再エネへの期待と不安にどう答えるか(一般質問予告)
9月18日に、議会一般質問が予定されています。
2020年11月から始まった、今の町議会議員任期最後の一般質問です。
私は、
・再エネの期待と不安にどう答えるか?
・こども家庭センターの設置は?
の、二本立てで質問を用意しています。
まずは、”再エネの期待と封案にどうこたえるの?”の質問の背景を整理しました。ご一読いただいたうえで一般質問を聴いていただけたら、質問の意図がより分かっていただけるんじゃないかと思います。
来る9月29日、町主催で「ゼロカーボンフェスタ」が開催されます。その中で、町長が「 周防大島町 ゼロカーボンシティ宣言」を行うそうです。これは、国が目指す2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すことを宣言するものです。
ゼロカーボンシティ宣言は、2020年9月時点では、全国で4自治体が宣言していたにすぎない宣言で、先進的なところのとがった取り組み、というイメージも強かったと思います。しかしそれから、脱炭素に向けた取り組みはあらゆる分野で意識されるようになり、義務付けされたり、取り組むとインセンティブが働くということも多くなってきました。
そして2024.6現在、全都道府県及び市区町村は1,066自治体(全市区町村数1,718の62%)が表明しています。
ちょうど一年前の2023.9の一般質問で、私は脱炭素に向けた町の取り組みを行うことと宣言について提案をしたのですが、その時は927自治体が宣言していたので、この1年で139自治体が宣言したということです。
全国最先端の高齢化率、少子化、人口減少、インフラの維持管理の負担増など、課題は山積で、脱炭素は今まで一見優先順位が低く感じられてきたのかなと思います。
しかし、脱炭素は課題というより「様々な課題を解消していくための一つの有効なツール」になる、と私は考えています。様々な課題への取り組みと同時進行とすることで、相乗効果が見込める、ということです。
再エネ導入推進への期待
その一例として挙げたいのが、太陽光のような再エネを地元で生産できれば、災害時の備えになり得る、ということです。
特にうちの町は島。地元で生産される太陽光発電による電気を地元で使えるようにしておけば、本土からの電力供給が途絶えたときの支えになります。
ただ、通常島の外に売電している電力を地域内で使えるようにするには、配電線の整備なども必要になってきます。
長年環境都市として取り組みを重ねてこられた長野県飯田市と中部電力は基本協定を結び、地域マイクログリッドの構築を始めています。
災害時の備え、エネルギーの地産地消(流出していたエネルギー代が地域内に落ちる)・地域外輸出(外貨獲得)による経済効果などを考えると、わが町にとって、再生可能エネルギーのより一層の導入は、温暖化防止だけではなく多面的なメリットがあると考えられます。
そこで、まず質問したいことが次の2つ。
町内で消費できる太陽光発電所が町内にどのくらいあるか
耕作されなくなった農地、家屋が解体された後の宅地、林地など、最近は周防大島でもいたるところに気づけば太陽光パネルが設置されています。
日本の全エネルギーに占める再エネの割合が増えることは歓迎ですが、その施設が町外事業者の所有物で、電力も町外に売られているとしたら、町は固定資産税が入ってくるメリット、町民が土地所有者で賃貸しているとしたら賃貸料が入ってくることや、草刈りなどの管理を任せることができるというメリットにしかなりません(それでも放置するよりよっぽど有益だと思いますが)。
先ずは現状どうなっているのか、町が知っているのか、聞いてみようと思います。
庁舎屋上の太陽光パネル設置事業者との契約内容
太陽光パネルを設置する民間事業者に一部の庁舎の屋上を貸借していますが、事業者とは、非常時に電気供給してもらえるような協定を結んでいると聞いたことがあります。それは設置されている庁舎のみなのか、周辺地域にも供給できるのか。気になるところです。
最近は、PPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)方式による庁舎への太陽光パネル設置・電力導入を環境省も提案しており、導入する自治体もあるようです。町の敷地を貸すのであれば、この仕組みで導入すると、平常時も再エネを利用できるので、よりゼロカーボンに近づけるのではないでしょうか?
そして不安
一方、再エネ施設設置のために土地が改変され、景観の悪化、土壌流出、パネルの不適切な廃棄等を心配する住民の声が全国各地で上がっています。近隣では岩国市でも、メガソーラーに関して不安が広がり、住民の運動もあり、議会も働きかけ、条例が制定されました。
また、令和6年4月施行の改正再エネ特措法では、事業規律が強化され、地域と共生することが具体的に求められるようになりました。
それでもなお、太陽光等再エネ施設の設置にあたり、住民の理解を得るようきめ細やかな対応を定めた独自の条例を新たに制定する自治体もあります。
こういった全国的な状況を踏まえて、うちの町内での太陽光発電施設について、質問をしようと思います。
町は太陽光発電施設の設置状況(場所、規模、設置者、責任者等)を把握している?
エレクトリカル・ジャパンが提供している、自治体ごとの太陽光発電所認定/運転開始状況(FIT統計)をみると、太陽光がどのように増加してきているか、データで確認することが出来ます。
周防大島町にも、500kw以上、1000kw以上の発電所があると今回このサイトで初めて知りました。
小さな発電所は住宅や畑に隣接しており、異変には住民も気づきやすいですが、大きな発電所は山の上などにあって、災害時など気づきにくいと思います。
町は、何かあった時の事業者の連絡先を知っているでしょうか?知っている必要があるかどうかも含めて、聞いてみたいと思います。
町の環境保全や住民の安全安心のために、設置について条件を付すような条例の制定は検討するのか。
幸い、町内で太陽光発電施設設置に係り大きな問題になっているということを耳にしたことはありません。ただ、これからまだ増加していくであろうパネル設置、ゼロカーボンシティ宣言に伴い町自身に加えて民間に働きかけていくとすれば、合わせてエリア規制(景観、環境の観点など)、住民との調整、適正管理の確約などを盛り込んだ条例が、特措法を補完する形で必要なのではないかと考えます。すでに設置されている自治体の条例を見ると、自治体それぞれ、手法や内容は様々です。どうやって地域と共存する再エネ推進をするか、問題が起きる前にきまりを整備しておくことは、参入事業者にとってもスムーズな事業展開をするにあたって必要な準備ができて良いことだと思います。
町民の中には、すでに自宅に太陽光パネルを設置し、自家消費や余剰電力の売電、蓄電池のセット導入による家庭のレジリエンス強化を図っている方もいます。
うちの町は島だからこそ、具体的な取り組みを把握しやすく、効果もみえる化しやすいのではないかと期待しています。
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