市をはじめ、、周辺の和木町、周防大島町、広島県大竹市が対象地域として、地域振興や安全・安心対策に取り組むために、基地関連の交付金が交付されています。山口県に対しても、対象地域への施策に活用するために、交付金が交付されています。
周防大島町では、地域のイベント(お遍路イベントや花火大会など)への助成、こども医療費・給食費の無償化などの財源として、これを活用しています。
詳しくはこちら↓

再編交付金及び米空母艦載機部隊配備特別交付金を活用した基金事業について


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歴史的背景、国と国との間での取り決め、世界情勢への対応などで、地域住民の想いや意見をリアルに反映させるということはなかなか難しいことです。ただ、米軍や防衛省からの情報を受け取るだけではなく、基地を”ここにあるもの”として傍で生活していく中で発生する課題や問題について情報を対等に提供すること、事実を知ること、それらをもとに考えることは、止めてはならないことだと感じています。


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